NCAAの暫定政策により、学生アスリートの肖像権による収入が可能に
2021年07月01日(木) 13:50さまざまな州法が、大学のアスリートたちが自分の名前、画像、肖像(NIL)から利益を得ることを許容している。NCAAの理事会が現地30日(水)に、即時的な効力を持つものとして、全学生メンバーがNILによる利益を得られるようにする法案を承認した。
全競技、全ディビジョンの学生アスリートたちが、自らの知名度を利用した製品の宣伝やサイン入りグッズなど、あらゆるプロモーション活動による収入を得ることが可能になった。選手たちにはこういった機会に向けてエージェントと正式な契約を結ぶことが許可される。一部のエージェントは特定の場合においてはNFL入りが見込まれる選手に早期のドラフトよりも大学に残ることを促すことができるほどの収入が得られると考えている。
NCAAはNILの収入が許可される州とそうでない州があることで公正な競争が損なわれる可能性を懸念していたが、今回の動きがそれを回避する一助となった。NCAA側としては画期的な動きであり、アマチュアリズムを追求するモデルの主要な要素の一つを手放した形だ。以前には、学生アスリートがNILの利益獲得機会にかかわることで競技資格を失うリスクがあった。
NCAA会長のマーク・エマートは『NCAA.org』に掲載された声明で「今日は学生アスリートが名前や画像、肖像を活用する機会を得られるようになった重要な日だ」と述べている。
「国中のさまざまな州法と共に、われわれは国家レベルでの明確性を提供するソリューションを発展させるべく、議会と取り組んでいく。現在の環境――法的および立法上の――はわれわれがより恒久的なソリューションを提示し、学生アスリートにふさわしい詳細レベルを示す上での妨げになっている」
NCAAは今回の新しい政策を暫定的なものとしており、州法による差異をなくすべく、議会に連邦法を求めていくという。
また、この政策では“プレーへの支払い”や学生が特定の学校に入ることを促すNIL報酬が禁じられている。しかしながら、NILの報酬を市場価値に沿ったものにすることを求める州法の規定と同様、その施行は難しいかもしれない。
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