元OLコーチ補佐ユージン・チョンへの差別的な発言は確認できず
2021年07月02日(金) 14:29NFLは現地1日(木)、元フィラデルフィア・イーグルスのアシスタントオフェンシブライン(OL)コーチであるユージン・チョンに向けた差別的な発言があったとされる件について、調査を行ったもののその性質や発端を確認できないとした。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが取得した声明によれば、リーグは「チョン氏やその代理人を含めた複数回の話し合いを行ったものの、われわれは実際にあった正確な発言や、誰が、どういった状況でそういった発言をしたのかを確認できなかった」と述べている。
リーグは5月24日に、仕事の面談の際にチョンが「求めているマイノリティではない」と言われたとされる件について調査を行うと発表していた。
アジア系アメリカ人のチョンは『The Boston Globe(ボストン・グローブ)』に「“あなたはマイノリティのうちに入らない”と言われたんだ。“ちょっと待った。私が最後に鏡の前で歯を磨いた時、私は確かにマイノリティだったけど”という感じだった」と語っている。
この件についての結論には至らなかったものの、NFLは「この機会を使ってNFLとすべてのNFLクラブに、確実に適切な面談プロセスを行い、フィールド内外で全従業員内に多様性、内包性、そして敬意を育てるためのコミットメントを強化」する意向を示した。
リーグの声明は「チョン氏はわれわれが前進していくのに助力しようと申し出ており、われわれはリーグ全体でいかに雇用機会を向上できるかについて彼と話し合う機会を歓迎している」と締めくくられている。
51歳のチョンはNFLのオフェンシブラインマンとして8年間プレーした。1992年の1巡目でニューイングランド・ペイトリオッツの指名を受け、ジャクソンビル・ジャガーズやインディアナポリス・コルツ、カンザスシティ・チーフス、イーグルスなどでプレーしている。
2010年から2012年はイーグルスのOLコーチアシスタントを務め、2014年から2015年はアンディ・リードHCのいるカンザスシティ・チーフスでOLコーチ補佐の役割を担った。2016年にイーグルスに戻り、今度はダグ・ペダーソン体制下で同じ役職についている。2019年シーズンに契約が切れた後は、コーチ業に携わっていない。
【A】