同性愛者であることを公表後、反響の大きさに驚いたとレイダースDEナッシブ
2021年08月08日(日) 01:12ラスベガス・レイダースのディフェンシブラインマン(DL)カール・ナッシブは今オフシーズンに現役選手では初めて同性愛であることを公表した。現地6日(金)、トレーニングキャンプに入って初めて報道陣の前に姿を見せた28歳のナッシブは、チームメイトやNFL界の関係者から受けたサポートに驚いたことを明かしている。
「もちろん、反響の大きさにはびっくりした。信じられないくらい。誰も気にしないだろうと思っていたんだ。でも、みんなが応援してくれたことで本当に明るい気持ちになった。自分のコミュニティの認知度や存在を知ってもらえるように、自分の役割を果たせてうれしかった」
LGBTプライド月間にもたらされたナッシブの発表はNFLコミッショナーのロジャー・グッデルをはじめ、現役選手や引退した選手、NFLコミュニティのあらゆる層から称賛と支持を受けた。
6月に大々的に発表する以前は多くの人にカミングアウトしていなかったというナッシブは「本当に少数。リーグ関係の友人だけは知っていた」と話し、次のように続けた。
「コーチたちに会いに行って、みんながちゃんと・・・なんというか、整理してもらって、自分を理解してもらえるようにしたかったんだ。それから家に帰って、家族や友達に一緒にいてもらいながら自宅で発表したいと思った」
レイダースのロッカールームにもナッシブをサポートする体制が整っている。クオーターバック(QB)デレック・カーはキャンプ中、ロッカールームの誰もが「彼を特別扱いしなかった」とコメントしている。
スポーツ専門局『ESPN』によると、カーはこう話したという。
「彼からすれば別の見方があるかもしれないから、分からないけどね。彼の話を聞いたわけじゃないから。ただ、俺の考えとしては、彼のロッカーは自分のところと近いんだけど、彼にはそのことを知っておいてもらいたかったっていう、それだけ。俺たちが彼に望むのは、スーパーボウルで勝てるように全力でプレーしてほしいってことだけさ。そのために俺たちはここにいるんだからね」
一方、ナッシブ本人はロッカールームで受けた反応を無限に感じたようだ。
「すごいなと思った。分かってはいたけどね。ストレスはゼロ。もちろん、不安も一切なし。最高のロッカールームだし、最高のチームメイトに恵まれた。周りには愛とサポートがあふれている。信じられないことばかりだよ。フットボール選手は評判が悪いけど、本当は謙虚で、勤勉で、人を受け入れることのできる人間ばかりで、今回はその良い例になったんじゃないかな」
ナッシブは発表の際、これは他の人を助けるためでもあると語り、理解ある大人が1人いることでLGBTQの子供が自殺を試みるリスクが40%減少するという研究結果を紹介した。 また、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クィア、クエスチョニングの若者の危機管理と自殺防止を目的とした団体“The Trevor Project(トレバー・プロジェクト)”に、NFLと同額の10万ドル(約1,100万円)を寄付している。
ナッシブは6日、自身のカミングアウトが他の人の役に立ったと思うかと聞かれ、次のように答えている。
「そうだといいなと思う。みんなの役に立っていればいいなって。誰であれ、できる限り誰かの役に立とうとしていると思うし、そのために生きているんじゃないかな。自分の願いではあるけど、そうだったら最高だね」
【RA】