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レイダースQBカー、「まだ15年はプレーできる気がする」

2021年08月12日(木) 20:17

ラスベガス・レイダースのデレック・カー【NFL】

タンパベイで若返りの泉を見つけ、年齢を感じさせない偉業を達成したトム・ブレイディは、どうやら他者にも刺激を与えたようだ。

東のバッカニアーズ軍団を率いるクオーターバック(QB)がブレイディなら、西のラスベガス・レイダースを率いるのがデレック・カーだ。彼もまた、自分の前に長い旅が待っているのが見えるという。

ちょうど30歳のカーは、自分にはまだ数多くのシーズンが残っていると感じている――それは彼がここまでプレーした長さの倍以上にあたる。

「俺はまだ、疑いなく15年はプレーできる気がしている」と現地11日(水)、カーは『ESPN』のポール・グティエレスを相手に豪語した。「どこも痛くない。キャンプの真ん中に来て、気分は最高だ。俺は強いし、速いし、爆発力がある。それは今のトレーニング方法の成せる業だと思う」

ブレイディが43歳にしてバッカニアーズをワールドチャンピオンシップに導き、スーパーボウルのMVPを獲得したのを見てしまった以上、今の楽観的なQBたちからすれば何でも可能に思えるのだろう。

44歳になったばかりのブレイディは以前、45歳を過ぎてもプレーすることを検討すると発言したことがある。それはカーが(今シーズンを含め)あと15シーズンプレーを続けたとして、ちょうど2035年に到達する年齢だ。

カーほど過小評価され、過剰に精査される選手はあまりいない。3年連続での4,000ヤード越えや67%を越えるコンプリート率も、彼の能力を議論する際には軽くあしらわれてしまうようだ。だが、彼の耐久力については議論の余地がない。レイダースでの7シーズンで彼は出場可能な112戦中110戦で先発し、3年連続で全16試合に出場している。

このように、カーの壮健ぶりはさほど驚きにあたらず、まだこの先何回も秋を迎えられそうだというのも衝撃ではないが、それでも15年というのは目が飛び出そうな数字だ。何しろ、彼はこれまで7年しかプレーしていないのだから。言うまでもなく、カーは以前、レイダースにいられなくなれば引退するだろうと述べたことがあり、それはつまり、チームに10年以上続く信頼を置いたことになる。

確かに、カーにとっては数字遊びだ。彼は20歳の気分であるにもかかわらず、白髪を5本発見したという。

「変わったのはそれだけさ。ひげに白髪が5本生えた」とカーは言う。「久しぶりに伸ばしてみたら、白髪が5本。どうなってるんだ?」

「気分は20歳なのにな。俺は本気で信じているんだ――体のケアに気を配っている俺たちの世代にとっては、30歳が新しい20歳なんだって。それは科学的に明らかになっていることだ。理解も深まっている」

曖昧なことだらけのプレシーズンで、唯一確かなのは楽観主義だ。少なくともカーにとってその楽観主義はこの先の1シーズンだけでなく、15年先まで続く。

いろいろな意味で、これはブレイディ・エフェクトの新たな章だ。すでにG.O.A.Tとしての地位を確立していたブレイディがバッカニアーズに行き、達成した成果は、QB仲間に波紋を広げた。ラッセル・ウィルソンやアーロン・ロジャースといったスターたちはフランチャイズの方向性に自分たちのインプットをもっと増やしたいと要求した。

年齢的な論理に逆らい続けるブレイディの能力は、周囲に自分たちも40代に入ってからでも良いプレーができると思わせている。

まだはるか先のこととはいえ、耐久力を証明し、体をケアしてきたというカーは正しい軌道に乗っている。

「率直に言って、最初にNFLに来た時に感じたよりも俺は強くなったし、速く、良くなったと感じている」とカーは述べた。「それはトレーニングのやり方について知識を得て、食べ方、体のケアの方法を学んだからだ。それにはちょっとばかり金がかかることもある。けど間違いなくその価値はあるぜ」

「俺は今8年目にしてこうして座っているけど、先輩たちから8年目について“ああ、惨めなもんさ”ってベッドから出るのもやっとの状態で聞かされたのを覚えている。俺は恵まれているな。そういう問題は俺にはない。骨折は経験している。けど、今のリハビリとかいろんなやり方によって、今は最高の気分だ」

2035年が来たら、彼がどんな年の取り方をしたか振り返って確かめてみたいものだ。

【M】