LSミュールバックを誕生日にカットしたのは「最悪だが仕方ない」とライオンズHCキャンベル
2021年08月20日(金) 11:19NFLとは冷たいビジネスだ。たとえトレーニングキャンプが行われている室外の気温が別のことを主張していたとしても、ロースターカットがある8月は最も冷え込む時期だと言える。
長年デトロイト・ライオンズに所属していたロングスナッパー(LS)ドン・ミュールバックはその現実を厳しい形で思い知らされた。NFLで2番目に年長のミュールバックは、40歳の誕生日を迎えた現地17日(火)にデトロイト・ライオンズからカットされたのだ。
しかし、少なくともライオンズのヘッドコーチ(HC)のダン・キャンベルは酷なことをしたと認識している。
『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』によればキャンベルは「とりつくろいようもない。私は[スラング]だ。それがほぼベストのやり方だということだ」と話したという。
すべてライオンズで過ごしたキャリアにおいてフランチャイズ歴代2位の260試合をこなし、NFLで18シーズン目を迎えようとしていたミュールバック。2018年には2度目のプロボウル選出を果たしたものの、現実として今回の動きは完全にショックだったというわけではないようだ。
12年後輩のLSスコット・ダリーとポジションを争った結果、ミュールバックは少なくともNFLのキャリアの終わりを熟考させられてきた。そして、サラリーキャップの観点からして、ロングスナッパー以上に犠牲にしやすいポジションはない。それは、ミュールバックが2013年以来、毎年最少額の1年契約を結んできたことからも明らかだ。
「(NFLのビジネス面には)本当に逃げ道はないんだ」とキャンベルは話した。
「あると言えるのかもしれないが、最終的にそれは私にかかっており、私の責任だ。ドンは素晴らしい人物だ。最悪だが、仕方ない」
シーズン開幕に向けてロースターの人数を減らしていかなければならない中で、キャンベルが対処しなければならない現実はロースタースポットであり、チームが何人を擁していいかを定めるルールだ。各チームは東部時間24日(火)16時までにロースターを85名にしなければならない。
「ニック(ウィリアムス)のような、ワイア上の動きが多かった。彼をCOVIDリザーブから戻し、ラインバッカーやクオーターバック(ジョーダン・タアム)と契約している。なぜなら、それがわれわれのいた地点であり、試練を課す時だからだ」とキャンベルは述べ、次のように続けた。
「その(ロースター)スポットを見ていて、残念ながらそれが彼の誕生日だったということで、まったくひどかった」
そう、その通りだ。
それでも、17年のNFLキャリアの輝きが損なわれることはないだろう。
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