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セインツのホームスタジアムの屋根から炎、今後のイベントに影響はない見込み

2021年09月22日(水) 14:50

シーザーズ・スーパードームから上がる煙【Chief C Mickal/New Orleans Fire Department via AP】

現地21日(火)、スポーツやエンターテインメントの舞台となるアリーナであるニューオーリンズのスーパードームの屋根の清掃に高圧洗浄機が使用された後、屋根の側面から煙と炎が上がった。

ニューオーリンズ消防局は現地12時30分過ぎに消防隊員たちがこの施設から上がった炎に対処すべく出動したことを認めている。炎はすぐに制御下に置かれた模様だ。

ニューオーリンズの緊急管理サービスは『Twitter(ツイッター)』で、“軽度の火傷”によって1人を病院に搬送したと伝えている。救急隊員は現場に近づかないよう、人々に呼びかけた。

関係者によれば、今週は塗装に備えて屋根の高圧洗浄が行われていたとのことだ。

ドームを管理する州の組織である『Louisiana Stadium and Exposition District(ルイジアナ・スタジアム・アンド・エクスポジション・ディストリクト)』と、スーパードームの管理会社である『ASM』が出した声明では「さらなる調査によって、屋根の清掃に使用された高圧洗浄機から出火した模様であることが分かっている」と述べられていた。

「炎はスーパードームの外部を取り巻く側溝システムの中に閉じ込められ、屋根の一部分が最小限のダメージを負うにとどまった。高圧洗浄は計画されていた屋根全体の再コーティングに先立って行われていた。炎によるダメージはすべて、再コーティングプロセスの中で修復される」

「初期の評価ではダメージは表面的なものであることが示唆されており、構造的な損傷や屋根の外表の品質への影響はない模様だ。施設の外層や屋根は防水性を保っている」

市の緊急事態管理部門が『ツイッター』に投稿した画像では、スーパードームの屋根と外壁の間の溝になっている場所で消防隊員たちが黒く焦げた部分に放水している様子が確認された。

ニューオーリンズ・セインツがこの会場で定期的にホームゲームを実施しており、定員までの観客を動員することもよくある。また、スーパードームは過去数十年の間にスーパーボウルの会場になったことが7回あった。コンサートやカレッジフットボールなど、その他のイベントも開催されている。

スーパードームを会場とする次のセインツのホームゲームは、ニューヨーク・ジャイアンツを迎えて現地10月3日(日)に行われる予定だ。

管理会社らは「最終的な評定はまだ続けられているが、ルイジアナ・スタジアム・アンド・エクスポジション・ディストリクトとスーパードームの管理会社であるASMグローバルは、今回の火事が今後のイベントに影響したり、そのキャンセルを強いたりするものではないと感じている」と述べており、その中にはセインツの試合も含まれているという。

セインツのプレシーズン最終戦として8月28日に予定されていたホームゲームは“ハリケーン・アイダ”が接近していた影響でキャンセルされた。台風の被害により、チームは一時的に練習拠点をダラスに移している。ドーム自体に台風の被害はなかったものの、市の広域にわたるインフラ上の問題やスタッフへの配慮から、9月12日に組まれていたグリーンベイ・パッカーズとのセインツのホームゲームはフロリダ州ジャクソンビルで行われている。

2005年に“ハリケーン・カトリーナ”がニューオーリンズを襲った際には、スーパードームが市から避難できない人々のよりどころとなるシェルターとして使用された。最大で3万人の人々がシェルターを求めてこの建物に集まったものの、嵐の衝撃には耐えきれなかった。風によって屋根に穴が開き、ドーム内のフィールドに水が浸入したのだ。発電機によって電力が供給されたものの、使用できたのは照明だけだった。街を守っていた堤防は決壊し、大量の水が市内に流れ込んでいる。排水ステーションも追いつかず、結果として最大で2メートルの水がドーム周辺に流れ込んでいた。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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