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WRベッカムの練習を免除、岐路に立たされたブラウンズ

2021年11月04日(木) 17:53

クリーブランド・ブラウンズのオデル・ベッカム【AP Photo/David Dermer】

現地2日(火)にインターネット上で不満の意が表明されたことにより、クリーブランド・ブラウンズとそのワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムは運命の分かれ道にあるようだ。

ベッカムの父親が火曜日、ベッカムがオープンになっていたにもかかわらず、クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドが彼の方へパスしなかった瞬間を映す動画をソーシャルメディアに公開している。その後、ベッカムは水曜日の練習を欠席した。同じく『Nike(ナイキ)』のアスリートでバスケットボール選手のレブロン・ジェームズも、リーグのトレード期限である16時を前に「#FreeOBJ」とツイートするなど、積極的に参加していた。

期限までにベッカムをトレードしなかったため、水曜日にチームとベッカムは気まずい状況に陥っている。急に険悪になった関係とベッカムを練習場から遠ざけたチームの決定について答えざるを得なったブラウンズのヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーは、ベッカムの代理人とジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーがベッカムの将来について話し合っていると報道陣に話した。

『92.3 The Fan(ザ・ファン)』のキース・ブリットンによれば、ステファンスキーHCは「いろいろなことを議論していると思う。実際のところ、詳細はよく分かっていない・・・これからもっと多くのことが明らかになるだろう」と語ったという。

ベッカムの父親が自身の『Instagram(インスタグラム)』の投稿のコメント欄で、メイフィールドの能力やモチベーションを過小評価するような態度が正当であることを示すために多くの時間を費やしたのを受け、ステファンスキーHCはベッカムを水曜日の練習に参加させなかったことについて「そうするのが正しいと思った」と付け加えた。ステファンスキーHCは水曜日の練習に先立って行われたインターネット上の活動には直接言及していないが、この24時間はベッカムと話していないと述べている。

その後にメイフィールドは、パスする際にわざと息子の方向を見ないようにしていたとベッカムの父親が主張していることについて質問された。

『ESPN』のジェイク・トロッターによれば、メイフィールドは「一緒に仕事をしてきて、しかもとても才能のある選手に、わざとボールを投げなかった・・・それは独断的な意見だと思う」と話したという。

ブラウンズで3年目のシーズンを迎えたベッカムは今季6試合に出場してキャッチ17回、232ヤード、タッチダウン0回となかなか調子が上がっていない。ファンはこれまでになぜベッカムがクリーブランドのオフェンスでもっと活躍できないのか、特に誰にも(スポーツトークショーラジオのホスト以外は)尋ねることなく、機会の不足を指摘していた。奇妙なことに、ベッカムがターゲットになったのは34回と、ブラウンズのパスキャッチャー全員を上回っている。ただ、それらのターゲットの性質については議論の余地がある。

ベッカムの方へ投げられたパスの中には、的外れなものもあった。それには最終的に勝利を収めたミネソタ・バイキングス戦において、ベッカムが望めばバックステップでエンドゾーンに到達できるような状況で肩にボールが直撃し、氷で冷やす羽目になったものも含まれる。しかし、その責任は確かにメイフィールドだけのものではない。ベッカムは今季、特に重要な場面でキャッチできそうなパスを落としており、その頻度も以前は不定期だったにもかかわらず、今ではほぼ毎週のように起こっていることでちょっとした話題となっていた。

それでも、4クオーターの間に2回のターゲット――厳密には1回で、2回目のターゲットはペナルティで消えてしまった――というのは、ベッカムがゲームの命運を左右するレシーバーになれると信じているチームにとっては許せないことだ。これまでブラウンズはベッカムが早い段階から関われるように努力しており、総ターゲット数はベッカムにボールを投じることにチームがかなりのエネルギーを費やしていることを示している。

つまり、単にうまくいっていないだけだ。現在、ブラウンズとベッカムは関係を維持することに興味を失っているかのように見える。

金銭的にはこの時期にベッカムを放出するのはあまり意味がない。放出したとしてもベッカムは1,575万ドル(約18億円)のキャップナンバーのうち1,300万ドル(約14億8,000万円)近くを占めており、ブラウンズは2021年の残りの期間にデッドキャップを背負うことになる。このまま継続するには害がある状況だと判断されれば、ベッカムが年俸の一部を返済する代わりに、フリーエージェント(FA)で自由になることを条件として両者が交渉するとも考えられる。

ベッカムが放出された場合、完全なFAになる前にウェイバーの対象となる。ただ、高額なサラリーとそれに見合わない能力では、最終的に自由に契約できるようになったとしても、どのチームもベッカムの引き取りを見送る可能性は高い。

このような結果が、ベッカムの親友であり、ルイジアナ州立大学(LSU)の元チームメイトであるWRジャービス・ランドリーの考え方にどう影響するかという問題もある。ランドリーは2018年に行われたトレードでブラウンズに加入してから飛躍的に価値が高まったことを証明してきた。シーズン第7週のデンバー・ブロンコス戦では誤ってランドリーにパスが回されたわけではない。また、ピッツバーグ・スティーラーズに敗れたシーズン第8週でプロとして最悪の試合をした後でも、ランドリーはチームのオフェンスの可能性を高めるために欠かせない存在となっている。

メイフィールドはランドリーと話したと言い、勝利することが責任だと話している。

『ESPN』によると、メイフィールドは「両者の間で線引きしたくない。そういう風にしようとしているんじゃない。でも、ジャービスは俺と同じくらい、心から勝ちたいと思っている。こういうタイプの人たちが、今の俺たちに必要な集中力を持っている」とコメントしたという。

ブラウンズは不満を持つ1人の選手がチームの列車を脱線させるのを許さないようだ。水曜日に行われた練習への参加拒否はそのことを示している。とはいえ、今季、ブラウンズは機関車を軌道に乗せることにすでに苦労しており、多くの巻き添えを食らうわけにもいかない。

神童に試練が与えられるとするならば、まさに今のことだろう。この先、ベッカムがどのように対処するか――そして、彼の将来はどうなるのか――を見守っていこう。

【RA】