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直面する難局を克服して再び軌道に乗りたいラムズ

2021年12月03日(金) 12:06


ロサンゼルス・ラムズのアンドリュー・ウィットワース【AP Photo/Scot Tucker】

少し前までは、ロサンゼルス・ラムズのプレーオフ進出を阻むものなど何もないかのように思われていた。

7勝1敗でスタートを切ったラムズについて、誰もがそう話していた。ラインバッカー(LB)ボン・ミラーとワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムが加わった今、スーパーボウル制覇を目指せるほどの実力が備わっているはずだ。

しかし、1カ月で多くのことが変わってしまった。

この1カ月でラムズは3連敗を喫し、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区では首位のアリゾナ・カーディナルスと2ゲーム差がついている。

現地1日(水)、ベテランのレフトタックル(LT)アンドリュー・ウィットワースは「シーズン中に起こる出来事は、見かけほど悪くないものだと思っている」と語り、「決して良いとは言えない。でも、例えばシーズン前半は良いプレーができていたし、オフェンス面でも一度もターンオーバーを許さずに効率の良いプレーができた試合もあった」と続けた。

ラムズは直近3試合でそれぞれ2回以上、合計7回のターンオーバーを喫している。序盤8試合で許したターンオーバーは合計7回だった。

クオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードは直近3試合でいずれもタッチダウンを決めるも、この間のインターセプト数(5回)は序盤8試合の数字(4回)を上回っている。

ヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイは「すべてのプレーで彼は良いフットボールを見せてくれたと思う。残念ながら、厳しい結果に終わったものもある。特に強豪チームとの対戦は厄介だ。なぜ私が彼を気に入っているかというと、とにかく戦い続けるからだ。私やチームメイトが彼に対してそうであるように、彼も自分自身に対して自信を持っている」と語った。

状況を好転させていくにはチームを盛り上げることやロッカールームでの会話よりも、実行力が重要だとウィットワースは主張している。序盤にターンオーバーを許してしまうせいで自分たちのプレーができなくなり、点差を追う立場になってしまうと言うウィットワースは、次のように強調した。

「それが真実さ。この厳しい現実を受け止めて、どうすればもっとうまくボールを扱えるかを考えないといけない。そのためには、ボールを保持することや優れたチームに得点を与えないことがすべてなのかもしれない。フットボールを大事にするように意識して、相手に主導権を握らせず、勝つために戦うんだ」

11月12日にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂して今シーズンを棒に振った、オフェンスの重要な武器であるロバート・ウッズを欠いたときから攻撃面での苦戦は続いている。ウッズは今季9試合に出場してレシーブ45回で556ヤード、タッチダウンパス4回、さらにタッチダウンラン1回をマーク。一方、ウッズが負傷する前日にチームに合流したベッカムは、合流後2試合目となるシーズン第12週のグリーンベイ・パッカーズ戦で心強い記録(キャッチ5回で81ヤード、タッチダウン1回)を残したものの、ウッズの穴埋めをするのは難しい状況だ。

ウィットワースは「うちは他チームよりも“11パーソネル”を多用している」と語り、こう続けている。「ワイドレシーバー3人とタイトエンド(TE)1人のセットをうちより多く採用しているチームもない。これはオフェンシブラインみたいなもので、プレーの方法だ。他のチームではやらないんじゃないか。ここだからやるんだ。ラインマンが一人いないのと同じ状況だ」

「彼は常にフィールドにいた。みんながポジションを移らないといけなくなるから、突然にそういうピースを失ったのは大きな問題だ。みんな、それぞれの場所にいる。今までのようにずっと同じってことはないよ」

「言うまでもなく、ロバート・ウッズはトーンセッターだし、人をブロックしたり、ボールキャリアーとしてボールを持ってルートを走ったりするのにも効果的なレシーバーでもある。オフェンスにとって本当に欠かせない存在なんだ」

オフェンス面で苦戦を強いられているにもかかわらず、昨季にスーパーボウルで優勝したチームでさえその年の11月に3試合を落としていたことを指摘したウィットワースは、自分たちには再起の可能性があると信じているようだ。

「物語を無視して自分たち自身であり続ければ、それが現実になる。この状況を打破するための方法を見つけてプッシュし続け、とにかく自分たちにはそれができると信じるんだ。そうすれば、本来のやり方で試合に勝てるだろう」とウィットワースはコメントしている。

マクベイHCは「この物語はまだ終わっていない。続かせていかなくてはならない」と述べた。

選手なら誰でもすべての試合で勝たなければならないと言うものだが、日曜日に行われる今季2勝9敗のジャクソンビル・ジャガーズとの対戦はラムズにとって絶対に負けられない試合となる。

ウィットワースは「これは言い訳のできない機会だ。紙面上の結果としてもそうだけど、自分の方が優れていて、上回っているって目の当たりにしなくちゃならない。それが現実だ」と言い、「この試合では必ず目を引いて、最高のプレーを見せて、仕事を全うしないといけない」と続けた。

【RA】