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再加熱しつつあるシーホークスQBウィルソンのトレードのうわさ

2021年12月13日(月) 09:02


シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Matt Ludtke】

シーズンが終わる前から、それはすでに始まっている。

オフシーズンの到来を待たずに、“ラッセル・ウィルソンはトレードされるのか”の議論が先週にも再び加熱し始めている。いくつかの候補地が挙げられたものの、ウィルソンはそれらを“取るに足らない話”と一蹴。それでも、誰もがこれから起こることに備えている。

現地12日(日)、シアトル・シーホークスはクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンの未来についての疑問符がついたまま、ヒューストン・テキサンズを下した。

去る2月、ウィルソンのエージェントであるマーク・ロジャースが、ウィルソンがトレードされる場合に検討するであろうチーム4つの名を公の場で明かしていた。ウィルソンの契約にはノートレード条項が含まれている。情報筋の話によれば、ロジャースの発言の以前にウィルソンは別のチームと話し合う許可を求めたものの、シーホークスがフランチャイズQBのトレードを望まなかったために拒否されていたとのことだ。

ウィルソン陣営とつながりがあり、シアトルの実業家――元『Starbucks(スターバックス)』CEO――であるハワード・シュルツの息子にあたる記者のジョーダン・シュルツが今年に入って、ウィルソンはデンバー・ブロンコス、ニューヨーク・ジャイアンツ、ニューオーリンズ・セインツに対して、ノートレード条項を破棄することを真剣に検討するだろうと報じていた。ある情報元もこの話を後に認めたものの、ウィルソン本人は否定している。ウィルソンはこれを関連性のない情報だとし、「俺は今ここで自分たちがやっていることに集中している。もちろん、俺はシアトルを愛している。この場所こそ、俺が毎日、すべての瞬間に愛している場所だ」と話していた。

これらの状況について、ウィルソンのエージェントとは連絡が取れていない。

今季はウィルソンにとって波のあるシーズンになっている。恐ろしい指のケガから迅速に復帰したものの、いつものウィルソンらしさを取り戻すにはさらに数週間かかった。その間にもシーホークスは4勝8敗となり、プレーオフ争いから外れた位置にいる。

ウィルソン陣営は今年をのるかそるかのシーズンだと考えていたようだ。しかし、シーホークス側も同じ考えだったのかは分かっていない。実際、昨年と同様に、チームはこれから起こることに対して強い発言権を持っている。

ウィルソンにはこれから2年以上の、5,100万ドル(約57億9,000万円)の契約がある。その後にもシーホークスはフランチャイズタグを2回使うことができる。ヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは常にはつらつとしているが、年齢は70歳を数え、チーム再建を望んではいないだろう。

QBについてより良い選択肢や、ふさわしい交代要員がないシーホークスは、昨シーズンと同様に手の内を変えることなく他からのオファーを固辞するにとどまるかもしれない。いずれにせよ、ラストスパートに入った今、チームはこれからウィルソンの将来に集中していくはずだ。

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