選手によるCOVID-19の症状自己申告は「喜ばしい」とアレン・シルズCMO
2021年12月27日(月) 14:08NFLとNFL選手会(NFLPA)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のプロトコルを変更し、ワクチンの完全接種を終えている無症状の選手の検査頻度を減らすなど、より対象を絞った検査方法を導入してから1週間が経った。同時に、症状がある選手の対応方法に関する問題が浮上してきている。
NFLのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)であるアレン・シルズ医師は、最終的には検査結果によって何名かの選手がリザーブ/COVID-19リストに載せられたものの、選手が症状を自己申告したことを「喜ばしい」と表現している。
シルズ医師は現地24日(金)に次のように述べた。
「われわれが設定した通りにシステムが機能していてうれしい。われわれはそれぞれのチームとそのチームメイトに対する社会的責任を感じている。個人的には“あまり気分がよくない”と自ら申告し、確実に誰かを危険にさらさないようにしなければならないと認識している人がいるのが喜ばしい。これは素晴らしい教訓であり、学校やビジネスにおいて、社会でどうあるべきかのモデルケースになると思う。現実には、NFLで症状がある人は、他人にうつさないために診察と検査を受け、治療を受けることになっている。これがわれわれの進むべき道だ」
過去2週間で370名の選手がリザーブ/COVID-19リストに登録された。先週はその前の週を上回る数字となっている。
12月13日(月)から18日(土)までは165名の選手が登録された。20日(月)から25日(土)にかけては205名、23日(木)には過去最多の46名に上っている。
検査の要件は変わった――ワクチンの完全接種を終えている選手は以前のように毎週、検査を受ける必要がなくなった――が、リーグが多くの検査を実施していないというのは誤解であるとシルズ医師は述べており、次のようにコメントした。
「検査対象者を見ると、もちろん、ワクチン未接種の選手や症状のある選手、ワクチン接種済みの濃厚接触者などがいる。そして、家族にハイリスクの人がいるとかで、自発的に検査を受けたいと考えている選手もいる。そして、5つ目のカテゴリーはランダムサンプリングだ。つまり、検査方法の変更前と同数の検査を定期的に実施するところまできている」
リザーブ/COVID-19リストに追加された選手の数は多いが、リーグによれば、ワクチンの完全接種を終えた上で陽性と判定された選手の大半は、ほとんど症状がないか無症状とのこと。新種のオミクロン株が出現する以前は、プロトコルで隔離期間として設定されている10日間を、リスト上の選手のうち、わずか20%しかクリアしていなかった。リーグの情報筋の話によると、現在、その割合は50%以上となっており、ロースターを管理しやすくなっているという。また、シルズ医師が述べたように、ワクチンの完全接種を終えていて無症状である選手の間で、施設内の感染拡大は見受けられていない。
症状の自己申告により、実際、相当数の陽性反応が明らかになっている。
関係者の話によると、例えばカンザスシティ・チーフスではNFLの無作為の検査プログラムにより、4名がランダムに検査されたという。そのうちの1名はワクチンの完全接種を終えており、症状の出ていなかったタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーだった。
翌日、ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルやキッカー(K)ハリソン・バッカーなどの選手が症状を自己申告してCOVID-19リストに登録されたと、チーフス関係者が明かしている。ヒルは土曜日にプロトコルをクリアし、ワクチン未接種のバッカーは10日間の欠場を余儀なくされている一方で、ケルシーはもうすぐクリアする可能性がある。
ロサンゼルス・ラムズは金曜日、チーム内での大規模な感染拡大から2週間ぶりにフルで練習を実施した(これまではウオークスルーかジョグスルーだった)。ジェネラルマネジャー(GM)レス・スニードは、シーホークスに勝った時点でどの選手が練習していなかったか、テクニックが落ちているかが見分けられるだろうと語っている。
スニードGMは「高波に襲われたからこそ、その瞬間に対応できるようになったというのはポジティブな側面だと思う。われわれは以前より冷静になった」と述べた。
今週、COVID-19が原因で先発クオーターバック(QB)を失ったボルティモア・レイブンズやニューオーリンズ・セインツのようにならないために、どのようにクオーターバックを危険から守るのかと聞かれたスニードGMは、QBマシュー・スタッフォードは“ただディフェンスするため”ではなく頻繁にマスクを着用している、と答えている。
【RA】