ラムズ戦の大敗は「経験のなさが大きく影響」とカーディナルスHCキングスベリー
2022年01月19日(水) 15:07アリゾナ・カーディナルスのヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーにとってNFL初のポストシーズン進出となったマンデーナイトの試合で、チームはロサンゼルス・ラムズに34対11で大敗し、ハーフタイムの時点ですでに大きく突き放されていた。
どう解釈してもカーディナルスは成す術もなく一方的にやられ、戦術的にも高校生の2軍チーム並みだったと言える。チームは183ヤードしか稼げず、ラムズに次々とビッグプレーを許して、ターンオーバーも2回喫している。
敗戦後にキングスベリーHCはカーディナルスの経験不足を敗因として挙げた。
「経験のなさが大きく影響したと思っている。プレーオフでのフットボールを体験するには、実際に戦ってみるしかない。その結果、われわれは力を発揮することができなかった。一方のラムズは素晴らしいゲームを展開して、優れたゲームプランを元に選手もコーチ陣もわれわれを上回っていた。それでも、こういう経験を通して学んで成長し、今後のモチベーションにしていくしかないと思っている」
実戦での経験不足がプレーオフでの成功を左右する要因になると言うなら、シンシナティ・ベンガルズは黙っていないだろう。ベンガルズはポストシーズンの経験が最も少ない(合計57試合)チームとしてスーパーワイルドカードウイークエンドを迎えながらも、勝利を挙げている。カーディナルスのポストシーズン経験は83試合と、同率で4番目に少ない。
初めから勢いがなかったカーディナルスは相手に叩きのめされ、反撃らしい反撃すらなかった。21対0でハーフタイムを迎えた頃には、キングスベリーHCはすでに白旗を振ったかのようで、前半でなんとか得点してやろうという姿勢は皆無。
大差での敗戦についてキングスベリーHCは「強豪チームを相手に最初の2クオーターで何もできなかったら、そうなるのは当たり前だ」と述べている。「相手を評価しなければならない。彼らは素晴らしいゲームをしたが、われわれは前半で効果的なコーチングやプレーをすることできなかった」
これが一過性のものであるなら、その失望感は払拭できたかもしれない。だが、カーディナルスはこの一カ月の間ずっと低迷している。キングスベリーHCのチームにとってマンデーナイトの試合は、格下のデトロイト・ライオンズ相手の大敗を含め、過去6試合で5敗目となった。
終盤に向けての崩壊はキングスベリーHCのコーチとしてのキャリアに共通するテーマのようだ。シーズン最後の数試合で記録した敗戦は次の通りとなっている。
テキサス工科大学でのヘッドコーチ時代:2013年は6試合中5試合、2014年は6試合中4試合、2015年は6試合中4試合、2016年は8試合中6試合、2017年は8試合中6試合、2018年は5試合中5試合
カーディナルスでのヘッドコーチ時代:2019年は9試合中7試合、2020年は7試合中5試合、2021年は6試合中5試合
2021年シーズンを迎えるに当たってキングスベリーHCの続投は危ぶまれていたが、開幕から7勝0敗をマークして彼はなんとか職に留まることができた。しかし、今回の失敗でいよいよ解任が近づいているかもしれない。経営陣にとって、月曜日の恥さらしが決定打となるかが問題だ。
「この試合は決してわれわれが理想としている姿ではないから、これをモチベーションにしてもっと強くなっていかなければならない。残念ながら、今夜は思うような結果を残せなかった」とキングスベリーHCは述べている。
【R】