「意味を成さなくなるまで」QBウィルソン引き留めに尽力したシーホークスHCキャロル
2022年03月23日(水) 13:12ラッセル・ウィルソンとシアトル・シーホークスは2022年に別々の道を歩む。なぜ袂を分かつことになったのかの答えも、それぞれに違っている。
先週にデンバーで実施された入団会見の席で、ウィルソンはデンバー・ブロンコスに移籍することになったのは自分とシーホークスのマネジメント陣の相互の決断だったと主張していた。しかし、シーホークス側は異なる見解を示しており、現地22日(火)にシーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルは再びそのことを強調している。
「これまでの歴史やそこで費やされてきたすべての時間から、彼がここにとどまる理由はたくさんあった。私はまさにそこからスタートし、そのロジックを使った」とキャロルHCは『Seattle Sports 710(シアトル・スポーツ710)』に出演した際に語った。
「長い期間で関係性を築いたとき、キャリアや他のものを越えてそれを進めていくことで得られるものは大きい。こういったことがすべて話し合いに含まれていた」
「私が引き続き言いたいのは、契約がある間は選手を動かす意向はないということであり、私たちは起こっていることやすべてに満足していた。だから、私はもはや意味を成さなくなるまで、そのロジックのために奮闘した」
キャロルHCの発言の行間を読むことは難しくない。それが意味を成さなくなるまで、とは、ウィルソンがシーホークスにとどまる案をもはや受け入れなくなるまで、ということだ。変化が必要だった。少なくとも、ウィルソンの考えでは。
当然ながら、シアトルは過去10年におけるフランチャイズの顔と別れることをよしとしなかった。しかし、他に選択肢はなかったのだ。キャロルHCとジェネラルマネジャー(GM)のジョン・シュナイダーは、チームにロンバルディトロフィーと2度のスーパーボウル出場をもたらしたクオーターバックに対して正しいことをしようと決断し、彼が唯一望む場所だったデンバーへ送り出すトレードを行った。
先週、デンバーでのウィルソンはいつも笑顔だった。オレンジのパンツスーツを身に着けた妻と共に、ナンバー3をつけた新しいオレンジのジャージーをうれしそうに披露した。彼らは今や、ブロンコスカントリーの一員だ。“ゴー・ホークス”というあの別れのフレーズはもう聞こえない。
シーホークスはまだキャリアの絶頂期にいるクオーターバックと引き換えに、最大限の見返りを手にした。とは言え、ドリュー・ロックをはじめとするQB勢には疑問が残ったままだ。
シーホークスはまだ動くかもしれない。実行可能な選択肢として、たとえばジミー・ガロポロやベイカー・メイフィールドがまだトレードマーケットに残っており、4月にドラフトでクオーターバックを獲得することも検討可能だ。
一つの動きがいったん落ち着き、両サイドが別々の道で新たな時代に踏み出した今、今回のトレードはウィルソンの願いの産物であることが次第に明らかになってきた。ウィルソンの要求を尊重するしかなかったシーホークスは、満足のいく後任を探すという課題に直面している。ウィルソンの後を引き継ぐのが誰なのかは、いずれ分かるだろう。
【A】