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WRヒルの起用法に“限界はない”とドルフィンズHCマクダニエル

2022年03月28日(月) 15:25


マイアミ・ドルフィンズのマイク・マクダニエルHC【AP Photo/Michael Conroy】

マイク・マクダニエルがまだ短いヘッドコーチ(HC)としての時間で学んだことの一つが、人事に関連するいくつかのシナリオが自分に提示されるということだ。スーパースターのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルが獲得できるかもしれないという話を聞いたときのマクダニエルの最初の反応は、不審だった。

リーグの年次総会の場で、マクダニエルHCは「それが真実なのか、真実にしてはでき過ぎなのかが分からない。これはあまりに良すぎると感じられた」と『NFL Network(NFLネットワーク)』のキャメロン・ウルフに語った。

ジェネラルマネジャー(GM)クリス・グリアが現実に6度のプロボウラーであるヒルの衝撃のトレードをカンザスシティ・チーフスと完遂させたとき、マクダニエルにとって事態はさらに良いものに感じられただろう。それまでにマクダニエルHCはヒルのテープを引っ張りだしており、“自分がもう知っていることをさらに確信“させられたという。

今、誰もが知りたいのは、マクダニエルがフットボール界でおそらく最速の選手であるヒルをどう活用するのかだ。ヒルは入団会見で、サンフランシスコ・49ersでのディーボ・サミュエルの成長に触れていた。しかし、そのオフェンスと“ワイドバック”としてのサミュエルの役割を築き上げた本人であるマクダニエルHCは、新たにドルフィンズに加わったチーターをどう使っていくかについて一切の詳細を明かさなかった。

「王国へのカギを渡したいものだが、競争上のアドバンテージを考えたときに、それに意味があるのか分からないね。タイリークのようにダイナミックなスキルセットのある選手については――彼のような組み合わせのスキルを有している選手が他にいるとして、その集団は小さい――、彼をかかわらせる方法に限界はない。私自身とコーチングスタッフが考えてもいないことまでいずれ検討されるだろう」

ヒルはさまざまな方法で力を発揮できることを証明してきた。ルーキー時代にはリーグでも最高のキックリターナーであり、レシーバーとして、また、バックフィールドのランナーとしても成果を出している。ワイドアウトとして活躍する中でリターンの仕事は減っていったヒルだが、チーフスのアンディ・リードHCの攻撃陣で時おりハンドオフを受けていた。

6シーズンを通して、ヒルはオールプロに3度選ばれ、タッチダウン67回とキャッチ平均13.8ヤード、キャリー平均7.7ヤードをマークした。昨シーズンはキャリアハイのキャッチ111回を記録し、チーフスがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドでバッファロー・ビルズにオーバータイムで勝利した試合の終盤に忘れがたい場面を作り出している。

ヒルはマイアミで電撃的な活躍をしているジェイレン・ワドルと組み、かつてないほど俊足のWRデュオを形成するだろう。そのスピードが攻撃陣と相手守備陣の間の計算式を大きく変えていくとマクダニエルHCは承知している。

「守備のことになれば、フットボールのゲームは非常にシンプルだ」とマクダニエルHCは説明する。

「ボールを手渡すのでも、パスコンセプトを実行するのでも、相手が守らなければならないエリアをより速く広げることができればそれだけ、ボールを持っていてもいなくても、選手がプレーを決められるスペースが広くなる。プレーを進めるための時間が限られていることを考えれば、スピードと言う要素や、守備陣が守らなければならないスペースの最大化は、オフェンスのそれぞれの選手を助けるし、だからこそナショナル・フットボール・リーグには“スピードが打ちのめす”というフレーズがある」

ドルフィンズにとって、ヒルはこれ以上ない速さでプレーフィールドを広げるだろう。

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