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「俺は優秀なクオーターバックだ」と自信を見せるパンサーズQBダーノルド

2022年04月08日(金) 12:14


カロライナ・パンサーズのサム・ダーノルド【AP Photo/Mark Humphrey】

カロライナ・パンサーズがこのオフシーズンに取ってきたすべての行動は、チームがクオーターバック(QB)のサム・ダーノルドに答えを見いだせていないことを示唆している。

QBデショーン・ワトソンの打診から、他のベテラン候補への呼びかけ、ドラフトの上位QB候補との面談や、どこかの時点でドラフトの1巡目でQB獲得に賭けてみなければならないというジェネラルマネジャー(GM)スコット・フィッタラーの発言まで、その兆候は顕著だ。

これらのチームの行動や発言があってもなお、ダーノルドは動じていない。

テネシー・タイタンズのレフトタックル(LT)テイラー・リワンとともに『Bussin’ with the Boys Podcast(バッシン・ウィズ・ザ・ボーイズ・ポッドキャス)』に出演したダーノルドは、パンサーズのQB探しを気にしている様子はなく、自分の腕を信じているようだ。

「俺がこれから話すことを信じてはもらえないだろうけど、ちょっと辛抱してくれ」と切り出したダーノルドはこう続けている。

「まさに何が起きても不思議ではない状況だけど、結局のところ、俺がコントロールできることじゃないのはよく分かっている。“俺は優秀なクオーターバックだ。このリーグの中で優秀なクオーターバックでいられる。今までもそれを証明してきた”と自分に言い聞かせることができるくらい、俺には自信がある。もしもの場合、俺をほしいと思ってくれるチームが必ずいるはずだ」

ダーノルドに限らず、プロのアスリートは誰しもが自分に自信を持っていなければならない。自分が優秀な選手で、試合に勝てると信じる必要がある。そうでなければ、そもそもNFLにいることもなく、そのメンタリティを失い、自分を敗者だと思うようになってしまった時点で職を失うことだろう。

ゆえに、ダーノルドはああ言うしかなかったのだ。

実際は、ニューヨーク・ジェッツが2018年のNFLドラフトで全体3位に指名して以来、ダーノルドは優秀なクオーターバックにはなっていないというのが実情だ。一貫性のない苦しいルーキーシーズンを送ったダーノルドは相手ディフェンスに翻弄され続け、ジェッツは3年でダーノルドをカット。昨シーズンにパンサーズで先発した11試合では平均1.18回のインターセプトを喫しており、ダーノルドの4年間のキャリアは常に不安定なままだったと言える。

もちろん、時には不意を突いたプレーで試合を主導できるクオーターバックとしての才能をのぞかせたこともあった。だが、それはダーノルドにとってすべてが完璧にそろった時でなければならない。ひとたび崩れ始めるとダーノルドは短絡的になり、ターンオーバーと間抜けな判断が続く。

ダーノルドは周囲の批判が自分を苦しめていることも認めた。

「ムカつくのは、俺のプレーの仕方とか試合を批判されることだ」とダーノルドは話している。「それに対して俺は傷つくけど、なるべく引きずらないようにしている。相手はファンで、ファンとしてはリスペクトしている。好きなだけ言ってもらってかわないけど、俺は聞き流す以外のことはしない」

「俺が誰かに“お前が作った家は最低だな。タイル貼りが下手くそなんだよ。他の仕事を探した方がいいぜ。自分の職業を考え直した方がいい”って言っているようなもんさ。そういうことを言いたい時もあるけど、実際には口にしないもんだろ」

ダーノルドが気づいていないのは、もしそのタイル貼りの職人が2022年に1800万ドル(約22億2,660万円)もらえることが保証されていたら、きっと喜んでその批判を受けるという点だ。それが、ブルーカラーの仕事とNFLのクオーターバックという注目を集める仕事、つまり、本質的にはチームのCEOとの違いなのだ。ダーノルドが選んだキャリアは、彼のパフォーマンスには批判や称賛がつきものであるという副産物を伴っている。そして、その精査を受けることに対して多額の報酬が支払われる。

現実には、ダーノルドの雇用主は何カ月も前から彼の後任を探そうとしている。これまでのところチームはあらゆる機会で振り回されて失敗しているが、遅かれ早かれ、デプスチャートのトップにいるサム・ダーノルドの代わりを見つけてくることだろう。

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