「全体的に競争力がある」とレシーバー陣の強さに自信を見せるバッカニアーズWRコーチ
2022年05月12日(木) 12:44トム・ブレイディ時代が3年目を迎えるバッカニアーズでは、ブレイディが誰をターゲットにするかについてこれまでとは少し違ってくるかもしれない。
昨年に引き続きバッカニアーズでプレーするワイドレシーバー(WR)のマイク・エバンスとクリス・ゴッドウィンは安泰といえるが、残りのレシーバー陣は自分たちの立ち位置を確保しなければならない。そのプロセスは春のワークアウトに始まるが、メンバーを見る限り、面白い競争が生まれそうだ。
WRコーチのケビン・ガーバーはチームの公式サイトでこう話している。「選手たちにも伝えていることだが、マイクとクリスは二人ともしっかりと自分たちの役割やオフェンスにどう貢献するかを確立できていると私は思っている。あとの選手に関しては、シーズンを通してどうなるかは分からない」
「全体的に競争力があると思っている。全員が違った才能や能力を持っていて、それぞれがチームに貢献できるはずだ。だから、これからの競争を楽しみにしている」
2021年にバッカニアーズのレシーバー陣をけん引したゴッドウィンとエバンスは、二人とも70回以上のレシーブで1,000ヤード以上をマークし、合わせて19回のレシービングタッチダウンを記録した。レシーブ55回、802ヤード、タッチダウン6回を記録したタイトエンド(TE)のロブ・グロンコウスキーがチーム内3位につけている。
他のレシーバー勢はパスキャッチャーとして3人の穴を埋める形で各々が役割を果たした。WRアントニオ・ブラウン、ランニングバック(RB)のレナード・フォーネット、WRタイラー・ジョンソン、TEキャメロン・ブレイト、WRシリル・グレイソン、WRブレシャド・ペリマン、TEのO.J.ハワードらが活躍している。
ブラウンとハワードはチームを去っており、グロンコウスキーはもう1シーズン続けるかを決めかねている。上述のほかのメンバーは残る中、チームはフリーエージェント(FA)のWRラッセル・ゲージをはじめとする複数の選手を追加した。ゲージはディビジョンライバルのアトランタ・ファルコンズから移籍しており、史上最高のクオーターバック率いるオフェンスで3番手のレシーバーの座を狙っている。
ゲージはこれからオフェンスを習得しなければならないが、彼がそれを効率的にこなすことができれば、バッカニアーズにとってブラウンとハワードの不在は大きな痛手とはならないだろう。チームは2022年もグロンコウスキーに戻って来てほしいと思っているが、いずれにしてもレシーバー陣の層は厚いと言えよう。
また、若くて経験の少ないレシーバーには、チームがより重要な役割を求める前にもっと練習に参加させたいと思っているのは間違いない。その対象となるのはWRスコット・ミラーやグレイソン、WRジェイロン・ダーデンだ。ミラーはスピードのあるレシーバーでありながら、2019年から2020年にかけて46回のキャッチを記録した後、昨年はケガの影響でわずか5回のキャッチにとどまっている。
ガーバーはミラーについて「昨年は彼がケガをしたタイミングで他の選手がその穴を埋めるのにステップアップしていくという、奇妙な感じだった」と述べている。「だから、最終的にはフィールドに戻れたものの、彼はすぐに復帰しづらくなってしまった」
「今年は他の選手と同じような機会を得られるだろう。スーパーボウルで優勝した年にはビッグプレーを決めてオフェンスに貢献してくれた。間違いなく実力のある選手だから、あとはこれからフィールドでどれだけ力を発揮できるかだ」
グレイソンもポストシーズン進出が決まると同時に負傷してシーズン終了となるまでは、潜在能力をのぞかせている。昨年のバッカニアーズは度重なるケガで何人ものパスキャッチャーが戦力外となっており、グレイソンがその中で最後だった。その結果、チームはデプスチャートをたどって代わりの選手を探さなければならなかった。
その過程でバッカニアーズは、ブレイディが司令塔である限りは誰がルートを走っていようと、ある程度まともな戦いができることを知った。エバンスが続投し、ゴッドウィンもACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の断裂から復帰するとあって、バッカニアーズはパスキャッチャー陣に自信を持てるだろう。これから夏にかけて、チームは秋の主力に誰を選ぶかを判断しなければならない。
ガーバーは「ワイドレシーバーは何人いても足りない」と話す。「いつだって足りない。誰が出場しても戦えるという気持ちではいるが、いつ誰がケガをするか分からないから、毎週勝てるように才能ある選手を十分にスタンバイさせておかなければならない」
「われわれにはたくさんの選手がいて、層はかなり厚いと思っている。彼らは毎日戦っていて、全員が仕事を勝ち取るために必死だ。それがあるべきマインドセットでもある。どうなるかはいずれ分かるだろう」
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