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契約額は気にしないペイトリオッツWRアグホロー、“楽しむことで成功につなげたい”

2022年05月12日(木) 17:46

ニューイングランド・ペイトリオッツのネルソン・アグホロー【AP Photo/Adrian Kraus】

2021年のフリーエージェンシーが始まった際、ニューイングランド・ペイトリオッツは大盤振る舞いで注目を集めた。

2020年にプレーオフを逃しているペイトリオッツだが、これはヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックらしからぬアプローチだった。

このときにペイトリオッツが獲得した選手の一人が、ベテランワイドレシーバー(WR)のネルソン・アグホローだ。アグホローはペイトリオッツと2年2,600万ドル(約33億4,628万円)の契約を結んでおり、この契約は当初からフットボール界を驚かせたのみならず、2021年にアグホローが落胆のシーズンを終えたときにさらなる衝撃を与えている。

しかしながら、28歳のアグホローは金額のことに気を取られてはおらず、今後のペイトリオッツの攻撃陣における重要なピースとして、自身のポテンシャルを発揮することに集中している。

「そのことに気を取られてはいない」と『WEEI 93.7』に話したアグホローは、次のように続けた。

「俺がここにいるのには理由があるし、ペイトリオッツのメンバーになり、皆が本格的に始動する2年目にペイトリオッツのシステムで懸命に働くという、自分に与えられたチャンスが気に入っている。心地良く感じていて、ペイトリオッツでのベストシーズンを送り、俺がここにいる理由を示すことにワクワクしている」

アグホローは2020年にレイダースでキャッチ48回、896ヤードというキャリアハイをマーク。また、この年のキャッチングタッチダウン8回もキャリアベストタイだった。こういった数字が、アグホローをペイトリオッツとの契約に導いたのだ。

2021年にペイトリオッツで出場した15試合で、アグホローはキャッチ37回(キャリア2年目以来の最低値)、473ヤード、タッチダウン3回を記録している。

こういった数字は期待されていたものにはるかに及ばない。

それにもかかわらず、アグホローは疑う人々が間違っていることを証明したり、けんか腰になったりすることに関心を持っていない。アグホローが求めているのは、今を楽しみ、それを成功につなげることだ。

「ただ楽しみ、どんどんプレーしているときの自分が、一番いいプレーをしていると思う。モチベーションを上げるには人それぞれのやり方があって、挑戦的になったりとか、いろいろある。俺は当然ながらコンペティターだ。競うのが好きだ。ゲームでプレーするのが好きだ。俺が試合を楽しんでいるとき、皆と楽しんで熱心にプレーし、熱心に練習しているとき、俺は本当にうまくやっている。だから、俺は本当にうれしい場所にいて、そのうれしい場所からくる仕事や、そこからやってくる成長にめちゃくちゃ興奮している。俺のモチベーションはこのチームや、一緒にプレーしている皆と忘れられないシーズンを送り、特別なシーズンにすることだ」

楽天的なレンズを通して見れば、アグホローはニューイングランドでの2シーズン目を迎えており、チームの知識が深まって、より快適になっていくはずだ。同じように、クオーターバック(QB)マック・ジョーンズもNFLでの2シーズン目に入り、相互関係を深めるための時間は増え、改善の余地も必ずある。少なくとも、アグホローはそこを頼みにしているようだ。

「俺にとって、知識を深めることが考え方の最初にくる。スケジュールにしろ、トレーニングにしろ、あらゆる部分で自分たちがどうやって進めていくかについて熟知していること。そして、ルーティンとしてこなせること。それが環境に馴染み、コーチングスタッフやビルの職員、ストレングスのスタッフ、トレーニングスタッフと馴染んでいく上で役に立つ。それにルートが分かっている。っていうのも、ルートツリーが独特なんだ。誰もが一定のルートを走るけれど、ルートツリーは俺が前に走っていたものと少し違う。今はそれが分かっているから、どうやって進めていくかに自分の持ち味を加えて、どんどんプレーしていく」

「だから、俺はただ成長し、練習し続け、映像を記録して、簡単にこなせるようにしつつある。テープに記録したことに、自分の持ち味を足している。1年前の俺は学んでいるところで、そういうときのテンポでいろいろとやっていた。正しくやっていかなきゃならないから、フルスピードというわけにはいかないのさ。ちょっと慎重な感じになる。今はどんな感じか分かっていて、そこに自分なりのアレンジをしている。2年目のクールなところがそこさ。記録していくための1年があって、今は自分で学び、素早くプレーできるようになっている」

去年の今頃、ペイトリオッツはアグホローの迅速なプレーに投資したものの、それほどの実りは得られなかった。

ジャコビ・マイヤース、ケンドリック・ボーン、アグホローというペイトリオッツのWR陣は、1年前と変わらないように見えている。しかし、トレードでデバンテ・パーカーを獲得したペイトリオッツは、アグホローの役割をより危険な状況にしているようだ。

2022年のベースサラリーが900万ドル(約11億5,821万円)、サインボーナスが500万ドル(約6億4,348万円)のアグホローには、1,480万ドル(約19億0,523万円)のキャップヒットがある。また、(6月1日以前および以降で)リリースされた場合のデッドキャップは1,000万ドル(約12億8,732万円)となる。しかしながら、リリースすればペイトリオッツはキャップ上で488万ドル(約6億2,821万円)を節約可能だ。アグホローがカットされることはなさそうだが、サラリーの再構築はあり得るだろう。

本人が話題にしたがるかどうかは別として、アグホローにはフィールドでこれまでより大幅に良い数字をたたき出すことによって、契約額に見合う活躍をすることが期待されている。

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