巻き返しを図るブロンコスWRフルガム、「やろうと思えばゲームを奪える」
2022年06月06日(月) 12:01ファンタジーフットボールをやっている人なら神話上の人物として思い出せるかもしれない――1カ月だけシーンに登場し、その後にフェードアウトしてウェイバーワイヤに戻っていった選手の名前を。
2020年、フィラデルフィア・イーグルスに所属していたワイドレシーバー(WR)トラビス・フルガムはシーズン第5週からの4試合でキャッチ27回、378ヤード、タッチダウン3回を記録するという強烈なパフォーマンスを見せた。その活躍はどこからともなく唐突にもたらされたかのようだった。オールドドミニオン大学出身のフルガムはデトロイト・ライオンズから2019年ドラフト6巡目指名を受けてNFL入りしている。しかし、ライオンズにも、その後に入団したグリーンベイ・パッカーズにも定着できなかったフルガムは2020年8月にイーグルスに入団。それがその年のブレイクにつながった。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のニック・コスマイダーによると、フルガムは「最高だった。夢がかなったんだ」と話しているという。「そこへ出てボールを運んで自分の大好きなことをやって、フィリーみたいな街が試合に勝つ手助けができるなんて、人生でこれほど幸せなことはなかったかもしれない。残念なことに、長くは続かなかったけど、みんなが俺の実力を見てくれた」
山頂に立っていた時間は確かに束の間だった。フルガムはそのシーズンの最後の8試合で9回しかキャッチできず、104ヤードという記録に終わっている。そして、イーグルスは予想外の貢献者として活躍したフルガムを翌年のトレーニングキャンプの終わりにリリースした。フルガムは2021年の大半をマイアミ・ドルフィンズとデンバー・ブロンコスの練習生として過ごしており、ブロンコスで一度だけ試合に出場して合計スナップ9回に参加している。
ビック・ファンジオの解任後、オフェンス重視のナサニエル・ハケットがヘッドコーチ(HC)に就任した今、フルガムはフィールドで一貫性を発揮してアクティブロースターに入りたいと望んでいる。
しかし、現在のWRルームを考慮すると、確実に53人のロースターに入れるとは到底言えない。ジェリー・ジューディ、コートランド・サットン、ティム・パトリック、K.J.ハムラーはロースター入りが実質的に確定している上に、今年のドラフト5巡目で指名されたモントレル・ワシントンはフルガムより有利な立場にあると言えよう。
そのため、フルガムは1つだけ残りそうなWR枠を、数少ないパスキャッチャー――そのうち何人かは昨季にフルガムより多くの出場機会を得ていた――と競う予定だ。
ちなみに、前述したロースター入りが確実視されている選手の1人であるパトリックは「彼はとにかく冷静で穏やかで落ち着いている。常にコントロールできていて、とてもスムーズにプレーしている。全部を楽々とこなしているように見えるんだ」とフルガムを絶賛した。
そしてもちろん、フルガム本人以上にフィリーでの魔法が幻ではなかったと証明できると信じている人はいない。
「自分のゲームに忠実に、自分のやるべきことをやるしかない」と強調したフルガムは「俺はそのままだった。結果的にそうなっただけ。でも、俺自身はそのままだ。俺の腕前は変わっていないぜ。やろうと思えばゲームを奪える」と続けた。
【RA】