ディープスレットのWRバルデス・スカントリングを多方面で起用したいチーフス
2022年06月11日(土) 12:55カンザスシティ・チーフスがワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルのいない時代を迎えた中、ヒルの後任の1人としてチームに迎え入れられたWRマルケス・バルデス・スカントリングがすでにクオーターバック(QB)パトリック・マホームズと良好な関係を築いている。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のネイト・テイラーによると、バルデス・スカントリングは現地9日(木)に「この機会を利用している。彼は魔法使いのような投球をすることと、オープンになっている選手を見つけてチャンスを与えることに関して屈指の実力を持っている」と語ったという。
木曜日に行われたOTA(チーム合同練習)では、マホームズがノールックパスを放ち、サイドライン付近にいたバルデス・スカントリングがそれを片手でキャッチするなど、2人の連帯感が見られる場面があった。バルデス・スカントリングはこのプレーによってグリーンベイ・パッカーズ時代にQBアーロン・ロジャースからよく受けていたノールックパスを思い出したようで、次のように話している。
「何回もキャッチしてきた。いつボールが来てもいいように、常に意識しているんだ。俺はそれに慣れている。パットにはああいうことができる才能がある。また、あんなふうに才能のあるクオーターバックと出会えて、ただただ興奮している」
チーフスはヒルをマイアミ・ドルフィンズにトレードした翌日にバルデス・スカントリングと3年3,000万ドル(約40億3,197万円)の契約を結んだ。身長約193cm、体重約93kgのバルデス・スカントリングはスピードの面でヒルの代わりとなってオフェンスに貢献できるだろう。しかし、チーフスはバルデス・スカントリングにディープスレット以外の役割も担ってほしいと望んでいるようだ。
ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードはバルデス・スカントリングについて「体格は大きいが、柔軟性に富んでいる」と述べている。「彼は方向を変えられるし、周知の通り、スピードもある。グリーンベイでは別に担当している人がいたから、あまりできていなかったかもしれないが、主要なアンダーニースルートも走れる。彼の仕事の進め方には満足している。いい仕事をしてくれている」
バルデス・スカントリングは昨季、パッカーズで11試合に出場してキャッチ26回、430ヤード、タッチダウン3回を記録した。
ロジャースの後にマホームズとプレーできることを幸運だと語ったバルデス・スカントリングは、38歳のロジャースと26歳のマホームズを比較してこうコメントしている。
「大きな違いはなくて、片方が少し年上なだけだ。最高のクオーターバック2人にボールを投げてもらえてめちゃくちゃ興奮している。俺は正しい生き方をしていると思う」
チーフスは今オフシーズン、ヒルの穴を埋めるためにバルデス・スカントリングとジュジュ・スミス・シュスターと契約してWR陣を多様化させた。チーフス攻撃陣は昨シーズンにカバー2のスキームに苦しめられたため、2022年はそれに打ち勝つべく、もっと頻繁に中央突破できるようになりたいと考えている。
パッカーズでの4シーズンで一度も690ヤード以上を稼げなかったバルデス・スカントリングは、チーフスで単なるディープスレット以上の存在であることを証明するチャンスを手にしている。
【RA】