NFL選手会が最新の脳しんとうプロトコルを承認、次の段階はNFLの承認
2022年10月08日(土) 16:28『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地7日(金)に報じたところによると、NFLPA(NFL選手会)の安全衛生委員会がNFLとNFLPAが共同で作成した脳振とうプロトコルの更新を正式に承認したとのこと。最新のプロトコルは粗大運動の乱れに関する“抜け穴”を閉じることで選手を保護するものとなっている。次のステップは更新したプロトコルをNFLが承認することだ。
NFLPAは声明で次のように述べている。「当組合は9月25日に見られたような事態が発生した場合に選手の試合復帰を防ぐために、脳しんとうプロトコルを変更することに賛成している。選手を直ちに保護するために、これらの変更が今週末の試合より前に有効になってほしいと考えており、NFLがそれより前に変更を受け入れてくれることを望んでいる」
NFLとNFLPAが先週末に合意した最新の脳しんとうプロトコルの設定内容は、シーズン第3週に行われたバッファロー・ビルズ戦でのマイアミ・ドルフィンズのクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアのように粗大運動の乱れを見せた選手を、要因のいかんを問わずに除外するものとなっている。
NFLもNFLPAの声明に反応する形で金曜日に声明を出しており、次のように述べた。
「NFLPAと話し合った通り、選手の安全性をさらに高めるために、NFLとNFLPAの共同プロトコルを変更することが必要であることに同意している。すでにNFLの頭部・首・脊椎委員会のメンバーや、外部の神経外傷コンサルタント(UNC)とスポッターを務める独立公認アスレチックトレーナーのリーダーたちと、起こり得る変更について話し合ってきた」
タゴヴァイロアは9月25日に実施されたビルズ戦の前半でビルズのラインバッカー(LB)マット・ミラノからヒットを受けた際、当初はチームが頭部の負傷と発表したケガによって試合を離脱した。ミラノはこのプレーでラフィングザパサーのペナルティを受けている。タゴヴァイロアは立ち上がったときに頭を振り、小走りで前進を始めたときによろけている。タゴヴァイロアはハーフタイム終了後にフィールドに戻って、プレーしていた。
21対19でドルフィンズが勝利したこの試合の後、ヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは報道陣に、タゴヴァイロアは前半に腰背部を負傷しており、それがミラノのヒットによって悪化してよろめきにつながったと話している。
ドルフィンズがシーズン第3週に勝利を収めた後、NFLPAはタゴヴァイロアの脳しんとうの診断プロセスについて調査を開始した。NFLPAは1日(土)、その試合でタゴヴァイロアの脳しんとうの診断に関わったUNCを解雇。解雇につながった要因として、UNCとしての役割を理解していなかったことや、調査過程での敵対的な態度などを挙げている。
先週木曜日に行われたシンシナティ・ベンガルズとの試合で、タゴヴァイロアは恐ろしい接触に遭遇し、ベンガルズのディフェンシブタックル(DT)ジョシュ・トゥポウによって地面にたたきつけられて頭部を打った。このとき、タゴヴァイロアの腕や手はフェンシング反応によって硬直していた。タゴヴァイロアはトレーナーに付き添われた状態で数分間その場にとどまった後、ストレッチャーでフィールド外へ運び出され、救急車でシンシナティ大学メディカルセンターに搬送されて頭部と首の治療を受けている。
マクダニエルHCは月曜日、シーズン第5週に組まれているニューヨーク・ジェッツ戦から、ベンガルズとの試合で脳しんとうを起こしたタゴヴァイロアを除外した。
タゴヴァイロアのケガに対する脳しんとうプロトコルの適用についてのNFLとNFLPAの共同調査は依然として進行中であり、すぐに解決される見通しはないとペリセロが情報筋の話をもとに伝えている。
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