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コマンダースオーナーであるスナイダーの“解任にメリットはある”とコルツのアーセイオーナー

2022年10月19日(水) 15:27


ワシントン・コマンダース【AP Photo/Alex Brandon】

インディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイが現地18日(火)に、ダニエル・スナイダーがワシントン・コマンダースのオーナーを退くことに“メリットはある”と話した。

ニューヨークで実施されているNFLの秋季ミーティングで報道陣に自らの見解を示したアーセイは、公の場でそういった態度を表面した初めてのオーナーになっている。スナイダーとそのスナイダーが1999年に所有したチームは現在、職場での不祥事の疑いに関して、アメリカ下院監視・政府改革委員会の調査と、NFLが指名した元連邦検事のメアリー・ジョー・ホワイトによる調査の対象となっている。

「知っての通り、難しい状況だ。彼を(コマンダースの)オーナーから解任することにメリットはあると考えている」とアーセイは火曜日に話した。

「その点は再検討しなければならないと思う。すべての証拠を確認し、今後は徹底していかなければならないが、真剣な検討が必要になるものだと考えている」

オーナーの解任にはオーナーシップの4分3の投票が必要になる(32票中24票)。ミーティングには出席していなかったスナイダーの解任に24票が集まると思うか聞かれたアーセイは、こう答えた。

「可能性はあると思うが、どうなるか見てみよう」

アーセイは火曜日には投票が行われないだろうと話し、実際に行われるとしていつになるかも「分からない」と述べた。

「どれくらいかかるかは分からない」と言うアーセイは「もちろん、われわれはすべてを徹底的に調べる。3月のミーティングになるかもしれない――私には分からない――が、われわれがこれを徹底し、すべてを慎重に検討したいと思っていることは分かっている」と続けている。

アーセイのコメントは、スナイダーがチームのコントロールを維持すべく他のオーナーやリーグオフィスに対して働きかけを行っている疑いがあると『ESPN.com』が伝えてから1週間も経たないうちに成されたものだった。ESPNによれば、スナイダーは他のNFLオーナーやコミッショナーのロジャー・グッデルを含むリーグ役員たちについてネガティブな情報を有していると、自身に近しい人々に語っていたという。アーセイは報道陣に、スナイダーが自分に関してネガティブな情報を持っているとしても心配はないと話している。

「それについては知らない。全く気にしていない。いつまでも調べるがいい。それで私が後退することはない。私立探偵などといったものには、肩をすくめるだけだ。そういったものについては関知しない。私はワシントンで起こったことに集中するだけだし、私にとってそれが重要な問題だ」

アーセイのコメントを受け、コマンダースは火曜日に次のような声明を発行した。

「アーセイ氏がメディアの虚偽に基づいて公に発言することを選択したのは、非常に不適切ではあるものの、驚きではない。調査が進行中であり、チームには主張されていることに反応する機会がない中で、アーセイ氏が本日、彼の声明を公にしようと決断したのは残念だ。コマンダースは過去2年にわたって、卓越したプロセスを実施してきた。本件の実際の証拠を目にする機会があれば、アーセイ氏はスナイダー家がフランチャイズ売却を検討する理由はないと結論づけるだろうと、われわれは確信している。また、スナイダー家にその意向はない」

スナイダーも火曜日にNFLのオーナーシップに文書を送り、ESPNの記事で触れられていた主張を否定している。

「ESPNの記事に、すぐに解決することが重要だと感じる主張がある。その記事は匿名の情報元の話として“彼らはスナイダーが自分の法律事務所に、他のオーナーやグッデルコミッショナーの調査を行うために私立探偵を雇うよう指示したと聞かされている”としている。それは明白な誤りで、オーナー間の信頼と善意をむしばむことを意図したものであり、私はきわめて深刻に受け止めている。私は他のオーナーやコミッショナーを調査するために私立探偵を雇ったことなどない。私の法律家たちに、私に代わってそういった目的のために私立探偵を雇うよう指示したり、それを許可したりしたことはない。また、これからも決してしない」

グッデルは火曜日、ホワイトによる調査には特定の期限はないと報道陣に語った。アーセイのコメントについての考えを聞かれたグッデルは、会員たちに対して“事実に基づかない推測は建設的ではない”と話したと応じている。

「本件は調査中だ。それが、われわれの話したことだ。暫定的な報告は出ていない。われわれは報告について議論していない。われわれは何も手にしていないので、何もお伝えしない。メアリー・ジョー・ホワイトが彼女の調査を終えたとき、われわれはそれを会員と共有するとともに、以前にそう述べた通り、公に共有する。彼らとは、事実を手にするまでは今の段階でいかなる推測や議論も行う理由はないということではっきりと確認がとれているため、それがオーナーシップに対する私のメッセージであり、議論はないか、ほとんどない状態だった」

それぞれ独立した複数の調査は、リーグが当初、弁護士のベス・ウィルキンソンの事務所に依頼して行った独自調査の後に始まっている。ウィルキンソンの事務所の調査では、ワシントンの職場文化が有害なものであることが分かっていた。スナイダーとチームは1,000万ドル(約14億9,287万円)の罰金を科され、リーグはスナイダーが日常業務を妻のターニャに引き継いだことを明かしている。しかし、ウィルキンソンの調査については、書面での報告がなされていない。

書面での報告がなかったことが、議会による調査につながった。議会は2月に円卓会議を行い、その場でスナイダーが元チーム従業員に性的な不品行を働いたとの新たな申し立てが成されている。スナイダーはこの申し立てを否定した。

スナイダーのオーナーシップ下にある間のチームについて何を一番懸念しているかについて、アーセイは火曜日にこう発言している。

「私はただ、(コマンダースの)職場で何が起こったのかを考えている。3人の娘と7人の孫娘がいる身として――繰り返しになるが、さまざまなことが起こったため、われわれは調査を確かめて何が起こったのかの結論を見なければならない。事実から逃げ腰になってはいけない。残念な状況ではあるが、真正面から捉えてそれに対処することが、ナショナル・フットボール・リーグにとって最も得策になるだろう。アメリカと世界が、われわれにリーダーであることを期待していると思う」

4月、議会は連邦取引委員会に、コマンダースが10年以上にわたってビジターチームからのチケット収入やファンに返金すべき保証金を公表せず、違法となりうる財務行為を行っていた可能性がある証拠を発見したと伝えていた。チーム広報担当者は「どの時でも、いかなるものであっても、すべての財政上の不正の示唆を否定する」としている。

その後、議会はスナイダーとグッデルを公聴会に召喚。グッデルは6月に、バーチャルな形で公聴会に出席した。スナイダーは7月に、10時間以上におよぶ非公開の供述録取を行っているが、その記録はまだ公開されていない。

アーセイは火曜日に、現在のスナイダーに対しての見解を変え得る何らかの要素があるか尋ねられた。

「もちろんだ。私はこの件については真剣な検討が行われると話した。しかし、私は完全な調査がわれわれの前に提示され、財政的な不正の可能性を含め、正確に何が起こっているのかを確認したい。それが存在するかは私には分からないが、そのコンポーネントは私たちが見なければならないまた別のものだ」とアーセイは答えている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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