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コルツが元Cジェフ・サタデーを暫定HCに指名、直近では高校コーチ

2022年11月08日(火) 09:40

ジェフ・サタデー【NFL】

インディアナポリス・コルツはヘッドコーチ(HC)の後任に、またもや元NFL選手を選んでいる――それはただ、誰も予想していなかったような人物だった。

ヘッドコーチを務めていたフランク・ライクの解任に伴い、かつてコルツで長年にわたってセンター(C)としてプレーしていたジェフ・サタデーを暫定HCに指名したと、チームが現地7日(月)に発表している。

このニュースは衝撃的なものだと言えよう。サタデーにはカレッジやプロレベルでの指導経験はなく、直近ではジョージア州の高校でフットボールのコーチをしていた。『ESPN』では2013年から生放送に出演するアナリストを務めており、メディアへの露出はその場が大半となっている。

シーズン中に採用される暫定HCにはルーニールールが適用されないことから、今回の採用はそれに抵触しないと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。しかし、シーズン終了後には適用される。つまり、クラブはフルタイムのヘッドコーチを雇う前に、ルーニールールの要件を満たさなければならないとペリセロはつけ加えている。

サタデーとインディアナポリスの結びつきは強い。ドラフト外フリーエージェント(FA)としてボルティモア・レイブンズに加入してNFLデビューを果たすも、2カ月足らずでそこを離れたサタデーは、最終的に1999年にコルツと契約を結んだ。2000年には先発の座を獲得し、コルツの伝説的なクオーターバック(QB)ペイトン・マニングと同じタイミングで成長を遂げている。このセンターとシグナルコーラーの間には10年以上続く絆が生まれた。

その間に、サタデーはオールプロに4回、プロボウルに5回(6回目はグリーンベイ・パッカーズで過ごした最終シーズンに)選出された他、スーパーボウルに2回出場(2006年シーズンの第41回スーパーボウルでは優勝)している。そして、2015年にコルツのリング・オブ・オナー入りを果たした。インディアナポリスでは今でも愛される存在であり、サタデーがNFLコーチとしてのキャリアをスタートさせるスタジアムの外には、長年のチームメイトであるマニングの銅像が立っている。

現時点で非常に残念な2022年シーズンを過ごしているコルツ(3勝5敗1分)だが、ベテランQBマット・ライアンをベンチに下げ、攻撃コーディネーター(OC)だったマーカス・ブレイディを解任してから、ようやくヘッドコーチを務めていたライクの解任に踏み切った。

インディアナポリスは近年、期待外れの状態に慣れてしまっている。コルツは2021年シーズン後半に調子を崩し、あまりにも見苦しい形でプレーオフ進出を逃した。そして、QBカーソン・ウェンツとわずか1シーズンで決別している。空港の駐機場で熱弁を振るったオーナーのジム・アーセイは、組織は間違いを正していくと誓っていた。

それ以来、コルツはさらに後退しただけだ。NFLネットワークのイアン・ラポポートは今回の採用について、長年にわたってコルツで信頼できるセンターとして活躍していたサタデーを知り、愛しているファンからは好意的な反応が見られるはずだが、リーグ内の有能なアシスタントコーチ、特にマイノリティの候補者たちをいらだたせることになるだろうと『NFL Now(NFLナウ)』で伝えている。また、今回の決定はNFLの関係者の多くから、せいぜい懐疑的な見方をされるだろう。

QBポジションに長期的な答えを見つけられないまま2シーズン半が経過したことを受けて、コルツが2023年ドラフトクラスのトップパサー獲得を視野に入れて2022年シーズンの残りを過ごすとすれば、それは無理もないことだ。コルツは良くも悪くも話題性のあるコーチを迎えて前進しようとしている。

【RA】