ラフィングザパサーを再検討可能にすることについて“健全な議論”を行うとNFL幹部ビンセント
2022年12月15日(木) 12:07今シーズン、NFLでは何度かラフィングザパサーの反則が物議を醸してきたが、リーグはそうしたプレーへの審判に対して、極めて重要な調整を行う瀬戸際にあるのかもしれない。
現地14日(水)、NFLフットボール運営部門取締役副社長のトロイ・ビンセントが12月のリーグミーティングの場で報道陣に対し、コーチによるチャレンジ経由であれ、リーグのレビュー経由であれ、ラフィングザパサーなどの反則を再検討可能にすることについて“健全な議論”を行っていくと明かした。
ビンセントはシーズン中に変更が加えられる可能性はないとした上で、リーグの競技委員会がオフシーズン中にそれについて話し合うとし、来年3月に実施される年次リーグミーティングで投票が行われる可能性があるとつけ加えている。ビンセントによると、このペナルティが守備選手を自動的に退場させることにつながる可能性もあるという。
「オフィシャルはとても一貫性があって正確であるとはいえ、彼らも人間だ」と述べたビンセントは「オフシーズンに競技委員会と健全な議論をすることになるだろう。私はこの議論を楽しみにしている」と続けた。
ビンセントは2021年シーズンと比較した場合、今季はシーズン第14週までのラフィングザパサーのコールが大幅に減少している(2021年の121回に対して2022年は76回)と強調しているが、今シーズンもこのルールの適用について論争がなかったわけではない。
アトランタ・ファルコンズのディフェンシブラインマン(DL)グレイディー・ジャレットは10月9日に行われたタンパベイ・バッカニアーズ戦の第4クオーターで、第3ダウンの重要な局面でクオーターバック(QB)トム・ブレイディにサックを決めたはずのプレーで笛を吹かれている。また、その次の日、カンザスシティ・チーフスのディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズもラスベガス・レイダースのQBデレック・カーをサックしたときに同じような形で旗を投げられた。
どちらのケースも、審判は試合後に受けた取材でその判定を釈明している。
直近では、ロサンゼルス・チャージャーズと相まみえたサンデーナイトフットボールの第3クオーターで、マイアミ・ドルフィンズのアウトサイドラインバッカー(OLB)ジェイラン・フィリップスが第3ダウンでQBジャスティン・ハーバートをサックした後にペナルティを科された。
水曜日、あくまでも個人的な意見だとしつつも、フィリップスへの判定には賛成していないと報道陣に明かしたビンセントは「問題はいかにして一貫性を確保するかということだ」とコメントしている。
無防備な相手にヒットした選手が自動的に退場させられるのは、カレッジフットボールで物議を醸した“ターゲティング”ルールと実態が似ていると指摘されると、ビンセントは個人的に施行は難しいと思っていると強調した上で、スカイジャッジがディフェンダーにペナルティを科すことには反対だと話している。
ビンセントは「完ぺきさを追い求めるのは、危険なことだと思う」と語った。
【RA】