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カーディナルスWRホプキンスと母親のサブリナ・グリーンリーさんが『ハード・ノックス』でDV体験を語る

2022年12月15日(木) 18:23


アリゾナ・カーディナルスのディアンドレ・ホプキンス【AP Photo/Rick Scuteri】

フットボールは多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる場所だが、同時に、家族の間に強い絆を作るものでもある。

『Hard Knocks In Season: The Arizona Cardinals(ハード・ノックス・イン・シーズン:アリゾナ・カーディナルス)』のエピソード5で、ワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスと母親のサブリナ・グリーンリーさんがサブリナさんの経験したドメスティックバイオレンス(DV)について詳細を語った。

ホプキンスは自分のNFL入り後に母親が経験を話し始めた理由について説明している。

「あの時は他の誰かを助けるために弱さを見せなきゃいけなかったんだと思う」とホプキンスは話した。「オレがどう思っているのか、いまだに知らない人もいるんだ」

2002年7月、当時30歳で4人の子供の母親だったサブリナさんは若い女性に襲われて視力を失った。

まだ10歳だったホプキンスはこの時「クソッ、オレが男にならなきゃいけない」と思ったという。

そして彼は努力して、フットボールで目標を達成する。高校を出たホプキンスはクレムゾン大学でプレーすることを選んだ。3年目には出場した13試合でレシーブ82回、1,405ヤード、タッチダウン18回を記録している。

「高校時代にオレは彼女が試合に来るのが難しくなっていることに気付いたんだ」とホプキンスは言う。「ママが何度でもオレの名前を耳にできるように、全てのボールをキャッチしようとしている」

ホプキンスは2013年NFLドラフトでヒューストン・テキサンズから全体27位で指名された。ヒューストン時代に彼はプロボウルに複数回選ばれ、フィールドを支配する選手になった。3度のオールプロに選出されたWRはいつしか、タッチダウン後にスタンドにいる母親を見つけて彼女にフットボールを手渡すのが習慣になった――喜びを共有し、彼女に自分の存在を感じさせるためのちょっとしたジェスチャーだ。

息子が最高峰でプレーする姿を見ることはできないものの、サブリナさんは息子のジェスチャーが象徴するものを説明した。

「あのボールは愛の象徴、強さの象徴なんです」と彼女は言う。

サブリナさんは2002年の悲惨な事件を、同様の経験を乗り越えた人々にポジティブな働き掛けをする機会へと変えた。2013年にはDV被害を受けた女性たちを勇気づけ、コミュニティーリソースと結びつけて、精神面、経済面の両方で支援を提供する非営利組織の『S.M.O.O.O.T.H. Inc.』を立ち上げている。

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