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トム・ブレイディとの比較を軽視するベンガルズQBバロウ、「自分なりの方法でプレーする」

2022年12月16日(金) 10:20


シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【AP Photo/David Richard】

シンシナティ・ベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウのキャリアはまだ始まったばかりだが、その道のりはカントンに続いているかもしれない。

若きスターがゴールドジャケットの候補として話題にのぼるには、まだ道半ばであるとはいえ、昨季の成績が今後10年間で保たれれば、それは現実的な話となってくるだろう。一部の人々はシーズン第15週に実施される対戦を前に、タンパベイ・バッカニアーズの伝説的な司令塔であるトム・ブレイディと比較するなどして、すでにバロウの将来を先読みしているようだ。

当然ながら、バロウはこの比較を軽視している。

チーム公式サイトによると、バロウは現地14日(水)に行われた練習の後に「あまり気にしていない。彼はトムで俺はジョーだ。俺はただ自分なりの方法でプレーしようと思っているだけ。俺はみんなのものをちょっとずつ持っている感じ。自分が一番優れていることが1つだとは言わない。でも、俺はすべてのことを誰にも劣らずできると言える。目立った弱点があるわけでもない」と語ったという。

バロウの記者会見の様子が徐々にゴールドスターのような内容になってきていることは認めざるを得ない。先週、報道陣からクリーブランド・ブラウンズ――バロウが日曜日まで勝ったことのなかったチーム――の何が特別なのかと質問されたバロウは「そうだな、彼らには(ディフェンシブエンド/DEの)マイルズ・ギャレットがいる。それが他とは違うところだ」とはっきりと答えている。

“彼はトムで俺はジョー”という言葉は、これ以上ないほど意図的にシンプルに表現されたものだと言えよう。そして、バロウはどの試合に対してもこれと同じアプローチをとっている。これまでのところ、そのアプローチは好成績につながってきた。バロウはパス成功率(68.1%)、試合平均パスヤード(283.5ヤード)、タッチダウンパス数(27回)でNFLの全クオーターバックの中でトップ5位以内に位置している。バロウは現在、この3項目のうち最後の項目で2位につけており、ベンガルズはシーズン最終月に入って今まさに調子を上げているところだ。

それは、周囲の状況が万全ではないときでさえも確実に効果を発揮しているバロウのパフォーマンスと大いに関係がある。例えば、シーズン第14週に行われた地区ライバルのブラウンズとの対戦で、バロウは最初の数分間でトップ3のレシーバーのうち2人を失ったにもかかわらず、パス33回中18回を成功させて239ヤード、タッチダウン2回、インターセプト1回という成績を収めてブラウンズに初めて勝利した。

特別なクオーターバックが人材面のハードルを乗り越えてチームを勝利に導く。それは、ブレイディがキャリアを通して数えきれないほど見せてきた類のパフォーマンスだ。バロウとブレイディが似ているのはそこだけではない。

ブレイディと共通する資質は何かという問いに対して、バロウは「俺はクイックに投げられる。下半身の使い方やボールの出し方、ディフェンスの見方がすごく効率的になってきた」と答えた。

時が経つにつれて良くなり続ける。それこそが40歳を過ぎてもなお優れたプレーを発揮するブレイディを定義づける現実だ。バロウが同じ道を歩めば、高尚な見立てはより堅固な――カントンの胸像に使われているブロンズのように硬い――ものになるだろう。

【RA】