「こんなに落ち着いた新人は初めて」とQBパーディーを評価する49ersシャナハンHC
2022年12月17日(土) 20:49現地15日(木)、ブロック・パーディーはケガを乗り越えてサンフランシスコ49ersを率い、21対13でシアトル・シーホークスに勝利させた。斜筋と肋骨(ろっこつ)のケガで痛みを抱える中、彼はNFLキャリアで信じられないようなスタートを切っている。
試合のほんの数時間前までは、先発できるのかどうかも分からない状況だった。
ケガのためクエッショナブルとなっていたパーディーについて、ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハンは試合後の会見で、たとえ彼が開始時にフィールドに立つことができたとしても、最後までプレーできるかどうかの確信はなかったと述べている。しかし、パーディーは持久力を発揮し、またセンセーショナルでもあった。
「彼は私が今まで見た中で間違いなく最も落ち着いたルーキーだ。ここに来たときからそうだった」とシャナハンは述べている。「出られるかどうかも分からなかったのに、彼は今週ずっと落ち着き払っていた。状況的にわれわれには他に選択肢がなく、いけるところまでいかせてみるつもりだった。(バックアップの)ジョシュ(ジョンソン)にも準備をさせていた。だが彼はリラックスしていて、試合が進むにつれて良くなった。信じられなかったよ」
最終的にパーディーは困難に耐えて先発し、痛みの影響をほとんど見せずに全てのクオーターでオフェンスを率いて、勝利とNFC西地区のタイトルを勝ち取った。
「明らかに違うレベルにいる。こんな光景を目撃するなんて、異次元だと思ったよ」とシャナハンは語る。「プレーできるだけでもすごいことだが、ボールを守ってあれほどのプレーを見せるとはね。動くのにやや苦労したこともあったとはいえ、素晴らしかった」
「その試合の前からチームは彼をリスペクトしていたが、今ではそれがもっと大きくなった」
パーディーは26回中17回のパスを成功させて217ヤードを稼ぎ、タッチダウンは2回、ターンオーバーを喫することなく試合を終えた。パスでタッチダウンを2回決めたのはこれで3試合連続となり、『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ルーキーQBが3試合連続で2回以上のパッシングタッチダウンを投げたのは2020年のジャスティン・ハーバート以来のことで、49ersのルーキーとしては初めてだという。
さらに、彼は最終的に117.0というパサーレートを記録しており、少なくとも1950年以降、最初の2回の先発で115以上のレートを記録したクオーターバックはパーディーとアーロン・ロジャースだけだということだ。
突然の活躍に驚いている者もいるかもしれないが、先発になる前からシーズンを通してパーディーの準備の仕方を見てきたタイトエンド(TE)ジョージ・キトルは、このパフォーマンスに驚きは感じていないという。
「チームに来たときからブロックはしっかりやっていたし、OTA(チーム合同練習)で自信を見せていた。彼はNFLで1番のディフェンスを切り刻み、プレシーズンゲームでもうまくボールを通していた」とキトルは試合後『Prime Video(プライム・ビデオ)』で言っている。「彼は建物内に入った時から自信を持っていて、チームの誰もがそれを感知していた。ただ機会を待っていたのさ。クオーターバックにあれこれケガが発生したのは不運だけど、それで彼はようやく機会を得たんだ」
ケガのため動きは制限されていたが、パーディーはそれでも試合終盤に足を使って大事なプレーを決めている。残り3分35秒でシーホークスと8ポイント差になっていた49ersのオフェンスは第3ダウンで残り1ヤードの状況だった。スナップを受けたパーディーは右にロールし、マーカーぴったりにスライドしてファーストダウンを手にした。これでドライブは進み、時計の針が進む中、シーホークスが反撃のチャンスを得ることなく試合は終了した。
「(彼は)とにかくスマートな選手だ」とディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサはプライム・ビデオのケイリー・ハータンに言っている。「まだあまり手を知られていない相手に対して、彼がいかに熟練しているかを示している。でも俺は彼を誇りに思うし、めちゃくちゃうれしいよ。これからも彼と一緒にやっていけるのがすごく楽しみだ」
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