バッカニアーズ戦ではQBブレイディを「不快にさせる必要があった」とベンガルズCBアップル
2022年12月20日(火) 14:04現地18日(日)、タンパベイ・バッカニアーズのオフェンスはシンシナティ・ベンガルズ戦の前半で今シーズン最高の状態になっている様子だった。
数週間にわたって苦戦を強いられてきたバッカニアーズだが、今回の試合では前半終了時に14点差をつけており、クオーターバック(QB)トム・ブレイディは悠々とプレーしているように見えた。前半の2クオーターで、バッカニアーズはファーストダウンを16回獲得し、トータルで261ヤードをゲイン。また、194パスヤードを含め、40回のスナップでプレー平均6.53ヤードを稼いでいた。
しかし、後半が始まると、ブレイディはターンオーバーを多発。チームは苦境から抜け出せなくなった。バッカニアーズは5回連続でターンオーバーを喫して34対17で劣勢に。勝敗が確定していた試合終了間際に追加点を挙げたものの、最終的に34対23で敗れている。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、ベンガルズのコーナーバック(CB)イーライ・アップルはチームが後半に調子を上げたことについて「あのオールドマン(ブレイディ)にタップダンスをさせなきゃいけなかった。彼をポケットから出して、不快にさせる必要があった」と語ったという。
バッカニアーズは後半開始早々、自陣の深い位置で浅はかなフェイクパントのプレーを実行した。その後、ブレイディはインターセプト、ファンブル、ファンブル、インターセプトと4回連続でターンオーバー。相手のミスを1つ1つ得点に結びつけたベンガルズは、17点もの差をつけてそのまま勝利を手にしている。
ベンガルズは前半で、少ししかプレッシャーをかけていなかった。ディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンが欠場し、DEサム・ハバードがふくらはぎのケガで26回のプレーに参加した後に離脱したことを受け、ベンガルズの守備コーディネーター(DC)ルー・アナルモはブレイディの前にプレッシャーを生み出すために何度も離れ技をコールしている。後半になるとそれは功を奏し、ベンガルズはバッカニアーズを苦しめた。
最後のタッチダウンドライブで稼いだ75ヤードを含め、バッカニアーズが後半2クオーターで獲得したのはたった135ヤードだ。
試合前、ブレイディは『SiriusXM(シリウスXM)』のポッドキャスト“Let’s Go!(レッツ・ゴー)”に出演した際に、ベンガルズのことを“かなりタフな”ディフェンスと呼んでいた。これは全国的に放送されたわけではなく、この発言自体も相手を非難しているようには聞こえなかったが、ベンガルズの守備選手たちはこれを試合前の軽い発言だと受け止めていたようだ。
ベンガルズのディフェンシブタックル(DT)B.J.ヒルはトンネルから戻る際に「俺たちはディフェンス面でかなりタフだ。そう言ったのを覚えているよな?」とコメントしている。
さらに、ラインバッカー(LB)ジャメイン・プラットは「老練なベテランの話によれば、俺たちは“かなりタフなディフェンス”らしいが、4回もターンオーバーを喫して、なんて言うんだろうな――釘のようにタフとか?」とつけ加えた。
ベンガルズは自分たちが前半で調子が良くなかったことを自覚しているものの、主力選手を何名か欠いていた状況にもかかわらず逆転に成功している。
ヒルは「前半はそういうプレーをしていた。ウソをつくつもりはない。でも、俺たちは後半に入ってから全力でプレーした」と強調した。
その努力の結果、ベンガルズはあと3試合が残されている中で、ボルティモア・レイブンズを抜いてAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区で首位に立っている。
【RA】