ニュース

スティーラーズがハーフタイムセレモニーで故RBフランコ・ハリスの32番を永久欠番に指定

2022年12月25日(日) 18:49


フランコ・ハリス

「こんなはずではなかったのに」

これはフランチャイズのアイコンであるフランコ・ハリスのジャージーナンバーを永久欠番にするほろ苦いセレモニーでスピーチしたピッツバーグ・スティーラーズのオーナー、アート・ルーニー二世の最初の言葉だ。“イマキュレート・レセプション”で50年前に王朝を築いた栄誉の殿堂入りランニングバック(RB)は現地20日(火)に72歳でこの世を去った。ほんの数日後に彼は1972年のスティーラーズのチームメイトたちと一緒に、フランチャイズ史上3人目となる永久欠番の栄誉を授けられることになっていた。

本来なら彼のキャリアとアイコニックなスティーラーズの思い出を暖かく祝福するはずの1週間は、訃報によって悲しみに包まれた。それでも、ハーフタイムの極寒の中、最終的に13対10でラスベガス・レイダースに逆転勝利した彼らの本拠地アクリシュア・スタジアムには、ハリスの家族(妻デイナと息子ドク)、スティーラーズのオーナーシップ、OBとファンが訪れ、一体となって風雨に立ち向かいながら町の偉人に賛辞を送った。

「彼はここ、私のすぐ横に立っているはずだった」とルーニー二世はセレモニーで語っている。「だが、今夜ここに来てくれて、過去50年間にわたりフランコをわれわれと共有してくれたデイナとドクに感謝したい」

「“人生は悲しみをもたらすが、喜びを感じられるかどうかは自分たち次第だ”と言われる。フランコは50年にわたり、われわれに喜びをもたらしてくれた」

「だから、フィールド内外での彼の多くの貢献をたたえ、ここに32番を永久欠番に指定できたことを光栄に思う」

「1972年のチームと全スティーラーズファンがフランコのために“テリブルタオル”を振る」

ルーニー二世がハリスの妻と息子に32番のジャージーを手渡すと、会場内にはスティーラーズファンの“フランコ! フランコ!”というチャントが湧き起こった。この夜に、彼の名前が叫ばれたのはこれが最初ではない。

試合前の選手紹介のシーンで、スティーラーズのキャメロン・ヘイワードは32番と記された黒のフラッグを掲げてトンネルから走り出て、大喝采を浴びていた。彼を含め、多くの選手、コーチがこの日、ハリスの32番のジャージーを着てスタジアム入りしている。

国家の演奏前にはハリスのために1分間の黙とうがささげられた。

「われわれは今夜、スティーラーの歴史の一部となることができた」と感動的な勝利を飾り、ハリスのジャージーを着たヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは述べた。「それを軽く受け止めてはいない。私が今来ているジャージーの持ち主のように、われわれの先人たちが下地を敷いてくれたことには感謝の言葉しか出てこない。ここピッツバーグに備わった基準の高さで、ファンベースとの関係の深さで、われわれは彼らの努力の成果を日々味わうことができるのだ。ただただ彼と彼のチームメイトたち、そしてこのブラック&ゴールドを今のものにしてくれた全ての先人たちをたたえたい」

厳しい寒さのクリスマスイブにもかかわらず、応援グッズのタオルを持った大勢のファンが見守る中、メル・ブラント、ジョー・グリーン、ジョン・フュークアといったスティーラーズのレジェンドたちが参加したセレモニーはハリスのための追悼と祝福の1週間を締めくくった。彼はフットボール界において忘れられない選手、個人として永遠に記憶に残される。

【M】