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27点差を挽回されて歴史的な敗北を喫したチャージャーズ

2023年01月16日(月) 15:14


ロサンゼルス・チャージャーズのジャスティン・ハーバート【AP Photo/Chris Carlson】

ワイルドカードラウンドで臨んだジャクソンビル・ジャガーズとの試合で、前半終盤まで27対0でリードしていたロサンゼルス・チャージャーズは、プレーオフゲームでの勝利と4年ぶりのディビジョナルラウンド進出を確定させると見られていた。

しかし、2時間後に待ち受けていたのは歴史的かつ必然的とも言えたジャガーズの逆転勝利であり、その代わりにチャージャーズは帰路につくことを余儀なくされている。

デュバルで開催された試合において31対30で敗れた後、チャージャーズのヘッドコーチ(HC)ブランドン・ステイリーは「ロッカールームにいるみんなのことを思うと胸が痛む。特別なグループなのだ。これはプレーオフにおける最もきつい負け方だ」と述べた。

“きつい”というのは控えめな表現だと言えよう。覆された点数として27点というのはチャージャーズにとってフランチャイズ史上最大の数字だった。現地14日(土)夜、チャージャーズはターンオーバー差がプラス5以上でプレーオフの試合に負けた初のチームとなっている。一方のジャガーズは、9年前にアンドリュー・ラック率いるインディアナポリス・コルツがカンザスシティ・チーフスを破った試合(28点差)と、30年前にフランク・ライク率いるバッファロー・ビルズがヒューストン・オイラーズを倒した試合(32点差)に次いでNFLポストシーズン史上3番目に大きい点差を巻き返しての勝利を収めた。

チャンスを逃したことの重大さをチャージャーズのロッカールームにいる全員が理解している。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、アウトサイドラインバッカー(OLB)カイル・バンノイはロッカールームで「俺たちはやらかした」とコメントしたとのこと。

また、『ESPN』によれば、ディフェンシブタックル(DT)セバスティアン・ジョゼフは「情けない。本当に気分が悪いし、ただただ最悪だ」と話しているという。

さらに、ポストシーズンでの初先発が忘れられない形で終わったクオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートも「明らかに自分たちにとって厳しい状況だ」と語った。

チャージャーズがどこで、どのように失敗したかは、オフシーズンを通して分析されることになるだろう。試合前半、ジャガーズのQBトレバー・ローレンスは4回のインターセプトを喫しており、そのうちの3回を決めたのはキャリア2年目のスターコーナーバック(CB)アサンテ・サミュエルJr.だった。ローレンスのインターセプトを含め、ジャガーズが計5回のターンオーバーを喫したおかげでチャージャーズは27対0という差をつけている。また、チャージャーズは絶好のフィールドポジション――3回のドライブをジャガーズのレッドゾーン内から開始することができ、チャージャーズの32ヤードラインより後ろから始まったプレーはなかった――の恩恵を受け、序盤7回のドライブ中5回で得点を挙げている。

しかしながら、チャージャーズは後半にわずか4回しか攻撃スナップを展開することができなかった。最後の2回は40ヤード地点からのフィールドゴール失敗と、スリーアンドアウトで終わり、ジャガーズの巻き返しを後押ししている。チャージャーズは試合前半に守備面で巧みなプレーを見せていたが、後半にそれに成功したのはジャガーズだった。チャージャーズはジャガーズの後半4回の攻撃を1度も止めることができなかった上に、タイミング悪くペナルティを科されたことで、ジャガーズの逆転劇を手助けしている。

OLBジョーイ・ボサが犯した3回のファウル(そのうち2回はスポーツマンシップに反する行為へのペナルティ)は特に悪影響をもたらした。第3クオーターでローレンスにサックを決める前にオフサイドのフラッグを投げられたことは、ジャガーズが後半最初のスコアリングドライブを展開させるのに貢献する形となっている。また、ジャガーズが最後のタッチダウンを決めた際にとられた2度目のスポーツマンシップに反する行為へのペナルティは、ジャガーズのダグ・ペダーソンHCが第1ダウン獲得まで残り1ヤードのプレーを2回指揮する原因となった。この試みに成功したあとキッカー(K)ライリー・パターソンが試合終了間際にフィールドゴールを成功させたことで、ジャガーズは勝者となっている。

ステイリーHCはボサについて「彼はイライラしていたんだと思う」と述べ、こう続けた。「試合を通していろいろなことが積み重なっていたように感じて、オフィシャルと話し合おうとしていたのだと思う。だが、あんなふうに冷静さを失ってはいけない。私たちは確実に常に高いレベルで物事に向き合い、チームをああいう形で苦しめないようにしなければならない」

鼠径(そけい)部に重傷を負い、2週間前に復帰したばかりのボサを含め、チャージャーズはシーズンを通してずっと負傷者を抱えながら戦ってきた。スターオフェンシブタックル(OT)ラショーン・スレーターはシーズンの大半で欠場し、彼の代役を務めていた新人OTジャマリー・サリヤーも土曜日の試合途中に離脱を余儀なくされた。また、シーズン第18週に敗れたデンバー・ブロンコス戦で背中を骨折した先発ワイドレシーバー(WR)マイク・ウィリアムスも欠場。つまり、チャージャーズがケガ人を抱えながらも2022年のシーズンを戦い抜いてポストシーズンに進出し、アウェーでディビジョンウイナーを苦しめていたこと自体が印象的だと言えよう。

とはいえ、さまざまな障害を乗り越え、あと一歩のところまで前進していたのに今回のような方法で敗退している。ターンオーバー差がプラス5だったにもかかわらず、前半を折り返した時点での20点差を覆されたことで、今回の敗北はよりいっそう悲惨なものになっている。手痛い敗北を何度も経験してきたチャージャーズとステイリーHCは、ジャクソンビルで新たに苦い経験をすることになった。来年にはこれを挽回したいと考えているステイリーHCは次のように結論づけている。

「今回のことから多くを学ぶことになるだろう。残念ながら、これには厳しい側面もある」

「私たちのシーズンは終わった」

【RA】