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ドルフィンズ戦で多くの学びの機会を得たビルズQBアレン

2023年01月16日(月) 15:19


バッファロー・ビルズのジョシュ・アレン【AP Photo/Adrian Kraus】

現地15日(日)にスーパーワイルドカードでマイアミ・ドルフィンズと対戦したバッファロー・ビルズのクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンが、その試合を根本的な視点から振り返った。アレンにとっては、この試合から学ぶものは多かったようだ。アレンとビルズは、紙一重の勝負をなんとかものにしている。

「結局のところ、大事なのは試合に勝つことだ」と強調したアレンは「1点差でも100点差でもね。今は1週間ごとに勝負が決まる。すべてを出し切る。すでに言ったように、これは勝つかうちに帰るかなんだ」と続けた。

アレンの言う事実は実際にチェックして認めることができる。世の中のルールに従えば、彼らはすべて正しい。とはいえ、アレンは重要な部分に触れていない。ビルズはドルフィンズに対してチャンスを与えていた。それも一度ではない。ビルズはこうした危険を犯し続けることができるのだろうか?

過去3年間、ビルズがどのようにシーズンを終えたのかを振り返ってみよう。序盤に7点リードし、後半にも3点差をつけていた昨季のカンザスシティ・チーフス戦。序盤に9対0でリードしていた2020年シーズンのチーフス戦。第3クオーター終盤まで16対0でリードしていた2019年シーズンのヒューストン・テキサンズ戦。ビルズは最終的にこれらのすべての試合に敗れたのだ。

各チームはシーズンごとに異なるものだが、ビルズとアレンは3番手QBスカイラー・トンプソン率いるドルフィンズを相手になんとか逃げ切ったことを理解しなければならない。この試合では当初、ビルズが17対0と大きく差を広げていた。その後、ドルフィンズが3回連続でフィールドゴールに成功した一方で、ビルズが大きなミスを犯したことでドルフィンズにチャンスが訪れている。

このような展開の最中、ビルズのワイドレシーバー(WR)たちはアレンを失望させていた。

アレンが決定打となる可能性のあったボールをWRジョン・ブラウンに向けて放ったにもかかわらず、ブラウンは走るのをやめてしまった。ドルフィンズのコーナーバック(CB)ザビエン・ハワードはこのボールを奪っただけではなく、49ヤードを駆け抜け、ドルフィンズが2度目のフィールドゴールを蹴るチャンスを生み出している。

次のドライブで、アレンはWRカリル・シャキールに54ヤードのパスを通したかと思われたが、シャキールはきちんとボールをキャッチしていなかった。ビルズがパントを蹴り、ドルフィンズは50ヤード前進。短い距離を生かしてドルフィンズはまたしてもフィールドゴールに成功している。ドルフィンズが序盤3つのスコアリングドライブで稼いだヤードはそれぞれ38ヤード、18ヤード、8ヤードだ。しかし、それが9ポイントになり、ワンスコアゲームにまで持ち込んでいる。

その後、WRコール・ビーズリーもアレンからのパスをキャッチするのに失敗。フリーセーフティ(FS)ジェヴォン・ホランドに拾われてレッドゾーンまで運ばれた。その3プレー後、ドルフィンズは2ポイントコンバージョンに成功して同点に追いついたため、試合は奇跡的に同点となっている。

ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは、土曜日にジャクソンビル・ジャガーズがロサンゼルス・チャージャーズとの対戦で27点差を巻き返した試合の結果を見るために夜更かししなかったことを認めた。一方で、次にプレーオフで大きなリードを挽回されるのは自分のチームかもしれないと密かに恐れていたマクダーモットHCは次のように明かしている。

「私はうちの選手たちを称賛している。よく耐えて、勝つ方法を見出してくれた。これは今年の彼らが得意としてきたことのひとつだが、この試合から得るもの、学ぶべきものが多くあるのは間違いない」

学びの機会はどんどん増えていった。第3クオーター序盤にアレンがストリップサックされた後、ドルフィンズがファンブルリターンタッチダウンを決めたプレーもその一つだ。ディフェンスがロングコンバージョンを何度か許し、トンプソン率いるオフェンスをフィールドにとどまらせたのもその一例だろう。また、後半に行われたいくつかの奇妙なプレーコール――結果的に失敗した、成功確率の低いディープショットを含む――も今後、再考が必要になるかもしれない要素だと言える。

今回の試合は、このままの調子を続けていれば翌週以降に勝ち進んではいけないということをビルズに思い知らせるものになる必要があるのだ。

最終的には、新人選手たちによる2つのビッグプレーと、ドルフィンズが犯したいくつかのミスが勝利を決定づけている。負傷しているCBデーン・ジャクソンの代わりに出場したドラフト1巡目指名選手のカイイル・イーラムは、試合中盤にインターセプトに成功。また、インターセプトには一歩及ばずとも重要なパスブレークアップを決めた場面もあった。レギュラーシーズンにキャッチ10回をマークした状態で試合に臨んだドラフト4巡目指名選手のシャキールは、序盤にボールを落とすミスがあったものの、そのあとのドライブで50ヤードのキャッチに成功している。

「あれは俺たちにとって、試合の流れが大きく変わる瞬間だった。(シャキールが)ルーキーなのは知っているけど、俺たちは彼に大きな信頼を寄せているし、いくつかプレーを生み出してくれると信じている。彼はこれからもそうし続けてくれるだろう」とアレンは語った。

しかしながら、ドルフィンズが試合終盤にヘマをしていなければ、ビルズは勝てていたのだろうか? プレッシャーがかかっていたおかげでトンプソンは低く投げ、イーラムはそれをインターセプト。最終ドライブでフォルススタートをしたドルフィンズは第4ダウン残り1ヤード未満の場面でもディレイオブゲームのペナルティを科されている。それにより、彼らはパントを余儀なくされ、二度と攻撃権を得られなかった。

ビルズがより良い相手、あるいはより健康状態の良いドルフィンズと戦った場合にこの試合に負けていたかどうかは議論の余地がある。それでもアレンは、厳しい状況下ではビルズの強い仲間意識こそが何よりも助けになっていると考えているようだ。

「プレーオフの真剣度を理解している」と言うアレンは「勝つか、帰るかだ。みんなただ勝ちたいだけで、まだクリーツを脱ぎたくはないんだ。俺たちには達成すべき目標があるし、ロッカールームにいるヤツらはお互いを愛している。そこへ出るためにものすごく努力しているし、自分たちが設定した目標を達成するために実行している」と続けた。

【RA】