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ビルズGMビーン、敗北後に不満をあらわにしたWRディッグスを問題視せず

2023年01月25日(水) 13:41

バッファロー・ビルズのステフォン・ディッグス【AP Photo/Jeffrey T. Barnes】

シーズン最後の苦い敗北を味わった後、バッファロー・ビルズのワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスがソーシャルメディア上で自分の思いを吐露した。

ディッグスはディビジョナルラウンドでシンシナティ・ベンガルズに27対10で敗れたことを受けて明らかに動揺している。しかし、ディッグスの憤りを目の当たりにしても、ビルズのジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンは何とも思っていないようだ。

ビーンGMは火曜日に行われたシーズン末記者会見で次のように語っている。「うちにはむしろ、私が落ち着かせないといけないような選手がそろっている。それに、彼は勝ちたいと思っている。私はあれくらい我慢できる。月曜日に給料をもらうためだけにここにいるのかと疑問に思うような人たちもいた。ステフォン・ディッグスは非常に高額の報酬を得ているだろう? つまり、彼は“俺はもう大丈夫だ。プライベートジェットも使えるし、自分の好きなことができる”と言うこともできる。彼は勝ちたいからこそ感情を率直に表現したのだが、それは本当に彼の良いところだ。それでこそステフなのだ」

「私も感情が出やすい人間だ。あそこで負けていたらステフよりひどい状態になっていただろうなと思う時もある。これで答えになっているかな?」

日曜日にビルズのシーズンが終わりに近づいていく中、ディッグスはサイドラインで見るからに動揺していた。両手を広げ、ベンチにいるクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンに向かって話しかける――あるいは一方的に話している――姿を目撃されていたディッグス。一方のアレンはベンチに腰をかけて顔を上げる様子も見せなかった。

ディッグスは試合後や、恒例となっているロッカールーム整理が行われている間にメディアへの対応をしていなかったが、月曜日に『Twitter(ツイッター)』上に一連の投稿をすることでその沈黙を破っている。

「負けても平気でいろって? 無理だ」と始めたディッグスは続けてこうツイートしている。「標準に満たないときに自分たちのプレーのレベルに満足しろって? 無理だ」

「結果よりも俺の反応を批判することの方が簡単だ」

ディッグスは日曜日の試合でターゲット10回(ゲームハイ)中4回しかキャッチできず、35ヤードをマーク。今季、ビルズの一員として3年連続でプロボウルに選出されたディッグスは、キャッチ108回で1,429ヤード、タッチダウン11回という記録でレギュラーシーズンを締めくくっていた。

ディッグスはまだ報道陣への対応をしていないものの、ヘッドコーチ(HC)のショーン・マクダーモットが月曜日にディッグスを擁護したのと同じように、ビーンGMも火曜日にディッグスを支持する姿勢を見せている。

『ESPN』によると、マクダーモットHCは「ステフはご存知の通り非常にコンペティティブな人間で、それは私たちみんなが彼を愛する理由の1つでもある。そして、私たちと同じように彼もフラストレーションを感じている。彼は今日来ていて、会話を交わした。この話はここまでにしておこう」と述べたという。

ビーンGMはディッグスに何の懸念も抱いていないようだが、ビルズの他のWRたちには確実に後押しが必要なはずだ。

レギュラーシーズンにおいて、WRゲイブ・デービスとタイトエンド(TE)ドーソン・ノックスはチームで2番目に多い48回のキャッチをそれぞれ記録。つまり、ディッグスが決めた108回のキャッチはチーム内の誰よりも2倍以上多いということだ。ビーンGMは、大半で成績が安定していなかった上に落球に悩まされていたデービスを擁護しつつも、2023年NFLドラフトでWR陣を増員することには前向きな姿勢を見せている。

ビルズのGMになった2017年から6回のドラフトで、ビーンは5名のレシーバーを指名してきた。2017年2巡目ではゼイ・ジョーンズを指名。しかし、そのジョーンズは今はジャクソンビルにおり、ビーンはそれ以来、デイビス(2020年4巡目)より上位でワイドアウトを指名していない。全体27位指名権を持つビルズは、ビーン時代になってからはじめて、1巡目でワイドレシーバーを指名する可能性がある。

ビーンGMはバッファローがミネソタ・バイキングスから1巡目指名権と交換でディッグスを獲得したことに触れ、「私はステフ・ディッグスを1巡目で指名したわけだろ?」とジョークを飛ばした。

一方、真剣な話として、現AFC東地区王者であるビルズにとって必要なポジションであることは明らかであり、状況がどうなっていくかによって、1巡目でのワイドアウト指名も検討するとビーンは語っている。

「躊躇(ちゅうちょ)はしない」と言うビーンはこう続けた。

「“1巡目は必要ないよ”と言ってしまえるようなポジションではない。われわれがレシーバーに必要としているのは、本当に優秀なフットボール選手であり、われわれのオフェンスにフィットすること。そういう選手であれば、すぐに獲得する。ジャマール・チェイスのような選手が今年の27位でまだ指名できるなら、私はすぐにカードをひっくり返す」

シーズン末記者会見の全体で、ビーンGMはチームはサラリーキャップ以下で仕事をしなければならないとし、昨オフシーズンのボン・ミラーのような大型契約はないと繰り返した。

サラリーキャップは妨げになるものの、ビーンGMはフリーエージェントになるジョーダン・ポイヤーやトゥルメイン・エドモンズらを戻すことにも前向きだという。プロボウルに選出されたセーフティ(S)であるポイヤーの場合、ビーンはリーグのサラリーキャップナンバーがはっきりすればより状況が見えてくるとしている。エドモンズについては、再契約が“われわれにとってベスト”だとした。

ビーンとビルズは希望よりも早い段階で2022年シーズンを終わらせた。しかし、活発なオフシーズンが彼らを待っているようだ。

【RA/A】