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テキサンズが49ersのDCデミコ・ライアンズをHCとして採用

2023年02月01日(水) 10:24


デミコ・ライアンズ【AP Photo/Tony Avelar】

デミコ・ライアンズが正式にヒューストンに戻ることになった。

サンフランシスコ・49ersの守備コーディネーター(DC)を務めていたライアンズがヒューストン・テキサンズのヘッドコーチ(HC)に就任する条件に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地1月31日(火)に情報筋の話を元に報道。その後、チームはこの件を正式に発表した。

ライアンズはテキサンズによって出された声明で「まず、私がコーチとして、また人間として成長した素晴らしい6シーズンを過ごせたことについて、サンフランシスコ・49ersおよびカイル・シャナハン、ジョン・リンチに感謝を申し上げたい」と述べている。

「私たちが共に成し遂げたことを、これ以上ないほど誇りに思っている。また、そこで築いた人間関係はこれからもずっと大切にするつもりだ。ヒューストン・テキサンズのヘッドコーチになることは私の夢であり、家族もH-Town(エイチタウン/ヒューストンの愛称)に戻れることに興奮している。私は人生を通じてフットボールという競技に携わっており、常に人を導く天性の能力を発揮してきた。選手としてもコーチとしても、このリーグで勝ち、成功するためには何が必要かを理解している。私たちは特別な職業倫理と不屈の精神を持つ選手で満ちたプログラムを構築するつもりだ。私はこの組織とヒューストンのファンに対して、勝者を育てる責任があることを理解しており、今から仕事に取りかかるのが楽しみで仕方がない」

ライアンズがテキサンズのヘッドコーチの最有力候補として浮上した先週末から、今回の採用は計画されていた。

これはラインバッカー(LB)としてテキサンズから2006年ドラフト2巡目指名を受けてNFL入りしたライアンズにとって、ヒューストンへの帰還となる。選手時代にテキサンズで6シーズンを過ごしたライアンズは、ヒューストン出身の妻ジャミラさんともそこで出会った。

テキサンズのオーナーであるキャル・マクネアは声明で次のように述べている。「ヒューストン・テキサンズの新ヘッドコーチとしてデミコ・ライアンズを迎えることをとても楽しみにしている。多くの理由から、デミコは私たちがこの組織のリーダーやコーチに求めているすべてを兼ね備えている。彼は質の高い選手を育成してきた実績を持っているだけではなく、サンフランシスコでの過去6シーズンで常に守備スキームを革新し続けてきた。私たちはファンと町が誇れる人物を見つけることを目標にこのプロセスを開始し、まさにそれを実現させた。デミコに関しては、さまざまな方から素晴らしいフィードバックやサポートをいただいたが、彼と話し合いを重ね、このフットボールチームに対する彼のビジョンを聞いたことによって、組織として進化し続ける私たちを率いるコーチにふさわしいと判断した。デミコとそのご家族に祝福を。そして、H-Townにおかえりなさい」

テキサンズで過ごした6シーズンの間に、ディフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞し、オールプロのファーストチームに1回、プロボウルに2回選出されたライアンズは、その後の4シーズンをフィラデルフィア・イーグルスでプレーした後に現役を退いた。

現在38歳のライアンズは、シャナハンがヘッドコーチに就任した2017年に49ersの守備クオリティコントロールコーチに採用されてコーチングキャリアを開始。2018年から2020年にかけてインサイドラインバッカーコーチを務めた後、2021年からはニューヨーク・ジェッツのHC職を手に入れたロバート・サラーの後任として守備コーディネーターを任されていた。

ライアンズの指揮の下、49ersのディフェンスはここ2シーズンでNFLのトップユニットのひとつに数えられてきた。2022年レギュラーシーズンには、試合平均被ヤードで1位、被得点で1位、許したビッグプレー数の少なさで1位、被ランヤードで2位、ターンオーバー数で2位、プレー平均被ヤードで4位と、NFLトップクラスの守備力を発揮している。

49ers守備陣の粘り強さ、スキーム、そして選手たちによる圧倒的な支持により、ライアンズは今年のコーチングサイクルにおいて最有力候補の1人となっていた。

かつて長年にわたってテキサンズに在籍し、2011年にはライアンズと共にプレーしたこともあるディフェンシブエンド(DE)J.J.ワットは、ヒューストンの新コーチに期待を寄せている。

ワットは火曜日に『Twitter(ツイッター)』に「素晴らしいヒューストンのファンベースに再び活力を与え、再び彼らを興奮させたいのなら、これはとんでもないスタートだ!! ミコ(デミコ)が何をするのか楽しみでしょうがない。俺が今まで出会った中で最高のチームメイトであり、リーダーの1人だ」と投稿している。

2年連続でヘッドコーチを解任した――デビッド・カリー(2021年)、ラビー・スミス(2022年)――後、ヒューストンの人気者であるライアンズを採用したことは、地元から称賛されるに違いない。ライアンズはかつて選手として率いていたフランチャイズに安定をもたらすことを期待されている。

2022年ドラフトを経て、セーフティ(S)ジェイレン・ピートリやコーナーバック(CB)デレク・スティングリーJr.、LBクリスチャン・ハリス、ランニングバック(RB)デイミオン・ピアースなど、テキサンズには才能のある若手選手がそろっており、ライアンズは特に守備面で彼らと仕事をしていくことになる。最も懸念されているのはクオーターバック(QB)ポジションだが、テキサンズは2023年ドラフト全体2位指名権を使ってこの問題を解決することができるだろう。

新人のシグナルコーラーを迎えた場合、攻撃コーディネーター(OC)はその指導に不可欠な存在となる。そうした中で、ライアンズは最初のタスクの1つとしてスタッフの組み立てに取り組むことになりそうだ。

【RA】