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コルツが1シーズンを共にしたQBライアンをリリース

2023年03月15日(水) 09:46


マット・ライアン【AP Photo/Tony Gutierrez】

インディアナポリスにおけるクオーターバック(QB)マット・ライアンのキャリア第2章は終わった。

コルツがチームで1年を過ごしたライアンをリリースする計画だと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地14日(火)に伝えている。

アトランタからインディアナポリスへの移動は、ライアンにとってコンテンダーでプレーする次の(そしておそらく最後の)チャンスだと見られていた。周囲の評価としては、コルツがポストシーズンに到達するために足りないのはクオーターバックだけであり、プレーオフで勝ち進むことも可能だと考えられていたのだ。しかし、結果としてコルツはプレーオフに近づくことすらできずに終わっている。

ライアンはインディアナポリスでかなりの苦戦を強いられ、2022年のギブアウェイ回数である18回は2位タイの数字だった。アテンプト平均パスヤードは27位、パサーレーティング(驚くべきことに印象よりも高い83.9)が28位、タッチダウン対インターセプト比(14対13)が31位となっている。

コルツがライアンの指揮下で4勝7敗1分を記録した後、オーナーシップは当時のヘッドコーチ(HC)であるフランク・ライクにベテランを下げ、まだ実力が証明されていない若手のサム・エリンガーを起用することを強いた。自然な流れとしてその試みも失敗したことで、ライクHCは仕事を失った。暫定HCのジェフ・サタデーはそれぞれのクオーターバックにチャンスを与えたが、チームのラスト8戦での白星はわずか1回――ライアンが先発した試合――にとどまった。

その結果が示唆するように、ライアンだけが問題だったわけではない。ジェネラルマネジャー(GM)のクリス・バラードはオフェンシブラインを改革しようとした自らの試みが失敗したと認めており、それがライアンからチャンスを奪っていた。また、コルツはオールプロのランニングバック(RB)であり、2020年と2021年のコルツ攻撃陣の原動力だったジョナサン・テイラーを欠く状態での戦いを長期間にわたって強いられていた。

総合して、ライアンのインディアナポリスでの時間は失敗だと見なされている。たとえ、そういったまとめ方が本人にとってフェアではなかったとしても。しかしながら、ライアンがこれまでに残してきた足跡は、今でも輝きに満ちている。

ライアンはQBの勝利数で歴代10位タイ(124勝)につけており、パス成功数では5位(5,551回)、パスヤードで7位(6万2,792ヤード)、タッチダウンパスで9位(381回)という実績を残してきた。タッチダウンパス350回以上とMVP選出の両方を満たしている選手はNFL史上で6人しか存在せず、トム・ブレイディ、ペイトン・マニング、ブレット・ファーブ、アーロン・ロジャース、ダン・マリーノと並んでライアンもその一人だ。

これらのクオーターバックたちはすでにプロフットボールの殿堂に迎えられているか、すでにカントンでのスポットが予約されているかのような状態だ。とは言え、ライアンについてはゴールドジャケットを身につけることを確実視されているわけではない。

しかし、そのキャリアはまだ終わっていない。今回のリリースは決して驚きではなかったが、今後の展開次第で次の目的地が見えてくるだろう。

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