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最高のQBはマホームズではなく「より一貫性のある」バロウだと元ベンガルズQBパーマー

2023年04月10日(月) 12:00


シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ【AP Photo/Brynn Anderson】

シンシナティ・ベンガルズとカンザスシティ・チーフスはすでに熾烈なライバル関係を築いているが、ベンガルズの元クオーターバック(QB)はそれをさらにあおり立てることにしたようだ。

「ジョー・バロウがリーグ最高のクオーターバックだと思う」とカーソン・パーマーは先週にポッドキャスト『The QB Room(ジ・QBルーム)』で述べている。「パトリック・マホームズが驚異的なのは分かっているが、ジョーの方が安定していると思うんだ。彼の方が一貫性がある。彼の方が確実にシステムやコールされたプレーを実行していて“彼らは前回プレーを決められなかったし、俺のためにオープンにならなかったから、自分の足でプレーしよう”という風にはならない。そういう考えに陥ると、パスを出すチャンスを2、3回逃して、気づいたらサックされて4ヤードも後退することになる」

「ジョーには弱点がなく、精神的にも強く、身体的にもタフで正確だ。パスの距離も速さも十分で、ボールを素早く手放し、めったに見せることがないだけで、自分の足でもプレーを決めることができる。ポケットの外に出てもその身体能力を発揮することができて、パトリック・マホームズがやってきたようなことは大抵できる。今はまだそれを実際にやってないだけだ。彼は自分自身のシステムとスタイルに従ってプレーしてきた。いずれにしても、彼がこのリーグで一番のクオーターバックだと思っている」

昨シーズンの年間最優秀選手とスーパーボウルチャンピオンであるマホームズは、自然とリーグ最高のクオーターバックをめぐる議論の基準にされる。過去2回のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップでチーフスとベンガルズは1勝1敗を記録しており、2戦とも3点差だったことを考えるとバロウとマホームズを比較したくなるのも無理はない。

マホームズは頂点に立つ者の証としてトロフィーとリングを手にしており、バロウよりも活躍してきた年数は長く、直接対決では1勝3敗と負け越しているが、直近の対戦では勝利を挙げている。とはいえ、過去2シーズンにおける二人のスタッツに大きな差はない。

マホームズはレギュラーシーズンの34試合で1,306回中871回(成功率66.7%)のパスを成功させて10,089ヤードを稼ぎ、78回のタッチダウンと25回のインターセプトを記録している。

一方のバロウはレギュラーシーズンの32試合で1,126回中780回(成功率69.3%)のパスを成功させて9,086ヤードを積み上げ、69回のタッチダウンと26回のインターセプトを記録した。

2022年に『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』はバロウにこの年の最高点となる90.0を、そしてマホームズにはそれに次ぐ89.2というパッシンググレードを与えている。

パーマーが主張するバロウのポケットの外の動きやサックの受け方に対する一貫性と機動性に関しては説得力に欠ける。バロウの信頼性を否定するわけではないが、マホームズはチーフスをホームで5年連続AFCチャンピオンシップゲームに導いたことで、記録的な安定性に関しては揺るぎない地位を確立している。

さらに、マホームズはチームを窮地から救い出すようなプレーを決めることがあり、それが他の選手とと一線を画すゆえんの一つでもある。また、司令塔にマホームズを据えた際にチームが被サック数で5位以下になったことはない。2021年から数えてマホームズは54回しかサックされていないのに対してバロウは92回を記録しており、同じ期間にマホームズはバロウよりも12回だけキャリーが多かったものの、その分で364ヤードも多く足で稼いでいる。

パーマーもバロウと同じようにベンガルズに全体1位で指名された選手で、2年目のシーズンにチームをポストシーズンへと導いてフランチャイズを復活させることに成功した。だが、パーマーの意見を単に古巣への忠誠として片付けることはできない。

ベンガルズで7年間プレーしたのちにパーマーは2011年に、もう一年ベンガルズで過ごすくらいなら引退すると宣言し、その言葉通りにシーズンの半分を欠場したところでラスベガス・レイダースにトレードされている。レイダースで2年間過ごしてからアリゾナ・カーディナルスでも5年間プレーしたパーマーは、気づいたら最初のチームのシグナルコーラーをNFLで最高のクオーターバックだと称えていた。

引退した選手も現役選手もこの二人のクオーターバックを比べたがるのは、彼らがこのスポーツの頂点で活躍しているという何よりの証拠であり、この議論は二人がキャリアを積むに連れて活発になるだろう。

2023年のレギュラーシーズンにチーフスが再びホームでベンガルズを迎え撃つことは決まっている。マホームズとバロウがプレーオフでまた再戦することになったとしても、誰も驚かないだろう。

二人の次の対決へのカウントダウンが始まる。

【R】