スーパーボウルでの敗北が現役続行を決めた「要因の1つ」とイーグルスCケルシー
2023年04月10日(月) 13:23ジェイソン・ケルシーがフィラデルフィア・イーグルスの先発センター(C)として13シーズン目を迎えることを決めた要因は、第57回スーパーボウルに敗れたことによる喪失感だけではないが、それが彼の頭から離れることはないだろう。
現地7日(金)、『The Rich Eisen Show(リッチ・アイゼン・ショー)』に出演したケルシーは「それは要因の1つになったと思う」と話している。「そうあるべきではないと思う。そうじゃなきゃよかったと思っている。でも、あそこまで行って近づいたのにやり遂げられなかったときは、感情やエネルギーが高まって、それを達成したいと思うものなんだろうな。あと一歩のところまで迫ったし、みんなが健康でいる限り、次の年は良いチームになると確信している。オフェンスでは多くの選手が戻ってくる。だからまあ、それが全部要因になった」
「違う状況だったら、どういう答えになっていたかは分からない。それでもプレーしていただろうなとは思っている」
昨季、11月中旬まで敗北を避け続け、その試合以外でクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツが先発したレギュラーシーズンの15試合で一度も敗れなかったイーグルス。リーグ内で最も長く無敗を維持していたイーグルスはフランチャイズ史上4度目のスーパーボウル出場を果たした。
2017年シーズンにケルシーおよび当時のメンバーが勝利を収めた前回の結果とは異なり、今回のスーパーボウルではリングまであと一歩のところで及ばなかったが、ケルシーが言う通り、イーグルスのロースターに再び挑戦する素地が整っていると考えるのは正しいと言えよう。
ポイントとヤードの両方でNFL内3位に輝いたイーグルス攻撃陣には、チーム内でトップ5のパスキャッチャーとなったWRのデボンタ・スミス、A.J.ブラウン、ケス・ワトキンス、タイトエンド(TE)ダラス・ゴーダート、ランニングバック(RB)ケニス・ゲインウェルが戻ってくる予定だ。さらに、AP通信年間MVP賞の投票で次点となったハーツも戻ってくる。
マイルズ・サンダース(現在はカロライナ・パンサーズに所属)の代わりにダイナミックではあるもののしばしばケガに見舞われるラシャード・ペニーを起用するなど、オフェンス面で最も大きな変化が起きたのはランニングバックルームだった。その一方で、トップ10位以内に入っていたディフェンスからはあらゆるレベルで重要な選手が離れている。
それでも、コーナーバック(CB)ジェームズ・ブラッドベリーが再契約を締結し、CBダリウス・スレイが一時は放出されそうになるも契約に合意したことは良い前兆だと言えるだろう。たとえ攻守両面で新しいコーディネーターが指揮を執ることになっていてもだ。
とはいえ、最大の恩恵はケルシーが引退を思いとどまったことだろう。通算でプロボウルに6回選出されている35歳のケルシーは4年連続でその栄誉に浴している。また、この6年で5回オールプロにも選出された。ハーツのプロテクションを指揮したり、ほとんど止めることができないQBスニークを主導したりと、イーグルスのオフェンシブラインの中心に位置する強力な歯車となっているケルシーは、2度目のロンバルディトロフィー獲得を目指して再び戦いに挑もうとしている。
2015年以降、一度も先発出場を逃していないケルシーは「身体面はこのままうまくいけばいいなという感じだけど、13年目を迎える人間としてはかなり良い状態だと思う」と語り、こう続けた。「膝とか足首とか、あちこちに痛みはあるけど、本当にあなたが言うように、メンタル面での努力が必要になる。適切にやるためには、日頃から注意を払っておかなきゃいけないレベルだ。俺の仕事の1つは自分自身の準備を整えること。そして、全員を適切なポジションに配置するための準備を整えることだからな。センター、クオーターバック、ミドルラインバッカー、セーフティの4つのスポットはフィールド上で、他の選手のプレーをより良くしたり、プレーに影響を与えたりすることができる」
「コールを出したり、コミュニケーションをとったりすることによってね。それをうまくするためには、ミーティングルームで集中することや動画の研究、1週間を通してのコミュニケーションが必要になってくる。そして、それらのすべてにはエネルギーと努力が必要だ。それは最終的にあるレベルで人生の他の部分から目をそらすことにつながる。それをもう一度やる気があるかどうか、本当に考えなくちゃならない」
「自分には、もう1年それをやりたいと思う気持ちが残っていた。スーパーボウルで負けたことも影響しているとは思うけど、最終的にはまだフットボールをプレーしたいと思ったんだ」
【RA】