テキサンズはドラフト全体2位でチームの“救世主”を獲得するわけではないとライアンズHC
2023年04月13日(木) 10:30ヒューストン・テキサンズは今月末に実施される2023年NFLドラフトの全体2位指名権を保有しているが、新ヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズはそこで指名される選手に多くの期待を背負わせたくはないようだ。
現地11日(火)、ライアンズHC――しかるべくして、テキサンズがその指名権でクオーターバック(QB)を獲得すると公言することを避けてきた――は、成功するためには、どのような期待も緩和されなければならないと語った。
「全体2位指名権を持っていることはエキサイティングだが、それと同時に、若い選手が選ばれるところにプレッシャーはない」と述べたライアンズHCはこう続けている。「全体2位で指名したからと言って、ここに来てフランチャイズの顔やリーダーにならないといけないと要求するのは不当だと思う。それはその選手にとって不当だ。誰を選んだとしても、そのような重荷を背負わせるつもりはない。それは私たちが予測していることでもなければ、彼らに期待していることでもない」
「彼らにはここへ来て、素晴らしいチームメイトになり、懸命に働き、自分のやっていることを意図的に行い、毎日良くなっていくというマインドセットを持ってもらうことを期待している。ドラフトの2位であろうと最後であろうと、そのマインドセットは必要だ。いつ指名されるかは本当に関係ない。リーダーたちは私たちのチームに基づいて成長していく。チームはそれぞれ違うものだ。うちのロッカールームにはすでにリーダーがいるから、ここへ来てチームの救世主になってくれとは頼まない。ここに来て集中し、ただただ取り組んでもらいたい」
想定では、カロライナ・パンサーズが全体1位でクオーターバックを指名した後、テキサンズも全体2位でシグナルコーラーを選択すると見られている。QBデショーン・ワトソン(現在はクリーブランド・ブラウンズに所属)の低迷を受け、テキサンズはこの2年間、明確なフランチャイズクオーターバックを欠いていた。テキサンズから2021年ドラフト3巡目指名を受けたQBデイビス・ミルズは、将来性を感じさせる輝きを見せたものの、結局はフランチャイズをけん引するスターターというよりも、長期的なバックアップとして位置づけられている。
誰が全体2位で選ばれても、何年も再建を続けてきたフランチャイズを立て直すことが期待されるはずだ。
初めてヘッドコーチを務めることになったライアンズHCは、そうした期待の重さをどのように取り除くのかと尋ねられている。
それに対し、ライアンズHCは「最初から、プレッシャーはないと伝える。それだけだ。ドラフトのどこで指名してもその選手にプレッシャーをかけるつもりはない。うちのチームで1スナップもプレーしたことがないのに、その選手を組織のリーダーだと言うのは不当だ」と答えた。
理論上、テキサンズは新人QBに環境に慣れる時間を与え、ミルズあるいはベテランQBケイス・キーナムを司令塔に据えてシーズン開幕を迎えることができる。とはいえ、それは現実的には起こる可能性が低い。特に、トップ5の指名権を持っていることや、テキサンズのロースター構成を踏まえると、最初から新人を出場させることはフランチャイズの長期的な成功に役立つはずだ。
どのQBを先発に起用するかはその選手の精神構造にかかっていると指摘したライアンズHCは、次のように話している。
「クオーターバックポジションに関しては、その選手がすべてだ。新人クオーターバックであろうと、ベテランクオーターバックであろうと関係ないという話をしている。その選手の気質はどういうものなのか。自分のチームで先発を任せる価値があるのか。重要なのはそれだけだ。その選手がキャリアのどの段階にいるかは関係ない。新人なのか、3年目なのか、4年目なのか。チームにとって最高の選手、ふさわしい選手は誰なのか。それは現時点では分からない。私たちはまだ一度も、位置について外に出てフットボールの練習をしていない。そういうことは時が来たら分かるはずだ」
【RA】