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WRムーアを観察しているベアーズ新人WRスコット、“彼は触れ込み以上の存在”

2023年07月06日(木) 12:29


シカゴ・ベアーズのタイラー・スコット【NFL】

NFLの中でも特に過小評価されている武器の1人であるワイドレシーバー(WR)D.J.ムーアをクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズに与えるために、シカゴ・ベアーズは2023年ドラフト全体1位指名権を手放すことをいとわなかった。

ベアーズはドラフト4巡目でシンシナティ大学出身のWRタイラー・スコットを指名することで、さらにパスキャッチャーを加えている。新人のスコットは年長のワイドレシーバーの様子を見ているだけで、新たな環境に慣れ始めているようだ。

『NBC Sports Chicago(NBCスポーツ・シカゴ)』のポッドキャスト“Under Center(アンダー・センター)”で自身の成長に役立てるためにどのルートランナーを観察しているのかと質問されたスコットは「D.J.ムーア。もちろん、チームメイトなんだけど、彼は触れ込み通り、もしくはそれ以上の存在だ」と答えている。

「彼のプレーには落ち着きがある。コントロールがいいんだ。フットボール選手はそれがどういう状態か分かっている。彼はコントロールがきいた状態でプレーしている。でも、必ずしもプレーがゆっくりだとか遅れているわけではない。ただただ自分のやっていることを分かっている状態でプレーしている。経験が豊富なのさ。彼は他の人とは違うレベルでプレーしている」

5年間のキャリアで一度もプロボウルに選出されたことのないムーアだが、カロライナ・パンサーズではクオーターバックのプレーにばらつきがあったにもかかわらず、1,000ヤードシーズンを3回経験しており、通算でキャッチ364回、タッチダウン21回をマークした。

NFLでのキャリアを開始するのはまだ先の話だが、40ヤード走で4.44秒というタイムを誇るスコットは、カレッジでの3年間でレシーブ87回、1,439ヤード、タッチダウン14回を記録している。

プロ並みの縦の脅威として、ドラフト4巡目では確かな価値があると評価されたスコットだが、ベアーズ攻撃陣の序列ではムーアやダーネル・ムーニー、チェイス・クレイプールの後ろからキャリアをスタートすることになると理解しているようだ。だからと言って、スコットは無理にフィールドに出ることを目標にしてルーキーシーズンを迎えようとしているわけではない。

「うちはかなりヘビーなルームで、経験豊富で才能豊かな選手たちがそろっている」と認めたスコットはこう続けた。「でも俺は常に、彼らが試合に出さなきゃいけないと思うほど良い選手になる、という心構えをしている。誰が周りにいても、彼らが出さなきゃいけないって思うほど優秀にならないと。俺はそういう考え方だ」

「限界に関して言えば、自分の限界についてはあんまり考えていない。俺はただ、プレーオフに進出し、最終的にはスーパーボウルを目指すチームの中で、影響力を発揮し、チームを活性化するのに一役買えるような存在になりたいと思っている」

ベアーズはドラフト3日目に指名したスコットから得られる貢献をすべて受け入れるつもりだ――昨シーズンにパスヤードで最下位に沈んだことを踏まえると、なおのことだろう。

スコットが期待を上回る活躍を見せ、フィールドから外すには惜しい存在となれば、それは相手ディフェンスを打ち負かす際に得た、うれしいおまけの1つとなるだろう。

「試合に出て縦のスピードを発揮し、縦の脅威であること。俺はただそういう機会と、そういうものの一部になることを大切にしている」と語ったスコットは「俺を信じてそういう人材を呼び込んでくれたことに感謝している。俺みたいに自分の実力を見せたいというハングリー精神にあふれた人間がいたら楽しくなると思う」と続けている。

【RA】