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自分より先にドラフト指名された16人のWRを今もノートに書きとめているライオンズWRセント・ブラウン

2023年07月11日(火) 13:45


デトロイト・ライオンズのアモン-ラ・セント・ブラウン【AP Photo/Seth Wenig】

昨年のプレシーズン中に放送された“Hard Knocks: Training Camp with the Detroit Lions(ハード・ノックス:トレーニングキャンプ・ウィズ・デトロイト・ライオンズ)”で、ワイドレシーバー(WR)アモン-ラ・セント・ブラウンは2021年NFLドラフトで自分より先に指名された16人のワイドレシーバーの名前を何も見ないで挙げていた。

昨季、ルーキーシーズンの90回を上回る106回のレシーブを記録し、1,161ヤード、タッチダウン6回をマークしてキャリア初のプロボウルに選出されたにもかかわらず、セント・ブラウンは今も彼らの名前を忘れようとしていない。

現地10日(月)、セント・ブラウンは『NFL Total Access(NFLトータル・アクセス)』に出演した際に「実はまだそのことを考えている」と認めた。

「俺はノートに自分の目標を書いている。毎年達成したいことをね。シーズンに向けて、その年に達成したいこととか個人的な目標を書いていて、そのすぐ下には16人のレシーバーの名前と出身大学を書きとめている。毎日、練習に行く前に全リストを3回読むんだ。これからも決して忘れないことで、常に覚えておこうとしていることだ」

そのリストには、同じくスター選手として活躍しているジャマール・チェイス(シンシナティ・ベンガルズ)やジェイレン・ワドル(マイアミ・ドルフィンズ)も含まれているが、ドラフトで指名を受けたチームをすでに離れたエライジャ・ムーア(現在はクリーブランド・ブラウンズに所属)やアマリ・ロジャース(現在はヒューストン・テキサンズに所属)といった選手も含まれている。

しかし、最も注目に値するのは、セント・ブラウンが彼らよりも多くのレシーブ数を記録していることだ。セント・ブラウンの通算レシーブ数(196回)は、ジャスティン・ジェファーソン(ミネソタ・バイキングス)やマイケル・トーマス(ニューオーリンズ・セインツ)と並び、キャリア最初の2シーズンで記録したレシーブ数としてNFL史上最多記録となっている。

今年のドラフトで加入した2人のオフェンス選手が、飛躍を遂げているライオンズに自分と同じように貢献できると確信しているセント・ブラウンは、そうした楽観的な考えを持っているのは自分自身がライオンズから指名を受けた逸材であったことに起因すると、皮肉交じりに語っている。

「ブラッド(ホームズ、ジェネラルマネジャー/GM)とデトロイトにいる面々はドラフトで素晴らしい仕事をしたと思う」とセント・ブラウンは話している。「もちろん、4巡目で俺を指名したのもそうだし、彼らは才能の見つけ方を知っているのさ。パッドがないからOTA(チーム合同練習)では何とも言えないけど、自分たちにとって最高の存在になると思う選手が何人もいた。うちが手に入れたランニングバック(RB)のジャーマイア・ギブス。俺は主にオフェンスを見ているから、オフェンス選手をよく見ている。彼が俺たちのために何をしてくれるのか楽しみだ。爆発力のあるバックだ。うちのタイトエンド(TE、サム・ラポルタ)はOTAでものすごく頑張っていた。だから、彼ら全員が外に出て楽しむ姿を見るのが待ちきれない」

ドラフト全体12位で驚きの指名を受けたギブスはデビッド・モンゴメリーとタッグを組み、昨季にジャマール・ウィリアムス(セインツに移籍)とディアンドレ・スイフト(フィラデルフィア・イーグルスに移籍)がライオンズのバックフィールドで形成していた電撃的なコンビの後釜を担うことになる。

一方、ラポルタはキャリア3年目のTEブロック・ライトやシェーン・ジルストラの横で仕事を学んでいくことになるだろう。2022年、ライトとジルストラはそれぞれタッチダウンレシーブ数(4回)でセント・ブラウンに次ぐチーム2位タイの記録を残している。

新人の2人が、セント・ブラウンがリーグ入りしてから与えてきたインパクトのほんの一部でも発揮できれば、昨季に得点で5位に輝いたライオンズ攻撃陣は再び好成績を収めることができるだろう。

ライオンズにとって最初の試練は、カンザスシティ・チーフスとのシーズン開幕戦でやってくる。その試合では、セント・ブラウンも自分より前に指名された16人のワイドレシーバーを超えることではなく、スーパーボウル王者をその座から引きずりおろすことをモチベーションにするだろう。

さらに刺激を求めるファンのためにも、セント・ブラウンは火曜日に“Player’s Choice(プレーヤーズ・チョイス)”の一環として、その日に放送される『NFL Network(NFLネットワーク)』の番組を選ぶ仕事を任されている。

トータル・アクセスでそれに関する予告をしたセント・ブラウンは次のように話した。「いくつか選択肢があったんだけど、さっき話してくれたように“ハード・ノックス”に参加するのはすごく楽しかった。だから、みんなにはハード・ノックスの一部を振り返ってもらうことになる。俺がとても気に入っているエピソードやクリップ。去年に楽しんでプレーした試合。自分にとって本当に良かったパフォーマンス。カルビン・ジョンソンやバリー・サンダースなど、うちでプレーしていて、デトロイトを盛り上げようとしてくれている伝説的な選手たち。子どものころに見るのが大好きだった選手たち。もしかしたら他のチームの選手もいるかもしれない。だから、ぜひ見てほしい」

【RA】