ジャイアンツがRBバークリーと最大約15億円の1年契約に合意
2023年07月26日(水) 10:23ニューヨーク・ジャイアンツのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーの契約にまつわる騒動は、バークリー本人とジャイアンツの双方が望む結果にはつながらなかった。しかし、両者はトレーニングキャンプの開始を前に新しい契約に合意している。
現地25日(火)朝、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話をもとに、ジャイアンツとバークリーが最大1,100万ドル(約15億5,148万円)の1年契約に合意したと報じた。この契約には200万ドル(約2億8,203万円)のサインボーナスが含まれている。
その後、ジャイアンツは火曜朝のうちに、バークリーがテンダーにサインしたことを正式に発表した。
2023年、ジャイアンツはバークリーに1,009万1,000ドル(約14億2,296万円)のフランチャイズタグを指定。両者が長期契約を結ぶ場合、7月17日までに交渉を成立させる必要があった。期限を過ぎると、1年契約の条件は交渉できるが、複数年契約は締結できない。
フランチャイズタグをつけられた選手が1年契約の条件を交渉するのは珍しいことだが、バークリーが少なくともテンダーで決められた額以上の報酬を得られることになったのは、彼がキャンプに戻るための橋渡しとなっている。
NFLネットワークのマイク・ガラフォロは、ジャイアンツが来年再びバークリーにフランチャイズタグをつけることを妨げる条項は契約にないとつけ加えた。2024年に2度目のタグを付与する場合、その額は2023年の報酬の120%に相当する。
今回の合意により、スターランニングバックがいつニューヨークへ戻ってくるのかという疑問は解消された。今オフシーズン、バークリーは長期契約が成立しなければ今季の試合を欠場することも考えていると何度も示唆していた。
最終的に、チームメイトたちと共にトレーニングキャンプに集合するために、バークリーはやや改善されたフランチャイズタグに合意している。
ラスベガス・レイダースのRBジョシュ・ジェイコブスやバークリーの状況は、ランニングバック市場の低迷をめぐる最近の議論の呼び水となっている。バークリーの新契約が他のランニングバックからどう受け止められるかは興味深いと言えよう。
2018年ドラフト全体2位指名を受けたバークリーはルーキーシーズンに、2,028スクリメージヤード、トータルタッチダウン15回を記録してオフェンス部門年間最優秀新人賞に輝くという、ダイナミックな形で一気に台頭した。
しかし、その後は度重なるケガに見舞われている。
バークリーは2019年も1,000ランヤードシーズンを達成したが、出場したのはわずか13試合だった。それは、その後に起こることの兆しだったのだろう。バークリーは2020年にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂して2試合しか出場できず、2021年も本来の力を発揮することはできなかった。
2022年に調子を取り戻したバークリーはキャリー295回で1,312ヤード、タッチダウン10回をマーク。ジャイアンツの驚くべきプレーオフ進出に貢献した。
バークリーはブライアン・ダボールHC(ヘッドコーチ)のオフェンスに欠かせない存在であり、相手ディフェンダーを圧倒し、どんなスナップでも素晴らしいプレーを見せる能力を持っている。
オフシーズンを迎えるにあたり、ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンはクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズとバークリーを長期的にチームにとどめておくことを目標としていた。その計画は期待通りには進まなかったものの、ダボールHCの指揮下で成長し続けようとしているジャイアンツは少なくとも、2023年にジョーンズとバークリーの両方をフィールドに立たせることができる。
次のオフシーズンには再び同じような問題が浮上しているかもしれない。
【RA】