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ダーノルドがランスを抑えて49ersのバックアップQBに

2023年08月24日(木) 09:45


サム・ダーノルド【NFL】

サンフランシスコ・49ersが先発クオーターバック(QB)ブロック・パーディーの控えを務める選手を指名した――それはかつて資本を注ぎ込んでトレードアップして獲得した選手ではない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが現地23日(水)に情報筋の話をもとに報じたところによると、今オフシーズンに好調だったサム・ダーノルドが49ersのQB2に指名されるという。

つまり、トレイ・ランスは現在、デプスチャートで3番手となっているということであり、それがチームとの将来にとってどのような意味を持つのかは現時点では分からない。ランスは水曜日にチームの練習に参加していなかったと報じられており、ラポポートとペリセロは49ersがランスの選択肢を探っていると伝えている。

パーディーは2022年シーズンのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームで投球側の右肘の内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい/UCL)を負傷。これに加え、ジミー・ガロポロがフリーエージェント(FA)としてラスベガス・レイダースに移籍したことを受けて、49ersにはQBの補強が必要となった。しかしその後、予定よりもかなり早くリハビリを終えたパーディーに出場許可が下りており、シーズン第1週のピッツバーグ・スティーラーズ戦にも先発出場する見込みとなっている。

NFL入りしてからニューヨーク・ジェッツとカロライナ・パンサーズで安定感を欠いた5シーズンを送ってきたダーノルドだが、ミニキャンプとOTA(チーム合同練習)では49ersに好印象を与え、パーディーのステータスが未定となっている中でランスと互角に渡り合ってきた。2人の控え選手はプレシーズンまでポジション争いを持ち込んでいる。

レイダースと対決したプレシーズン初戦で先発したランスは、そこで記録(パス15回中10回成功、112ヤード、タッチダウン1回)から想像される以上に苦戦。インターセプト確実と思われたプレーが、49ersのタッチダウンキャッチにつながるという幸運に助けられた場面もあった。デンバー・ブロンコスとのプレシーズン第2戦ではより優れたパフォーマンスを見せたものの、出場したのは第3クオーターのかなり終盤だった。

ランスと同様にブロンコス戦でタッチダウン1回、インターセプト1回を記録したダーノルドは、1シリーズ終了後にパーディーと交代し、ランスと代わるまでに後半にかけて活躍した。プレシーズンの2試合で、ダーノルドはパス22回中16回成功(72.7%)、193ヤード、キャリー3回で18ヤードをマーク。サックは2回喫している。

一方、ランスはプレシーズンの2試合を通してパス33回中22回成功(66.7%)、285ヤード、タッチダウン2回、インターセプト1回を記録。キャリー5回で0ヤード、被サックは4回だ。

49ersはランスをキープするのだろうか。2021年ドラフト1巡目(全体3位)指名を受けたランスはまだ23歳だが、今年のサラリーキャップは930万ドル(約13億4,548万円)で、新人契約の最終年にあたる2024年には1,080万ドル(約15億6,249万円)以上を数えることになっている。パーディーの肘のケガやダーノルドのキャリアの不安定さ、2023年NFLシーズンにおけるQBに関連したロースタールールの変更などを考慮すると、49ersはランスをキープすることになるかもしれないが、それには大きなコストが伴うだろう。

49ersは今季でも来年でも、ランスのトレードを検討することができるだろう。しかし、ランスを獲得するために費やしたコストを取り戻すことは期待できない。49ersは2021年NFLドラフトで全体12位から全体3位までトレードアップしている。マイアミ・ドルフィンズは49ersがランスを指名する権利と引き換えに、2022年と2023年の1巡目指名権および2022年の3巡目指名権を獲得した。

ランスはこの2シーズンで4試合に先発出場し、通算で797ヤード、タッチダウンパス5回、インターセプト3回、235ランヤード、タッチダウンラン1回を記録している。しかしながら、そのパス成功率は54.9%にとどまっている上に、昨シーズンは第1週のシカゴ・ベアーズ戦で苦戦を強いられた後に、シーズン第2週に行われたシアトル・シーホークス戦で右足首を骨折し、その後の試合をすべて棒に振った。

【RA】