今後はRBホールに“制限をかけない”とジェッツHCサラー
2023年10月05日(木) 13:15ニューヨーク・ジェッツのランニングバック(RB)ブリース・ホールは羽ばたく準備ができているようだ。
キャリア2年目のホールは4週間にわたってプレー数を制限されていたが、ロバート・サラーHC(ヘッドコーチ)は今後、ホールに対していかなる制限も設けないと明かしている。
現地4日(水)、サラーHCは「機会の観点から言えば、彼にはもう制限をかけない」と述べた。
昨シーズン第7週にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂したホールに関して、ジェッツは慎重に事を進めたいと考えている。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ホールは今季の4試合でジェッツの攻撃スナップ217回中87回に参加していたとのこと。一方、ダルヴィン・クックは72回、マイケル・カーターは59回のスナップに参加している。
ホールは序盤から活発な様子を見せており、シーズン第1週には10回のキャリーで最長83ヤードを含む127ヤードを記録したほか、20ヤードのキャッチも決めた。大敗を喫したその後の2試合では調子を落としていた(2試合を通してタッチ17回、36トータルヤード)ものの、カンザスシティ・チーフスに敗れた前回の試合では再びロングラン(43ヤード)に成功している。
明らかにチームのバックフィールドにおける最強の武器となっているホールの制限を解除することは、ジェッツ攻撃陣の持続可能性を高め、クオーターバック(QB)ザック・ウィルソンを助けることにつながるだろう。しかし、サラーHCはオフェンスには多くのプレーメーカーがいると強調している。
ホールについて「ぜひとも彼を起用したいと思っている」と述べたサラーHCはこう続けた。
「だが、それと同時に、ボールを受けてもらいたい選手がうちにはたくさんいる。ギャレット(ウィルソン)は特別な選手だし、アレン(ラザード)はその実力を示している。ゼイビア・ギプソンは試合で目立っているし、3人のタイトエンド(TE)はみんなかなり良い感じだ。うちには良い選手がそろっている――こう言って悪いことが起きませんように。チームにとってベストな形で機会を分配し、確実に得点する方法を見つけなければならない」
サラーHCはジェッツがトレーニングキャンプの途中に加入させたクックから完全に離れることはないと示唆した。オフシーズンに手術を受けた後、クックはシーズン序盤に出遅れている。28歳のクックが30回のキャリーで74ヤード(キャリー平均2.5ヤード)を記録しているのに対し、ホールはキャリー32回で210ヤード(キャリー平均6.6ヤード)をマークしてきた。
こうした圧倒的な差がある(さらに、カーターがクックの出場機会を奪っている)にもかかわらず、クックが調子を取り戻しつつあると見ているサラーHCは、次のように語っている。
「彼はよくなっている。思い出してほしい。彼はOTA(チーム合同練習)にもトレーニングキャンプにも参加していない。まだ足慣らしの段階だ。私が代弁しよう。彼は確実にもっと多くの機会を望んでいるし、もっと結果を出したいはずだ。彼は努力を続ける必要がある。速くなってきているし、GPSの数値もかなり速くなっていることを示している。うまく足を動かせるようになってきているようだ。私たちはそういう選手たちにもっと機会を与える必要がある。難しくなることは分かっていた」
仮にクックの成績が向上したとしても、仕事の大半を担うのはホールになるだろう。現段階においては単純にホールの方が爆発力を備えているからだ。
方法はさておき、ジェッツはオフェンスを活性化するためにバックフィールドにより頼っていく必要がある。ネクスト・ジェン・スタッツによれば、ジェッツは4週間を通してキャリー1回あたりのEPA(追加予想得点)でNFL内最低の-0.26を記録しているという。
【RA】