ニュース

QBワトソンの右肩のケガが長引くとは見ていないブラウンズGMベリー

2023年10月05日(木) 14:20


クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/David Richard】

クリーブランド・ブラウンズはシーズン第4週にクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンに何が起こったのか、納得のいく説明をしていない。ワトソンは肩のケガが原因で、ブラウンズが28対3でボルティモア・レイブンズに敗れた試合を欠場していた。

現地4日(水)、ブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーはそれに関する説明をしようとしている。

「私たちは彼がプレーするだろうと楽観視していた。彼も同じように楽観視していた」と報道陣に述べたベリーGMはこう続けた。

「彼はリハビリと準備のために、1週間必死に取り組んでいた。日曜日に試合に赴き、試合前のワークアウトをさせたときに、彼が試合でパフォーマンスを発揮できるほど十分にボールを投げたり、ドライブを展開させたりすることができないことが誰の目にも明らかになった」

「単純に、彼にそのポジションの職務を安心して任せられるほどのレベルに達していなかった」

2勝2敗でバイウイークを迎えたブラウンズは、自分たちの戦績がより良くなる可能性があることを分かっている。また、このスポーツで最も重要なポジションは不測の事態に備えてより良い準備をする必要があることも認識している。ワトソンがプレーできないというのは、衝撃的な展開でなかった。練習で制限を受けていたワトソンは、金曜日のセッションで1回しかパスを投げていなかったからだ。

とはいえ、どの点から見ても、シーズン第4週の出場に関しては何の問題もなさそうだった。ワトソンはあるベテラン番記者に対し、日曜日までには回復すると確信していると話してもいた。

そして、日曜日を迎え、ワトソンが出場できないことが明らかになり、新人のドリアン・トンプソン-ロビンソンが急きょ、先発を務めることになっている。トンプソン-ロビンソンはルーキーらしいプレーを見せ、攻撃を継続することができなかった。この試合では、トンプソン-ロビンソンを助けることができたはずのランニングバック(RB)ニック・チャッブとライトタックル(RT)ジャック・コンクリンも欠場していた。

最も懸念すべき点は、ゲームプランをワトソンではなくトンプソン-ロビンソンにより適していた可能性があるものに変更しなかったことだと言えよう。この2人のクオーターバックは大きく異なるわけではないが、初めて先発を務める試合で新人クオーターバックに40回もドロップバックをさせてフィールドを見渡すことを期待するのは賢明な判断とは言えないだろう。トンプソン-ロビンソンは予想通り苦戦し、3回のインターセプトを喫した。

このような展開になれば、ワトソンのタフネスについて疑問の声が上がるのは間違いない。実際、クリーブランドでは、2021年シーズンにブラウンズで複数のケガを抱えながらプレーしたことで、パフォーマンスが悪化し、チームでの将来を失うことになったQBベイカー・メイフィールドに言及する者さえいた。

ベリーGMが説明しているように、ワトソンがプレーしなかったのは彼のタフネスではなく、そのポジションのせいだ。

ベリーGMは水曜日に「彼がランニングバックやディフェンシブタックルや、ラインのどこかのポジションなら、彼に仕事上で求められるものに影響しないし、問題ないだろう」と語り、こう続けている。

「だが、今話しているのはクオーターバックだ。彼の仕事は1試合で30回や35回にわたって、どこにでもボールを投げること。これはワークアウトの初期に非常に明白になったことだが、彼がプッシュできないとか、引っ張っていけない、フィールドの奥へ投げられないということであれば、われわれにとって彼を出さないという決断は実に簡単だった」

100%に満たないワトソンは、トンプソン-ロビンソンよりも優れているだろうか? それは分からない。ブラウンズはそれがすぐに明らかになることを望んでいない

ベリーは「これを長期的な負傷だとは捉えていない。ケビン(ステファンスキー/HC)が今週に指摘していたと思うが、構造的な問題はない。短時間で治り、彼の準備は整うと考えている」とコメントした。

クリーブランドはNFLチームを擁する都市の中でも、最も感情の動きが激しい街の一つだ。私服でサイドラインに立ち、プレーカードで目を隠しているワトソンの写真に象徴される、シーズン第4週の見どころのないパフォーマンスは、シーズン第5週のバイウイークを、苦しいほど長いものに感じさせるだろう。しかし、それは1試合だけのことだ。回復期間が1週間多いことは、2023年に質の高い試合を一度しかできていないクオーターバックにとって、大きな違いになるだろう。

2勝2敗ではあっても、まだ楽観的な空気はある。

このバイウイークを活用して、ケビンが2020年にここに来て以来、ボールのこの側面で築いてきた、いつもの安定性とスタンダードを取り戻すことに、本当に期待している」と言うベリーGMは、こう続けた。

「デショーンがフルシーズンを戦い、ニックを失い、ジャック・コンクリンを失った中で、われわれが最初の3年になじんできたものとは大きく変わってくることに疑いはなかった。しかし、ケビンがここのヘッドコーチになって最初の3年に見てきた基準に届き、それを超えることにも、疑いはない」

【RA/A】