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ファンを軽視し、批判したことを謝罪するジャイアンツRTニール

2023年10月06日(金) 10:51


ニューヨーク・ジャイアンツのエヴァン・ニール【NFL】

シーズン開幕から4試合を経て、ニュージャージー州イーストラザフォードではフラストレーションが頂点に達している。

現地2日(月)のプライムタイムにホームでシアトル・シーホークスに21点もの差をつけられて敗れた試合では、オフェンシブラインが11回のサックを許しただけではなく、クオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズの投げたパスが相手のインターセプトリターンタッチダウンにつながり、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールがサイドラインで苛立ちからタブレットを投げつける様子が見られるなど、ニューヨーク・ジャイアンツを取り巻くフラストレーションが明らかになっている。メットライフ・スタジアムに詰めかけたジャイアンツファンもそれに呼応し、1勝3敗になりそうなチームに聞こえよがしにブーイングを送っていた。

ライトタックル(RT)エヴァン・ニールはそうしたファンの反応をあまりよく思っていなかったようだ。

水曜日、ニールは『NJ Advance Media(NJアドバンス・メディア)』のダリル・スレーターに「ブーイングされたから、“もっと大きな声でブーイングしろ!”って言った」と話している。

キャリア2年目のニールはそれだけにとどまらず、自分のプレーやチームを批判する人たちに対して、スレーターに「なんでライオンが羊の意見を聞いて自分のことを気にするんだ? 俺のパフォーマンスについてコメントしているヤツは何をやっているんだ? どっかでホットドッグとかハンバーガーを焼いてるんじゃないの?」と問いかけた。

スレーターからファンにもっと大きなブーイングをするように言った理由を尋ねられたニールは、こう答えている。

「単純に、彼らが勝っているときだけ応援してくるようなファンだってことが、そうすることでもっとはっきりするからさ。だいたいはにわかファンだよ。俺らがいいパフォーマンスをするのを彼らが見たいと思っているのは分かっているし、俺はそれをすべて尊重している。でも、俺たち以上に自分たちのパフォーマンスが良くなることを望んでいるヤツはいない」

「俺たちが必死に戦っていて、試合がうまくいっていないときに、ホームチームにブーイングすることしかできないやつらが本当にファンだって言えるのか? どの程度のファンだって言うんだ?」

今シーズンの4試合を通してNFLで2番目に多い25回のQBプレッシャーを許してきたニールは、ジャイアンツが流れを変えるためには、自分と仲間のオフェンシブラインマンがより良くなる必要があることを十分認識していると語った。

負傷者が相次いでいるオフェンシブラインについて、ニールは「俺たちは戦い続けないといけない」とコメント。

「間違いなく、俺たちはもっとやれるはず。確実に良くなっていかなきゃいけない。これまでは最高のパフォーマンスができていなかった。でも、良い部分もたくさん映像に残っている。だから、俺たちはただ自分たちのいいところを生かして、ミスを最小限に抑えるだけだ」

ニールのロッカールームでの発言は水曜日に拡散され、ニールが明らかに労働者階級やチケット購入者を挑発したことに不快感を抱いた人々からの反感を招いた。その後、ニールはソーシャルメディアで謝罪文を公開している。

ニールは「俺と同じように情熱的でフラストレーションを抱えているファンに対して暴言を吐くのは間違っていた」とつづっている。

「自分のプレーに対するフラストレーションと勝ちたいという気持ちが先走ってしまった。俺に誰かの仕事を軽んじる権利はないし、自分の言ったことを深く反省している」

「俺たちは毎日、チームとして成長するために努力している。今回のことで不要な混乱を招いてしまった。申し訳ない」

また、ニールは木曜日に次のようにつけ加えた。

「後悔している。もっといい言葉を選べばよかった。自分自身が貧しい環境で育ったからこそ、経済的な地位や職業に関係なく、誰かを見下したいと思ったことは一度もない。だから、自分が言ってしまったことについて、本当にただ謝りたい」

「ファンには、俺もみんなと同じ人間だということを分かってもらいたい。俺の周りにいる人に聞けば、みんな俺のことをほめてくれる。俺を含め、完ぺきな人間なんていない」

ダボールHCは木曜日に報道陣に対し、チームはニールのコメントから前進していると語った。

『ESPN』によると、ダボールHCは「エヴァンは声明を出したと思う。私たちは話した。彼がとても反省していて、自分のした発言を後悔しているのは分かっている」と述べたという。

ニールの謝罪がすでに途方に暮れているファンにどこまで通用するかは分からない。ニール、ジャイアンツ、そして彼らのサポーターにできること(すべきこと)は、前に進み、次の試合に集中することだ。ジャイアンツは次の試合で3勝1敗のマイアミ・ドルフィンズと対決する。ドルフィンズ守備陣はプレッシャー率(35.7%、17位)と許した平均パスEPA/予想追加ポイント(-0.04、22位)で中位に位置し、被得点(試合平均29.8点、28位)とトータルディフェンス(試合平均374.5ヤード、26位タイ)でワースト10位以内に沈んでいる。

しかし厄介なのは、ニールを含め、ジャイアンツのフロントがこの対戦に向けて万全の体制にならないかもしれないことだ。ニールは水曜日の練習で、手と足首のケガを理由に制限を受けている。また、ジャイアンツはこの2試合を欠場していたランニングバック(RB)セイクワン・バークリーを復帰させられる可能性がある一方で、バークリーはガード(G)シェイン・レミュー(そ径部)、センター(C)ジョン・マイケル・シュミッツ(肩)、オフェンシブタックル(OT)アンドリュー・トーマス(ハムストリング)のいないラインの後ろを走ることになるかもしれない。これらの選手は皆、水曜日の練習を欠席していた。

アウトサイドラインバッカー(OLB)ブラッドリー・チャッブやディフェンシブタックル(DT)クリスチャン・ウィルキンス、ディフェンシブエンド(DE)エマニュエル・オグバ、OLBアンドリュー・バン・ギンケルを擁するドルフィンズ守備陣と対峙することから、得点(試合平均11.5点)でリーグ最下位に沈んでいるジャイアンツはまたしても精彩を欠く試合を展開する可能性がある。シーズン第5週にニールとジャイアンツが流れをひっくり返さなければ、鉄板の上で具材をひっくり返しているコックたちが、再びブーイングを送るかもしれない。

【RA】