コルツRBテイラー、トレード要請以来の発言もチームでの将来性については明言せず
2023年10月06日(金) 14:12現地5日(木)、インディアナポリス・コルツのランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーは、オフシーズンの契約問題とその後の足首のケガでのPUP(故障者)リスト入りがあってから初めて、記者団と話した。
テイラーは、今週の練習への復帰は、オフシーズンの足首の手術からようやく完治したと感じたからだと何度も強調し、チームへの自身のトレード要求や契約問題については言及を避ける。
「一番変わったのは、やっと練習場に戻れるようになったことだ」とテイラーはコメントし、こう続けた。
「言ったように、今日は大事な日、とても大事な日なんだ。緊張もするし、不安もある。良いプレーをしたい。たくさんの努力をしてきた。いくらでもシミュレーションはできるけど、フットボールをプレーすること以外、フットボールをシミュレーションできるものはないんだからね」
「俺は近くにいたよ。前にも言ったように、俺の一番の目標は100%健康になることだった。だから、トレーニングスタッフやチームとコミュニケーションを取り合い、自分だけでなく、ケガをしてフィールドを離れている全員がフィールドに戻って、好きなことをするために、完全に必要なものをすべて持っていることを確認できるよう、みんなと共通の認識を持っていることが重要だと思う」
オールプロに選ばれたことのあるテイラーは今シーズンの試合に復帰することを熱望しているようだが、今季いっぱいでルーキー契約が切れるため、コルツでの将来については予想通りコメントを控えた。
テイラーは「前にも言ったように、俺は今ここにいて、チームメイトに気を配ることが第一なんだ」と答え、こう続ける。
「多くの人が俺の望みを心配している。・・・俺が何を望むかは必ずしも重要じゃない。重要なのは、このチームが何を必要としているか、このチームが何を望むか、この街が何を望むか、この街が何を必要としているかだ。この街が必要としているのは優勝だ。俺がここにいる間は、そのために全力を尽くすつもり。それが、俺がこの機会を得るために全力を尽くしてきたことなんだ」
公にトレードを要求し、コルツオーナーのジム・アーセイとの意見が対立していたにもかかわらず、テイラーは木曜日に記者団に対し、短期的にはコルツにコミットしていると語り、「もしコミットしていなければ、ここにいないだろう」と話している。
コルツは8月にテイラーにトレードを求める許可を与えたが、翌週の53人ロースターカット締め切りまでには実現しなかった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによると、グリーンベイ・パッカーズとマイアミ・ドルフィンズの2チームがリーグのトップラッシャーだったテイラーのトレード交渉に関与しており、グリーンベイはこのトレードのためにドラフト中位の指名権を2つ提供するとしていたという。
テイラーがPUPリストから外れ健康な状態に戻ったことで、コルツはハロウィンのトレード締め切り前に、これまで不満を抱いていたテイラーの移籍を再び試みる可能性がある。ラポポートはシーズン第1週を前に、パッカーズやドルフィンズ、または他のRBを必要としているチームへのトレードも含め、テイラーにとって全てのオプションがテーブル上にあると報じていたが、これら2つのチームからの関心は冷めたようだ。コルツでの契約延長も可能性はあるが、決して高いとは言えない。
コルツは4試合をテイラーなしで戦い、新人クオーターバック(QB)のアンソニー・リチャードソンを主軸に2勝2敗の成績を収めている。腕のケガから復帰したバックアップRBのザック・モスは、テイラーの代わりにコルツのバックフィールドのペースを握り、ラン66回で280ヤードを走るとともに、タッチダウン1回を記録してチームをリードしている。リチャードソンがマークした131ランヤード、ラン23回はともに2位の数字で、最初の3試合で決めたタッチダウンラン4回はチームのルーキー記録となっている。コルツはトレイ・サーモン、ディオン・ジャクソン、ジェイク・ファンクの組み合わせで選手層を埋めてきた。
しかし、彼らの中でテイラーに匹敵する選手はいない。24歳のテイラーは2021年にラン332回、1,811ランヤード、タッチダウンラン18回でリーグをリードし、プロボウル選出、オールプロのファーストチームの栄誉を受け、年間最優秀攻撃選手賞の次点にえらばれた。テイラーはリーグでもトップクラスの若手ランニングバックで、同じようにこのポジションのマーケットに不満を抱いている選手も多い。
もしテイラーが復帰すれば、コルツがこれまで起用してきた選手たちの誰よりも上位の選手となる。コルツにとってはテイラーの復帰初戦が今週の日曜日に実施されるテネシー・タイタンズ戦となることを願っているだろう。テイラーは木曜の練習報告でフル参加になっており、プレーするためには53人ロースターに登録される必要がある。
テイラー、コルツ、そしてNFLにとって、これがコルツのユニフォームでテイラーが迎える最後のシーズン初戦となるかは不明だ。それにもかかわらず、足首のケガからようやく回復したRBであるテイラーは、未来ではなく、現在に集中している。
「コルツや他のチームや選手に何かを示すという問題ではないと思う。自分自身が大事なんだ」とテイラーは木曜日にコメントし、次のように続けた。
「前にも言ったように、リハビリや復帰を手伝ってくれる人たちがいる。でも、自分自身に示したいんだ。“俺は努力してきた。この瞬間のために長い間努力してきた”って。だから、自分に証明するんだ。“ほら、やってみようってね。レップスが1回もできない日ばかりだった。この筋肉が痛いんだ、と思ったね。それを乗り越える。今日はどうなるか見てみよう”」
【KO】