スティーラーズの苦戦はコーチのせいではないとRBハリス
2023年10月06日(金) 14:27ピッツバーグ・スティーラーズは不調が続いている。
シーズン第4週に、比較的未熟なヒューストン・テキサンズに大敗した後では確かにそう言えるだろう。
30対6の敗北はスティーラーズ攻撃陣が苦戦を続けている結果であり、攻撃コーディネーター(OC)マット・カナダにはファンや評論家から批判が相次いでいる。
一方で、ランニングバック(RB)ナージー・ハリスはカナダOCに対する不満を一切抱いていない。ハリスにとっては、コーチのせいにするのではなく、自分自身を見つめ直し、強化することが大切なのだ。
『The Pittsburgh Post-Gazette(ザ・ピッツバーグ・ポスト・ガゼット)』のブライアン・バトコによると、ハリスは現地4日(水)に「コーチは指導をすることしかできない」と語ったという。
「結局のところ、俺たちがやるべきことをやらなきゃいけない。みんな、コーチングとかプレーコールについて話しているけど、フットボールの仕組みを分かっている? コーチは指導しかできない。プレーを実行しなきゃいけないのは俺たちだ。指をさそうだなんてまったく思っていない。そんなことをしている場合じゃない。こういう話が持ち上がったり、話題になったりするのはいつものことだけど、クレイジーだ。誰がプレーを指示しようと、最終的には俺たちが実行しなきゃいけない。正直に言うと、今はそれができていない。それはコーチとは関係ない。選手だけだ。俺たちがもっといいプレーをしなきゃいけない」
年に2回組まれているボルティモア・レイブンズとの今季1戦目を控えているスティーラーズ。このAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区対決ではフィジカルの強さが必須条件となる。ハリスの見解によると、2勝2敗のスタートを切っているスティーラーズはレイブンズ戦で必要になるようなプレーをこれまで行えていないとのこと。スティーラーズはサンフランシスコ・49ersとテキサンズに敗れた試合でどちらも30点を許し、それに対して自分たちは平均6.5点しか獲得できていない。
「今の俺たちはやわなプレーしかしていない」とハリスは強調している。
スティールシティを代表するチームとして、柔らかいトイレットペーパーのようなプレーは受け入れがたいものであるはずだ。
強硬なプレーが欠けているという考えは、コーチにできることは限られているというハリスのスタンスを補完するものだ。プレーを実行しなければならないのも、全体的に少なくとも2試合で欠けていた、そしてオフェンスからはずっと欠けている火力を持ってプレーしなければならないのも選手なのだ。
スティーラーズはオフェンスの獲得ヤードで29位、ディフェンスの被ヤードで30位に沈んでいる。これはチームが相手に押され気味であることを裏付けていると言えよう。
ハリス自身もここまで210ランヤード、タッチダウン0回と苦戦している。テキサンズ戦では後半に調子を上げてキャリー9回、55ヤードを稼いだものの、すでに手遅れだった。
テキサンズに敗れた後、ヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンが変化を起こすつもりだと力強く述べたとき、それはコーチ陣の入れ替えを意味しているのだと多くの人が考えた。火曜日、そうではないと説明した上で、水曜日の練習でパッドを装着すると述べたトムリンHCは、やわなプレーをしているというハリスの主張を支持している可能性が高い。
スティーラーズは2022年シーズン序盤に苦戦していたが、トムリンHC率いるチームは大幅に調子を上げ、シーズン最終週までプレーオフ争いに加わっていた。最終的には9勝8敗でシーズンを終えている。そうした結果とプレシーズンの好調ぶりとが相まって、2023年シーズンへの期待は高まっていた。これまでのところ、スティーラーズはその期待に応えていない。何かを変える必要があるが、ハリスは選手たちがその変化の先駆けにならなければならないと明言している。
「俺たちはコーチとか、メディアが言うものとかをはけ口として見続けている場合じゃない」と主張したハリスはこう続けた。「君たちがやっているのは本当に愚かなことだ。何を言おうと勝手だけど、さっきも言ったように、選手がプレーをして、コーチは指導をするんだ。いつまでも誰かを指さして見ているわけにはいかない。その指を自分に向けなくちゃ。鏡に映った自分自身にね。これはNFLだ。みんな同じプレーをする。みんな違うように見せかけるけど、それは単に自分たちのプレー方法に過ぎない。正直、今は切れ味のあるプレーができていないだけだと思う。それを改善する必要がある」
現地8日(日)、スティーラーズは現在地区トップのレイブンズと対戦する。その試合では、ハリスがこれまでチームに欠けていたと考えているような鋭さと強硬さが必要になるだろう。AFC北地区の激闘はスティーラーズが求めているものなのかもしれない。
【RA】