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ブーイングと3回のインターセプトに屈せず戦い抜いたライオンズQBゴフ

2023年11月20日(月) 11:09

デトロイト・ライオンズのジャレッド・ゴフ【AP Photo/Paul Sancya】

現地19日(日)、デトロイト・ライオンズのクオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフにはブーイングが降り注いだ。

今回はゴフがライオンズの一員として初めて3回のインターセプトを喫した試合となった。これらのターンオーバーは第4クオーターの時点でシカゴ・ベアーズに12点差をつけられていたライオンズにとって、非常に重要な役割を果たしている。

しかし、ライオンズファンを沸かせたのはゴフの決意だった。

ライオンズは連続して17点を挙げ、31対26でベアーズに勝利。ゴフがチームをけん引する中で大逆転に成功した。

ライオンズのヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルは試合後に「ゴフについて分かっていることがある。少なくとも、彼はメンタル的にもフィジカル的にもタフになるだろう。そして、私たちは常にそれを頼りにできるはずだ。それを当てにすることができる。今日、彼は持ち前の回復力を発揮し、そういうプレーが必要なときにノーハドルモードで現れてくれた」と話している。

ベアーズ戦でライオンズファンの怒りを買う最悪のスタートを切ったゴフは、236パスヤード、タッチダウンパス2回、前述のインターセプト3回でパサーレーティング68.3というひどい成績を収めた。

ゴフはブーイングについて「分かるよ。彼らも動揺するし、俺も動揺する。動揺もブーイングもしてもらって構わない」と語っている。

試合終盤にゴフはパス5回中5回を成功させて71ヤードを獲得。ゴフがワイドレシーバー(WR)ジェイムソン・ウィリアムズに32ヤードのタッチダウンパスを通した後、エクストラポイントが決まったことを受けて、ライオンズは試合終了まで残り2分59秒の時点で点差を26対21まで縮めた。

ライオンズ守備陣がベアーズを3アンドアウトに抑えた後、ゴフは残り2分33秒から73ヤードのゲームウイニングドライブを指揮。ゴフはそこでパス7回中5回を成功させて44ヤードを記録している。最終的にランニングバック(RB)デビッド・モンゴメリーが元所属チームとの対戦でタッチダウンランを決めた。そして、ゴフがタイトエンド(TE)サム・ラポルタにパスを通して2ポイントコンバージョンに成功したことで、ライオンズは29対26で優位に立っている。

今回の勝利により、ライオンズは1962年以来で初の8勝2敗となった。今季、これまでのところライオンズはプレシーズンにかけられた期待に応えている。1957年以来となるNFLタイトル獲得を狙うフランチャイズにとって、そうした大きな期待は久しぶりの重圧となっている。

それゆえに、ゴフは序盤2回のポゼッションと、無得点で終えた試合後半の序盤4回のドライブのうち1回でインターセプトを喫したことを受けて、ファンから否定的な反応をされたことに理解を示した。

ゴフは「チームへの期待はこれまで以上に高まっていると思うし、俺たちはホームゲームでファンを前にして同地区の相手に勝ちたいと思っている」とコメント。「今日、俺たちは最終的にそうすることができた。一筋縄ではいかなかったけど、最終的に勝利を手にすることができた。繰り返しになるけど、それは俺たちがオフェンス面でもディフェンス面でも、いかにタフで勇敢であるかを証明している」

ベストな状態とは言い難かったものの、ゴフは最悪の状況にもめげずに粘り強くプレーした。

その姿勢に感銘を受けているキャンベルHCは次のように述べている。

「それは多くを物語っていると思う。彼は最高の試合をしたわけではないが、そういうときこそ彼が最も必要になるのだ。前半終了間際の2ミニッツドライブはかなり重要だった。そして、2スコア差をつけられていた試合終盤に、彼は最高のプレーを見せてくれた。彼がベストな状態を発揮していない試合では、それが多くを物語ると思う」

全体的に見れば、ゴフにとって調子の悪い1日は、ライオンズが新たな勝利をつかむ形で終わりを迎えた。その結果としてライオンズは過去60年間で最も素晴らしいシーズンスタートを切っている。その主な理由となっているのは司令塔の活躍だと言えよう。

「悪いプレーをして負けるより、悪いプレーをして勝つ方がずっと楽だ。それが今日の試合だった」と語ったゴフは「3クオーター半くらいは、みんなも俺も最高のプレーができたわけじゃなかった。だけど最後にはうまくいく方法を見つけた。それは良いチームの証さ。俺たちは回復力のあるグループでタフなんだ。勇敢で、何があっても引き下がらない」と続けている。

【RA】