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極寒のチーフス戦でグローブを着用しない見込みのドルフィンズQBタゴヴァイロア

2024年01月12日(金) 10:03


マイアミ・ドルフィンズのトゥア・タゴヴァイロア【AP Photo/Rebecca Blackwell】

ハワイ出身で、カレッジ時代をアラバマ大学で過ごした後にマイアミ・ドルフィンズに入団したクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアはこれまで、暖かい気候、そうでなければ、うだるような暑さの中でフットボールをプレーすることがほとんどだった。

現地13日(土)はそのような気候にはならないと予想されている。

タゴヴァイロアと暖かい環境に慣れているドルフィンズのメンバーは敵地に赴き、昨年度のスーパーボウル王者であり、キックオフ時の気温が華氏1ケタになりそうなミズーリ州に本拠地を構えるカンザスシティ・チーフスと対決する予定だ。

プロボウルに選出された経歴を持つタゴヴァイロアにとって、それは寒々とした新体験となるだろう。

チーム公式記録によると、これまでに経験した中で最も低い気温について聞かれたタゴヴァイロアは「たぶん(華氏)20度(摂氏約マイナス7度)くらいかな?」と答え、こう続けたという。「それか、20度より少し低いくらいだったかな。15度(摂氏約マイナス9度)より低かったことはないと思う。だから、たぶんその中間くらいかな」

つまり、土曜日にキャリア初となるポストシーズンでの勝利を挙げることを狙っているタゴヴァイロアは、自分にとってまったく新しい環境に身を置くことになる。とはいえ、タゴヴァイロアはどうにかして体を温める必要があると理解している。タゴヴァイロアが話していた華氏15度から20度ほどのシアトルで行われた高校のオールスターゲームを思い起こせば、試合前がこれまでと同様に重要になるだろう。

タゴヴァイロアは「すべてのことがどういう感じなのか、単純にその感覚なんだと思う。ボールがどんな感じなのか、投げるのがどんな感じなのか、ボールを持つのがどんな感じなのか、風があるのかないのか、そういうことをすべて考慮しなきゃいけない。でも、そこに行って試してみて、調整するかしないかに関して、何をしなければならないか確認してみる」と語った。

“Hard Knocks In Season(ハードノックス・イン・シーズン)”のあるエピソードで見られた通り、タゴヴァイロアとドルフィンズのQBルームの面々は、チームで副社長や社長、CEOの特別顧問を務めており、かつて“Isotoner(アイソトナー、寒冷地用グッズとスリッパのブランド)”のテレビCMに出演していた史上最高のクオーターバックの1人であるダン・マリーノから、クリスマスプレゼントとしてIsotonerのグローブを受け取っている。

クリスマスプレゼントをカンザスシティに持って行く可能性は低いと明かしたタゴヴァイロアは、次のようにコメントした。

「たぶんIsotonerのグローブは持っていかないけど、試合で何を身につけていいのかは確認してみるつもり。ああいう天候になる試合に向けての準備はできない。つまり、慣れない状況になるだろう」

タゴヴァイロアがグローブを着用する可能性は低いが、それはどのクオーターバックにとっても重要な決断だと言えよう。クオーターバックはより快適にプレーし、より正確にボールをつかむことを重視しているからだ。

「グローブなしでどんな感じになるか確認してみる。すべては考え方だと思っている」とタゴヴァイロアは話している。

タゴヴァイロアにとって土曜日に特異な点となるのは天候だけではない。

ドルフィンズは2年連続でプレーオフ進出を果たしているものの、先発クオーターバックのタゴヴァイロアはケガで昨季のポストシーズンゲームに出場していない。アラバマ大学でビッグゲームに挑むことに慣れているタゴヴァイロアは、NFLキャリアで初めてポストシーズンゲームに出場する。

「このチームには新しい選手がたくさんいるし、違うチームになっていると思う」と言うタゴヴァイロアはこう続けた。「多くの選手がみんな、正しくやりたいと考えていると思う。力を注いだのにそれができなかったら最悪だ。でも、これは新しいシーズンだと俺たちは考えている。新たなシーズン、新たな機会だ。俺たちは今週以降も行きたいところに行けるはず。でも俺にとっては、欠場した去年から今に至るまで、欠場したこと以外で言えることはあまりない。だから、それだけだ」

今回の試合には、かつてチーフスに所属していたワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルがアローヘッド・スタジアムに戻ってくることや、タゴヴァイロアがプレーオフデビューを果たすこと、そして、チーフスがスーパーボウルタイトル防衛に向けてプレーオフ初戦に臨むことなど、多くのストーリーが含まれているが、凍てつく寒さになると予想されている気候が見出しを飾っている。

チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは、必ずしも自分たちがホームフィールドアドバンテージを持っているわけではないと考えている。そこでは“雪合戦”ではなくフットボールの試合が行われるからだ。

それでもポリネシア系のタゴヴァイロアにとっては慣れない環境になるだろう。

「全部が新しいから、何かと比較することはできないと思う」と語ったタゴヴァイロアは「全部が全部、新しいことだ。ナショナルチャンピオンシップゲームのときとは違う感覚だ。SEC(サウスイースタン・カンファレンス)チャンピオンシップゲームとも違う。どれも新しい気持ちから来るものだと思う。でも、俺がそれに対処する方法は、これまで通り自分の仕事に取り組んで、自分の仕事を丁寧に遂行して、チームメイトも同じようにやってくれると信じることだ」と続けた。

【RA】