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契約終了に合意したペイトリオッツのビル・ベリチックとクラフトオーナーの声明全文

2024年01月12日(金) 14:19


ビル・ベリチック【AP Photo/Michael Dwyer】

ヘッドコーチ(HC)のビル・ベリチックとニューイングランド・ペイトリオッツは現地11日(木)、24シーズンと6度のスーパーボウル制覇の歴史に幕を閉じることで合意した。ニューイングランドにおけるベリチック時代の終わりを告げるにあたり、ベリチックとオーナーのロバート・クラフトが公表した声明の全文は以下の通り。

ペイトリオッツ元HCビル・ベリチックの声明

「おはようございます。これだけのカメラを見たのはクオーターバック(QB)の(ティム)ティーボウと契約して以来だ」

「ロバート(クラフト)と私は、話し合いを重ねた結果、互いに別れることに合意した。私にとっては感謝と祝福の日だ。まずはロバートと彼の家族から。24年間ここでコーチを務める機会を与えてくれて本当にありがとう。素晴らしい機会だったし、多大なサポートを受けた。われわれはここで勝者を作り、チャンピオンシップ・フットボールチームを作るというビジョンを持っていた。多くのハードワークと多くの人々の貢献によって、ともに達成できた成功の量は、私の夢と期待をはるかに超えている。そのことをとても誇りに思うし、この素晴らしい思い出を今後もずっと抱き続けるだろう。ここでの思い出は私の残りの人生においても誇りだ。もちろん、アシスタントコーチたちにも感謝している。ここには私の仕事をとても楽にしてくれた素晴らしいコーチがたくさんいた。長いリストになるが、彼らの仕事量、準備、勤勉さ、そのどれもが素晴らしかった。選手についてもコーチについても言えることだが、彼らが何年このチームにいたとか、何年コーチをやっていたとか、ポジションが何だったとか関係なく、素晴らしいチームワークで、みんなが持てる力をすべて出し切ってくれた。だからわれわれは成功したんだ。コーチ陣やサポートスタッフには、スカウティング、用具、トレーニング、セキュリティー、ビデオ、オペレーション、食堂など、あらゆる面で私をサポートしてくれた素晴らしいスタッフがいる。すべてが一流で、非常に素晴らしかった」

「もちろん、選手たちには心からの感謝とお礼を言いたい。ペイトリオッツでプレーした偉大な選手たちの中には、すでに殿堂入りしている選手もいるし、これから殿堂入りする選手もたくさんいる。そのような偉大な選手たちを指導できたのは本当に、本当に幸運なことだった。繰り返しになるが、ここにいた期間が長かろうが短かろうが、どんな役割を果たしたか、何試合出場したか、たとえ優勝できなかったとしても、私は選手たちが日々ここで練習に取り組む姿を尊敬していた。私は1,000人以上の選手を指導してきた。彼らの仕事ぶりを見ると、準備、ウェイトルームでのトレーニング、鍛錬、ミーティング、リハーサルなど、勝つために必要なことを何度も何度も繰り返していた。私はすべての選手に敬意を抱いているし、確かにこのチームには長く在籍し、素晴らしい貢献をした選手がたくさんいる。ここで名前を挙げるには多すぎるが、選手たちには感謝している」

「メディアの皆さん、この24年間、私やわれわれ以上に報道された人はいないでしょう。私はあなたたちの活動に敬意を払ってきた。あなたたちはファンに対するわれわれの代弁者だ。いつも意見が一致するわけではなく、たいていの場合は一致しなかったけれど、私はあなたたちの仕事を尊敬している」

「そして最後にファンの皆さんへ。ここのファンは素晴らしい。ファンとの思い出はたくさんある。見送り、賞賛、そして日曜日。どんな状況であれ、応援の手紙、ガソリンスタンドや食料品店、どこでばったり会っても、ここから離れたところでもファンを見かける。ペイトリオッツのファンはニューイングランドだけでなく、全国的に、そして私が旅したように国際的にも広がっている。今年ドイツで見た光景のように、ここまでファンが広がっているのかと感じるのは素晴らしいことだった。私や私の家族、そしてこのフットボールチームを支えてくれたファンにはとても感謝している。ペイトリオッツについては、たくさんの思い出がある」

「私はいつだってペイトリオットだ。ここに戻ってくるのを楽しみにしているが、今回は、前に進もう。私は前を向いているし、未来にワクワクしている。ここでの機会、ここでのサポート、ロバートが私にしてくれたことにいつもとても感謝している。ありがとう」

ペイトリオッツオーナーのロバート・クラフトの声明

「皆さん、こんにちは。ビルも言っていたように、私たちは昨日話し合い、友好的に別れることにお互い合意した。良い結婚と同じように、ヘッドコーチとオーナーの関係を成功させるには多くの努力が必要だ。われわれのパートナーシップが24年間続いたことをとても誇りに思う。NFLにおいて、われわれほど長く続き、生産的であったパートナーシップは他にないと思う。1996年に一緒に仕事をした後、彼を雇わなかったことをすぐに後悔した私は、自分の直感を信じて2000年にビルをペイトリオッツへ呼び戻した」

「彼を雇ったとき、私はまだ1971年にシーズンチケットを買い、息子たちと古いフォックスボロ・スタジアムの金属製のベンチに座っていたファンから、経験豊富なオーナーになろうとする転換期だった。ビルはその数年間、私に多くのことを教えてくれた。2人で何を成し遂げることが出来るか、高い期待を持っていた。あなたのおかげで、われわれはその期待を超えたと言っていいと思う。あの金属製のベンチに座っていた頃に戻って、スーパーボウルに10回出場し、ロンバルディ・トロフィーを6個もマサチューセッツに持ち帰る機会があると考えると、本当に言葉で表すのが難しいほどだ」

「私はいつだってセンチメンタルなスポーツファンだから、この日はとても感慨深い。私にとって最も幸せで、最も思い出深い瞬間のいくつかは、ビルがここでHCをしている間に家族と祝ったものだ。また、多くのファン、そしてほとんどのファンにとっても非常に感慨深い日だと認識している。ひとつの時代の終わりを象徴するものであり、この地域で今後も常に祝われるものであってほしい。私の左隣に立っている男は、われわれが達成したこの前例のない成功を可能にするために必要なリーダーシップとコーチングスキルを持っている。ベリチックHCは、ここニューイングランドで伝説的なスポーツ・アイコンとして永遠に称えられるだろうし、プロフットボールの殿堂入りも間違いないだろう。それはなぜか? 彼は史上最高のコーチだからであり、それゆえ今回の別れはとても難しい決断だった。しかし、これは今必要なことだとお互いが合意したことでもある。私が思うに、ビルがわれわれと成し遂げたことは、決して真似できるものではない。しかもサラリーキャップとフリーエージェント(FA)のある時代にそれを成し遂げたのだから、なおさら並外れたことだ。彼のハードワークと献身に感謝している。今後、彼がサイドラインでカットオフのパーカーを着ているのを見るのは難しくなるだろうが、私の愛するペイトリオッツと対戦するとき以外は、いつも彼のさらなる成功を祈り続けるだろう。今日ここに来て、このお祝いに参加してくれた全員に感謝する」

【AK】