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マッカーシーHCが契約最終年を迎えることはDC探しの妨げにならないとカウボーイズオーナー

2024年02月06日(火) 09:35

ダラス・カウボーイズオーナーのジェリー・ジョーンズ【NFL】

常に自信があるダラス・カウボーイズのオーナー、ジェリー・ジョーンズは当然、守備コーディネーター(DC)探しに関するいかなる複雑な事情も気にかけていない。

カウボーイズはダン・クインがワシントン・コマンダースのヘッドコーチ(HC)に就任したことを受けて、新たな守備コーディネーターを必要としている。しかしながら、マイク・マッカーシーHCの契約期間があと1年しか残っていないことを踏まえると、職の安定性に欠けることから、候補者は二の足を踏むかもしれない。

チーム公式サイトによると、ジョーンズは現地4日(日)に記者会見の場で「それが問題になるとはまったく予想していない」と述べたという。

「仕事を引き受けたら、カウボーイズのコーディネーターになる。候補者はそれと、それに付随するものに目を向けるはずだ。彼らは自分たちが望めばどこかのヘッドコーチになるチャンスがあることを分かっている。というのも、今回去ったコーチがそうだからだ」

特にジョーンズがすでに2024年に向けて“全力を尽くす”と述べていることから、チャンピオンシップに届かなかった場合に、カウボーイズが来季終了後にマッカーシーHCを呼び戻すかどうかを迷うのではないかというのが、候補者にとっては懸念点となるだろう。

マッカーシーHCとの決別は新しいヘッドコーチの就任を意味するが、新ヘッドコーチはおそらく自分が選んだ人材を中心に構築されたスタッフを望むはずだ。

しかし、ジョーンズがカウボーイズのDC職に関して指摘していたことには一理あるうえに、カウボーイズ守備陣にはスーパーボウルを狙えるタレントがすでにそろっている。

クインは2020年シーズン中にアトランタ・ファルコンズのヘッドコーチを解任されたあと、カウボーイズのDC職を踏み台にして新たな仕事を手に入れた。2021年にマッカーシーHCのスタッフに加わったクインは、2度にわたってディフェンスを被得点で5位に導いている。

クインの才能は明らかで、それを武器に2度目のヘッドコーチ職を獲得。今回はカウボーイズと同じNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区で指揮官に就任している。

ジョーンズは「結局のところ2年前、私はダンがヘッドコーチの仕事を望んでいることを感じ取っていた。だから、彼がヘッドコーチ職に就いたことには驚かなかった」と話している。

「当時は水晶玉を見てもどういう方向に進んでいくかを知ることはできなかったが、驚きはしなかった――彼には、ヘッドコーチになる資質を備え、スーパーボウルに出場した経験を持っているという事実がある」

DCからHCになるという、実績のあるルートは間違いなく、近年のカウボーイズの持続的な成功と同様にセールスポイントになるだろう。

カウボーイズはマッカーシーHCの下、1990年代後半から続いている拷問のような壁――28年間、NFCディビジョナルラウンドを突破できていない――にぶつかっているが、チームは2021年から通算でレギュラーシーズンに36勝を挙げている。

カウボーイズ攻撃陣はディフェンスからプレッシャーを取り除く手段をすべて備えている状態だ。クオーターバック(QB)ダック・プレスコットと彼が率いるオフェンスは、過去3年間で2度、得点でリーグ1位に輝いている。

また、カウボーイズはNFLディフェンス部門年間最優秀選手の最終候補5名のうち2名――ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズとコーナーバック(CB)ダロン・ブランド――を擁している。ブロックするのが不可能に近いパーソンズは、3年のキャリアでサック40.5回、フォースドファンブル7回を記録してきた。一方のブランドは、キャリア2年目のシーズンに9回のインターセプトを決め、そのうち5回をリターンタッチダウンにつなげてNFLの単一シーズンにおけるピックシックス数で史上最多記録を更新している。

ディフェンシブエンド(DE)デマーカス・ローレンスのようなベテラン選手がいるのも強みで、来季はACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂から復帰するスターCBトレボン・ディッグスからの恩恵も受けられそうだ。

月曜日から守備コーディネーター候補との面談を始めることを明らかにしたジョーンズには、マッカーシーHCの契約や、それが優秀な守備コーディネーターを採用するのにもたらす影響に関するシナリオを肯定しないだけの理由がある。

カウボーイズでコーチを務めることにはプレッシャーがあったとしても、面談を受ける側にもこの仕事を求める十分な理由があるはずだ。

カウボーイズはここ数年、飛躍を遂げる一歩手前まで来ており、最終的にそれを成し遂げるのを後押しするための採用によって、チームはその場にとどまるか、さらなる高みにのぼりつめるかのどちらかになるだろう。

【RA】