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ビル・ベリチックがどこのチームからもHCとして採用されなかったことに“驚いた”トム・ブレイディ

2024年02月08日(木) 10:55

ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディとヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチック【AP Photo/Carolyn Kaster】

今回の採用サイクルでどこのチームにも加入しなかったビル・ベリチックが、2024年シーズンに今世紀で初めてNFLのヘッドコーチ(HC)を務めないことに驚いている人は多い。

ベリチックが指導していた元クオーターバック(QB)もその1人だと考えられる。

かつてニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバックとして活躍していた元QBトム・ブレイディは、自身のポッドキャスト『Let’s Go!(レッツ・ゴー)』で共同ホストのジム・グレイから、ベリチックが今回の採用サイクルでどのチームにも加入しなかったことに驚いているかと質問されている。現在は、すべてのヘッドコーチの座が埋まっている状態だ。

ブレイディは「僕は(コーチを)雇う側じゃない」とコメントし、こう続けている。

「彼らを雇う基準も、コーチを雇う基準も知らない。それに関わったことは一度もない」

「つまり、史上最高のコーチに仕事がないことには驚いている。間違いなくね。でも、僕はNFLでの多くのことに驚かされている」

アトランタ・ファルコンズのHC候補として最有力だと見られていたベリチックは、チームオーナーであるアーサー・ブランクとの1対1の面談を含め、2度にわたってフランチャイズとの面談に臨んでいた。

しかし、ファルコンズは最終的にロサンゼルス・ラムズの守備コーディネーター(DC)を務めていたラヒーム・モリスをヘッドコーチとして採用。つまり――現状では――今年は2000年シーズン以降で初めてベリチックがヘッドコーチを務めていない状態でシーズン第1週を迎えることになる。

リーグ史上最も多くのことを成し遂げたクオーターバックと言えるブレイディは、2019年シーズン終了後にペイトリオッツを退団してフリーエージェント(FA)になった自身の経験から、リーグにおける物事の進め方について異なる視点を得たと明かしている。最終的にタンパベイ・バッカニアーズと契約したブレイディは、そこでの最初のシーズンにチームをスーパーボウル制覇に導いたものの、当時43歳になろうとしていたQBと多くのチームが契約したがっているわけではなかった。

ブレイディはポッドキャストで「フリーエージェントのとき、僕を欲しがらないチームはたくさんあった」と語っている。

おそらく、ベリチックの年齢(4月に72歳になる)と、ブレイディ退団後のペイトリオッツの低迷が、今回の雇用サイクルに不利に働いたのだろう。しかしだからと言って、ベリチックの置かれた状況――あるいは、このリーグで最終的に起こった多くの状況――にブレイディが驚かなかったわけではない。

ブレイディは「何らかの理由で、自分の思い通りに進まない出来事はたくさんあるものだ」と話している。

【RA】