パンサーズQBヤングは“自分ではコントロールできない”問題に対処していたとテキサンズQBストラウド
2024年02月08日(木) 14:52NFLで新人クオーターバック(QB)になる厳しさを理解できる人を1人挙げるとすれば、それはヒューストン・テキサンズのC.J.ストラウドだろう。
もちろん、ストラウドは2020年から2022年にかけての3シーズンで合計11勝しか挙げられなかったチームがプレーオフゲームで勝利を挙げるのに貢献するなど、輝かしいルーキーシーズンを過ごし、年間最優秀新人賞の最終候補にも選ばれている。しかし、ストラウドは新人として屈辱的な瞬間も味わってきた。だからこそ、ストラウドは自分より先にドラフトされたある選手が2023年シーズンに耐えなければならなかった状況を理解している。
ドラフト全体1位指名を受けたQBブライス・ヤングはカロライナ・パンサーズでの最初のシーズンに苦戦。パンサーズはリーグワーストの2勝15敗という成績でシーズンを終えている。ヤングは16試合に先発し、2,877ヤード、タッチダウン11回を記録。その一方で、インターセプト10回、ファンブル11回を喫した。チームは複数のプレーコーラーを起用し、ヘッドコーチ(HC)を務めていたフランク・ライクは就任からわずか11試合で解雇されている。
ストラウドは、ヤングがルーキーとして不利な立場に置かれたのは、彼を取り巻くオフェンスの状態に原因があり、ヤングが1年目に成功を収められなかった責任は別のところにあると信じているようだ。
ストラウドはポッドキャスト『The Pivot(ピボット)』で「彼の立場では、多くのことが思うようにいかなくて、それは彼の力ではどうにもならなかったと思う」と語り、こう続けている。
「ほら、誰かがブロックしてくれなかったらプレーはできないだろ。誰かがボールをキャッチしてくれなくてもプレーはできない」
「映像を見てみると、ブライスは素晴らしいプレーをたくさんしていた。何を言おうとしているか分かるだろ? 彼は素晴らしい選手になるだろうけど、それには時間がかかる」
ヤングが成し遂げた素晴らしいことの1つとして、シーズン第8週にストラウド率いるテキサンズを15対13で破ったことが挙げられる。その試合でヤングはストラウドの成績すらも上回っており、140パスヤード、タッチダウン0回というストラウドの記録に対して、235パスヤード、タッチダウン1回をマークした。
全体的に見れば、ヤングがいるパンサーズよりも、自分がいるテキサンズの方が、1年目に成功を収める環境が整っていたと考えていると明かしたストラウドは、次のように話している。
「自分たちが苦境に立たされていた場面があったのは分かっているけど、それでもうちには素晴らしいピースがたくさんそろっていた。ニック・カセリオGM(ジェネラルマネジャー)はいいベテランをたくさん連れてきてくれた。デミコ(ライアンズHC)はうちみたいなタイプのチームにとって完ぺきなコーチだった」
ストラウドがヤング本人にも伝えたと明かしているメッセージは、2023年シーズンが計画通りにいかなかったからといって、自分を低く見積もるなというものだ。フィールド上ではライバル同士かもしれないが、ストラウドは全力で同じドラフトで指名を受けた同期を鼓舞している。
「人それぞれ進む道は違う」と強調したストラウドはこう続けた。「たぶん俺はいいルーキーイヤーを過ごした。ブライスは素晴らしい2年目を過ごすだろう。俺もそうなればいいなと思っている」
「でも、彼には“お前が1番なんだ。お前が1番だったのには理由がある”と伝えた。彼にそんなつもりはないだろうけど、“決して自分を違うふうに捉えるなよ”と言っておいた」
【RA】